territory
どうしてわかってくれないの
ここはまだ 私の領域
あなたが踏み込むには
まだ早い
なのに どうして
そう易々と
私の領域に踏み込んでくるの?
まだ 許可した憶えなんて
私はないのに
あなたの
私に対する距離の詰め方が
私はこわい
私に触れるその手も
私にかけられる言葉も
優しさを感じるその前に
無遠慮にさえ思えてくるから
なのに私は
それを言えずに黙り込んで
こうして
私の領域を主張する
ここはまだ私の領域
あなたはまだ踏み込むべきじゃない
そう言えたなら
どれだけ楽になることか
弱虫だって
臆病だって
わかってるのに
こんなふうでしか
私は気持ちを吐露できない
あなたに何も伝えないままで
どうかまだ踏み込まないで
ここは今 私だけの領域
ここはまだ 私だけの領域
あなたはこれ以上
踏み込むべきじゃない
こんにちは。葵枝燕です。
『territory』のご高覧、ありがとうございました。
この詩を書いたのは二〇一八年十二月三日のことです。その日、職場の先輩である男性と、職場の忘年会でやるビンゴゲームの景品を買いに行ったのですが……その先輩の距離の詰め方が私はこわくて。すごく私に優しく接してくれる先輩なのですが、いくらなんでも近寄ってきすぎというか。私のはっきりしない態度も問題なんだろうとは思ってはいるのですが、善意でやってるんだろうなって思う分、より断りづらくて。でも、私にも私のテリトリー——縄張りはあるわけで、まだその近距離に入ってくる相手ではないんですよね、多分。そんな思いを詩にしてみました。
とりあえず、その先輩とは担当部署も変わったわけですから、もう少し、距離を置こうと思ってます。一人に頼りきりは、より私をダメにすると思うので。
久々の投稿がこんなんですみません。
ご高覧、ありがとうございました。
葵枝燕でした。