表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クズはゴミ箱へ  作者: 天方主
第一章 クズは牢獄へ
17/50

クズは牢獄へ 第16話

「ちなみに、黒水様!何ptでしたか?」


 亜紀が目をキラキラさせて、黒水に顔を近づける。


「-512 ptだけど……」


「入学初日にもかかわらず、この低いポイント……。素晴らしすぎますっ!黒水様、いや師匠と呼ばせてください!」


「だからさっきからお前の言葉が皮肉にしか聞こえないんだよっ!」


「いやいやいや、あたしは本気で真のクズになりたいんですっ!」


「……………」


 亜紀の捻じ曲がったやる気に気圧される黒水。


「いやあ、それにしてもお二方とも本当に凄いですよね。入学初日にゴミ箱に入れているんですもん。あたしなんて丸一年かかったのに……」


「あっ、そういえば――」


 ゴミ箱集会での奏の言葉を思い出す。


 確か、入学初日に二人がゴミ箱に収監されたと言っていた。


「――そういえばお前も今日逮捕されたらしいな。しかも、痴漢とか……。まじきもすぎ」


 斧研とかいう女は相変わらずヤンキー座りで、黒水には背を向けて話していた。


 その態度と言葉に、黒水は眉間にしわを寄せた。


「ああん?じゃあお前はどうなんだよ?なんで今日逮捕されたんだよ?」


「入学式終わった後、しらねー男三人にナンパされたから」


「おん」


「全員半殺しにしてやった」


「なんでだよっ!ダメに決まってるだろっ!」


「痴漢したやつに言われたくねーよ!」


 斧研は顔だけ黒水のほうに向けてツッコミを入れた。


 ポニーテールが揺れ、インナーカラーのオレンジが黒水の目に映る。


 というか、斧研ってそんな強いやつだったのか……。


 おそらく、<身体能力の大幅な向上>のインストール完了後だろうが、女が男三人半殺しはなかなかに末恐ろしい。


 見た目明らかに細いのに……。インナーマッスルがとてつもないのか?


 これからは言葉遣いには気を付けることにしよう……。


「まあいいや。斧研美影おのとぎみかげ。とりあえずこれからよろしく。何か変なことうちにしたらぶっとばすから」


「は、はいぃ……。五味黒水っていいます。半殺しは勘弁してください」


「五味黒水……。じゃあこれからはお前のこと、ロミロミって呼ぶわ。お前は佐野亜紀だからアッキーね」


「人をハワイの伝統的なダンスみたいな名前で呼ばないでください……」


「わーい!あだ名なんて小学校ぶりですぅ!」


 がっくりと項垂れる黒水とは対照的に、ばんざいして喜ぶ亜紀。


 にしても、黒水だけあだ名の癖が強すぎる。


 あだ名でそんなところから抽出するやつ一人もいないだろ……。


「うちとロミロミは罪も重いし、当分ここにいることになりそうだな。まあ、アッキーは知らんけど」


「あたしもお二人に負けないようにがんばりますっ!」


「「なにをがんばるんだよ……」」


 斧研と黒水が思わず言葉を被ってしまう。


「まあ、牢獄という割にはつらくなさそうだし、しばらくここにいてもいいかなあ」


 そんなことを黒水がつぶやいていると――。




「離しなさいよっ!シモンこら!……あ、いま私のおっぱい触ったでしょ。はい絶対触ったー!あんたもゴミ箱行きー!」




 遠くのほうから聞き覚えのある、ヒステリックな叫び声が聞こえてきた。


 完全に『やつ』の存在を忘れていた。


 ……やっぱりはやくここから出たいかも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ