クズは牢獄へ 第14話
校長の言葉に風紀委員たちがざわつき始める。
奏本人はというと、一体何が起こっているのか理解できないといったようにその場に固まっていた。
「いろいろ報告は受けています。風紀委員には、隙あらば風紀委員長マウント。他の生徒には立場を利用したパシリに恐喝……。おまけにタバコはねえ……、完全にアウトです」
「……ふぇぇぇぇ」
奏は魂が抜けたような声を出す。
しかし、スイッチが切り替わるように表情が鬼の形相へと変わり、
「シモン!あんたチクったわね!」
とヒステリックに叫んだ。
シモンは巨体を一生懸命縮ませ、全力で首を振り否定していた。
「まあいいや、校長は忙しいので去ります。あ、新しい風紀委員長は金守亜依加さんです。よろしくお願いしまーす」
そう言って校長はそそくさと朝礼台を降りて行った。
「こんなの認めない!認めないわあああああ!」
暴れる奏を何人かの風紀委員が拘束し、奏は奥にあった教室へと連れていかれた。
――何と滑稽なことだろう。
さっきまで散々人のことクズだのゴミだのバカにしていた女が今一番の不幸に見舞われている。
黒水は最高に気分が高揚していた。
「あー、えと。突然のことですみません。新風紀委員長の金守亜依加っていいます!風紀委員の皆さん、そしてゴミ箱の皆さん、これからよろしくお願いしますね」
さっきまで司会をやっていた女が朝礼台に上がり、ニコッと笑顔で挨拶した。
温厚で優しそうな雰囲気があり、奏とは対極の癒しのお姉さんみたいな感じだ。
何といっても、そのはちきれんばかりの胸のサイズが黒水には気になって仕方ない。
「あのお姉さんにお世話されるってことかなあ……。ぐふふ」
黒水は小声で呟いた。
気分がスカッとしたあとに、希望も持たせてもらえるなんて……。
人生、まだ捨てたもんじゃないな。




