クズは学校へ 第11話
「天国から一気に地獄に落ちる夢を見た気がするんだが……」
昨日と同様、テリスによるアラームで黒水は目を覚ました。
午前六時二〇分。
すでに日をまたいで朝になっていた。
「そうか、あのとき気絶して――」
「あらあ、女子風呂に入った大犯罪者のお目覚めよお」
奏が猫のような丸い目をクリクリさせて黒水を覗き込んでいた。
「大犯罪者って……、えっ!?」
黒水は察した。
「テリス、俺の貢献ポイントはっ!?」
『五味黒水の貢献ポイントは-1012 ptです』
「なんでだよ、すげえ減ってるじゃねえか!?――ハメやがったな、奏え!?」
「気安く名前でよばないでもらえるかしら、ヘンタイ?特訓のためなんだから仕方ないでしょう?」
「あれのどこが特訓なんだよ!?」
「んー、そうねえ?欲望をギリギリで抑え込まれて、何か内側からたぎるものがあったんじゃないかしらあ?」
「テキトーなこと言ってんじゃねえぞまじで!」
黒水は奏に怒号を発した。
さすがに冤罪でここまで貢献ポイントが下がるのは、おかしすぎる。
怒りと焦燥感で朝から頭がおかしくなりそうだ。
「とにかく、俺は勝手に女風呂に連れ込まれただけで別に何もしていない!テリス、貢献ポイントを返してくれ!」
『テリスの一存でそのようなことは不可能です』
黒水の右耳に残酷な現実をつきつけるテリス。
「でもあなた、亜紀のおっぱいを触ろうとしたんじゃないかしら?」
「それはっ――!」
「お尻の次はおっぱいとはねえ?底知れない性欲を持った獣と同居していると思うと怖いわねえ」
「あたしは別によかったですけどね……」
亜紀は人差し指を合わせてモジモジとしていた。
「アッキーもそんなこと言うなっ!男は勘違いしやすいんだからっ!ロミロミとかなでんも、はやく集会に行かないと貢献ポイント下がっちゃうぞ!」
斧研はそう言ってそそくさと教室を出ていった。
黒水には、斧研の横顔が妙に火照っているように見えたのだった。




