美少女されど美少女
「うおおおお!ボウタロウデラックス!!」
ボウタロウの必殺技によって、他校の騎士団は枯れかけの花の花びらのように次々と散っていった。
「やったーーーー!」
「キャアアアアアア!」
と教室が大盛り上がり。
「今回も勝っちゃったのかつまんないの」
僕は陰口を言っていた。
ボウタロウたちは今のところ連戦連勝。負けているところも見てみたいものだけれど。
「あれー?せっかく勝ったのに浮かない顔してるねー」
僕の顔を覗き込んで喋りかけてきたのは平田 夏美。容姿端麗で、男子からの人気も信頼も厚い女子だけど、実はただのメンクイで嘘つきって噂もあるらしい。あー怖い。
「い、いや、そんなことないよ?でも、毎回勝ってるからちょっと慣れちゃったかもなーなんて」
僕はやっぱり他人と話すとどもってしまう。
「そーなんだー、あ、それよりさ、今日の放課後体育館裏に来てくれないかな?」
なぜか上目遣い。
「え、あ、行ってもいいよ別に」
「えー、なにそのちょっと上から目線ーw まあ、いっかー、じゃあまた放課後ねー」
平田さんは手を振りながら友達のところへ行ってしまった。
ドクンドクン
(なんで放課後体育館裏?も、もしかして告白!?いやいや、平田さんに告白されるほど好かれてはないと思うし… 僕にはあの人が…)
僕は顔が燃え盛ったのを誤魔化すように前髪を整えた。
ーーー放課後ーーー
色々な考えを巡らせながら、僕は体育館裏に向かうのだった。