クズは学校へ 第3話
「はぁ~、疲れたぁ~」
『クズとして当然のはたらきを見せてくれました、五味黒水。貢献ポイント10 ptを付与します。五味黒水の現在の貢献ポイントは- 562 ptです』
朝のゴミ箱集会が終わり、風紀委員に連行される形で黒水たちは校舎の一階へと向かった。
やはりゴミ箱に比べて校舎の中は明るく、シャバに出た囚人の気持ちが少しでも味わえた気がする。
そんなことを考えているのも束の間、すぐに渡された掃除グッズを出すように指示され、九〇分以上掃除をさせられたのだった。
少しでもサボろうと思っていたが、奏の元用心棒であるシモンにピッタリと見張られていたため、黒水は人生で初めて必死に掃除をすることになった。
その結果が貢献ポイント+10 pt……。
昨日の夜のやらかしがチャラになっただけである。
「このままじゃ、一生ゴミ扱いだな……」
午前八時〇五分。
黒水は東京地下第四高等学校の1年E組と書かれた教室の席で頬杖をついていた。
黒水がこれから通うことになるクラスの教室だ。
「なーに悩んでんだよ、ロミロミ」
「なんで斧研がここにいるんだよ……」
「なんでって――、うちも<特別枠>で合格したからに決まってんじゃん」
「ああー、確か抽選で合格した人たちは同じクラスに集まるんだっけか?まあ確かに斧研は頭がいいって感じしないもんな」
「ロミロミに言われたくねーよ」
「――いてっ!」
斧研は黒水の頭にチョップを入れる。
「この教室にはまだ誰も来ていないみたいだな。どうせうちたちのこと、ゴミを見る目で見るんだろうけど」
「そうなのか?案外俺たちとは関わらないように無視するんじゃないか?」
ヒリヒリする頭を押さえながら黒水は言った。
素の力とは思えないほど斧研のチョップの威力が大きかった。
さすが、男三人を半殺しにしただけある。
「うちもまだクラスの人と全然かかわってないからわからないけど。ところでさ――」
斧研はポニーテールを手櫛しながら、黒水のほうに一歩近づいた。
斧研の髪のオレンジのインナーカラーが窓から差す朝日に映える。
斧研の言葉を待つ間、黒水はその様子に見惚れていた。
「勘違いかもしれないんだけど、ロミロミって五味黒水じゃん?どっかで聞いたことがある気がするんだよな」
「気のせいだろ?ゴミ箱に入れられてからずっとゴミゴミ言われてきたからじゃねーの?」
黒水は即答した。
「確かにそうかもしれないか。その点でいえば、ロミロミって名前勝ちしてるよな?入学初日でゴミ箱に入るゴミクズ野郎だもんな」
「お前に言われたくねーよっ!」
黒水と斧研がそんなくだらない会話をしていると――。
教室の扉が音もなく自動で開き、次々と青いボディスーツを着た人たち――善良な生徒――が1年E組の教室に入ってきた。




