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『A.I.の関係』(戯曲)

掲載日:2014/01/07

戯曲です。上演35分ほど。タイトルと登場人物に縛られて、強引な仕上げになってますが。。。

CAST 

     部長(三年あゆむ)   

     親友(三年いちこ)   

     チヤライ男(一年あやた)

     まじめ女(二年いよ)

     女装君(二年あきら)

     部長の妹(一年いずみ)



   幕開き。照明イン。

   舞台中央、あゆむ部長が立っている。


あゆむ「オレは、超能力者になったんだ!オレは、エスパーだ!」


   舞台後ろ、悪の手下に捕まった、いちこ。


いちこ「誰か~~、た~す~け~て~(棒)」

あゆむ「む!不届きな奴らめ!懲らしめてやる!いちこ、今助けてやるぞ!とりゃあ!」


   ハデなBGM。次々と、超能力で手下たちをやっつける。


あゆむ「思い知ったか!悪党どもめ!もう大丈夫だよ、いちこ。」

いちこ「あゆむさん!」

あゆむ「は~はっはっは!オレは、エスパーになったんだ~!」


  「なったんだ~、なったんだ~、なったんだ~」と次第に反響が小さくなりながら暗転。

   照明イン。舞台上、チャラ男あやたが何かやっている。それをまじめ娘いよが見守っている。


いよ「あの~、あやた君、何してるの?」

あやた「え?あ、いよ先輩、筋トレっすよ!」

いよ「…今日は講習だったじゃ?」

あやた「講習より大事な物があるっす!部長から集合がかかったっすし。」

いよ「相変わらずだね。(微笑)」

あやた「えへへ(笑)そうだ!あっ、あのですね、よかったr」


   部長の妹いずみ、上手から登場。


いずみ「こんにちはぁ!!」

あやた「わぁぁ?!」

いよ「こんにちは、いずみちゃん!」

いずみ「こんにちはいよ先輩。あやた君、何驚いてんの?」

あやた「え?!あ、えっと、なんでもないっす!(あわてる)」

いずみ「あやしー(笑)」

いよ「あれ…?いずみちゃん、あゆむ部長は?部員呼び出しておいてまだ来てないんですけど…。」

いずみ「ん?ああ、お兄ちゃんね。もうすぐいちこ先輩と来ると思うよ。新しいこと始めるんだって。あ、ほら。」


   あゆむ部長、上手から登場。


あゆむ「諸君、おまたせえ~~!うわっ!!」


   あゆむ部長、転ぶ。

   いずみ、呆れた顔であゆむ部長を見る。


あゆむ「いってぇ~~」

いずみ「お兄ちゃん…何してるの。」

あゆむ「誰かがオレの足をつかんできて…魔物かっ?!」

いずみ「は?」


   いちこ上手から登場。いずみそれに気づいた瞬間、ごきげん顔。


いずみ「こんにちはです!いちこ先輩!」

いちこ「ああ、こんにちはいずみちゃん。…で、あゆむ、そんな所で何やってんの?」

あゆむ「おお!よく聞いてくれた!実はさっき、魔物r」

いちこ「あーはいはい。わかったわかった。」


   いちこ、あゆむを起き上がらせる。辺りを見渡して女装君あきらがいないことに気づく。


いちこ「あれ?あきらは?見当たらないけど。」

いずみ「あきらちゃんならまだ教室にいるらしいですよ~。連れてきましょうか?」

いちこ「んじゃあ、お願いね。」

いずみ「行ってきまーす。」

あやた「行ってらっす!」


   いずみ、退場。


いよ「部長~。今日は何をするんですか~?」

あゆむ「ふっふっふっ…知りたいかい?」

いよ「うーん、どっちでもいいです。」

あゆむ「なっ?!」

いちこ「あゆむ、冗談だから早く言えよ。」

あゆむ「オレの扱いひどくね?!ま、まあ、いっか…ゴホンッ!とりあえず準備があるから手伝ってくれ!」

あやた「え~、肉体労働っすか?んで、何やるんすか?」

あゆむ「それはだなー。超能力だ!」

一同「…はい?超能力?!」


   全員、退場。

   あきら、いずみ、何か作業をしている。


あきら「ありがとね、呼びに来てくれたついでに手伝ってもらっちゃって。」

いずみ「こんなの、大したことないですよ。」

あきら「それで、あゆむ部長、今日は何をするのかしら。」

いずみ「あれ?聞いてないんですか?えへへ、面白いことですよ(笑)。」

あきら「あら~、教えてくれないの~?ケチんぼさんね~~」

いずみ「あきら先輩、知りたいですか~?」

あきら「知りたいわ~。」

いずみ「あのですね~」

あきら「うんうん?」

いずみ「超能力の実験でーす!」

あきら「超能力?」

いずみ「はい。超能力。」

あきら「ふ~ん。」

いずみ「え~、あきら先輩、食いつき悪い~。興味ないんですか?超能力。」

あきら「そうねえ。興味がないというか、なんというか。」

いずみ「お兄ちゃん、夢で超能力者、エスパーになったんだって。それで急に思いついたみたい。」

あきら「それで、みんなに集合かけたのね(笑)」

いずみ「でも、超能力ってすごいじゃないですか!私あこがれます。」

あきら「でも超能力って、意外と大変なんじゃないかしら?」

いずみ「え~~、そんなことないですよ~。読心術とかって便利なんですよ~」

あきら「例えば?(笑)」

いずみ「例えばですね~、分かれ道があって、片方が正直村、片方がうそつき村につづいています。道の真ん中にはどちらの村の人かわからない一人の男が立っています。何と聞けばいいでしょうか?って質問に悩まなくていいんですよ~」

あきら「そ、そう?じゃあ、楽しみにしとくわ。すぐに顔出すわね。」

いずみ「わかりました!」

あきら「いずみちゃん。わざわざありがとう。じゃあ、用意してから行くから先に行ってて。」

いずみ「了解ですー。じゃあ、私、先に行ってますね。」


   いずみ、下手から退場。


あきら「超能力、ね。さて、行きましょうかしら。」


   あきら、上手から退場。

   あゆむ、あやた、重そうに箱を持ってくる。いちこ、いよ、入ってくる。


あゆむ・あやた「…ふう。」

あやた「で、本当にやるっすか~?」

あゆむ「やるに決まってるだろ!その為に用意したんだからな。」

いよ「部長、なんでいきなり『超能力を使おう』だなんて言い出したんですか?」

いちこ「よくわかんないけど、夢の中で人助けをしたんだってさ。それに影響されたっぽい。」

いよ「なんですか、それ。」

あゆむ「じゃあ、やるぞー!」


   いずみ、上手から登場。


いずみ「…あれ、これはなんですか?」

あゆむ「今からこれを手を使わずに動かすんだ。」

いずみ「は?」

いちこ「今日の活動内容が超能力を使おうってことになってあゆむだけやる気満々。とりあえず念力を使ってみようぜって、こうなったのよ。」

いずみ「念力。」

あやた「不思議クラブっぽくっていいんじゃないっすか?」

いよ「不思議クラブじゃないの!オカルト研究会!」

あゆむ「今度こそやるぞー!!はあああ!!」


   少し沈黙。


あゆむ「あれ~?ちよっ、ちょっと重たすぎたかな…」


   箱をどけ、替わりにあやたの持っていたコーラの缶を置く。


あゆむ「はあああ!!」


   缶、動かない。


あゆむ「ち、ちょっと待ってくれ。(缶を開け、一気飲み。げ~~っぷ。)」


   もう1度缶を置く。


あゆむ「今度こそ、ふおおおお!!」


   当然、動かない。


あゆむ「こうなれば、奥の手だ。(缶の替わりにティッシュを置く)。だあああああ!」


   動くはずがない。


あゆむ「…こ、今度こそ…」

いずみ「お兄ちゃん…ティッシュより軽いものなんてないと思うけど?」

あやた「超能力出ないっすねー」

あゆむ「あきらめるんじゃない!」

いちこ「あきらめろよ!」

いよ「はああ!!」

いちこ「いよ!あんたまで何やってんの!」

いずみ・あらた「かわいいー。」

いずみ「え?」

いよ「あ…お~い!あきらちゃ~ん!早く入っておいでよ~!」


   あきら、上手から登場。


あきら「あら、早速やってるわねえ。これは何かしら?」

いよ「ざっくり説明するとかくかくしかじか…」

あきら「超能力ねえ?それなら私、色々知ってるわよ?」

あゆむ「なにぃ!ぜひ教えてくれ!」


   あきら、大き目の布を出す。


いちこ「この布は?」

あきら「ただの布よ。」

いちこ「それはわかるわ!バカにしてるでしょ!」

あきら「これをね、こうして、こうしてね…」

いちこ「無視かい!」


   あきら、手を離す。あゆむ、しゃがんで布に隠れる。


あやた・いずみ「おおー!!」

あきら「テレポーテーションで~す。」

いよ「手品って言いません?」

いちこ「手品にすらなってないって。」


   いちこ、布をめくる。あゆむ見つかる。


いずみ「見つかるの早!」

あゆむ「よくもオレを見つけられたな!まさかお前、千里眼の持ち主だったのか!」

いちこ「そんなもんなくてもわかるわい!(はたく)」

あやた「あ、千里眼とかだったら、オレ、こんなのできるすっよー!」


   エア・トランプ。一同、あらたに注目。


あやた「じゃあ、始めるっすよー。いよ先輩、この中から一枚選んでくださいっす。」

あゆむ「なんでいよなんだ?」


   いちこ、あゆむにヒジ鉄。あゆむ、しゃがみこむ。


いよ「あ、はい。じゃあ、これね。」

あやた「そのカードをみんなに見せてくださいっす。覚えてもらって…あ、オレには見せちゃダメっすよ?」

いよ「はーい。」


   いよ、カードを周りに見せる。


いよ「覚え…ました。」

あやた「元の場所に戻してくださいっすー。」

いよ「はいっ。」

あやた「…これでカードがどの位置にあるのかわからなくなったっす!」

いずみ「ああ!わかった!これであらた君が指パッチンしたら選んだカードが一番上にくるんでしょ!」

あやた「いや…さすがにそこまですごいのはできないっす…」

いよ「それじゃあ、どうやって当てるの?」

あやた「それはっすねー。このトランプを広げてーー千里眼!なんつって。」

いちこ「早くやれ。」

あやた「うぃっす。」


   あやた、カードをしばらく見つめ、一枚取る。


あやた「これっすね?」

いよ「当たってる!すごいです!!」

あゆむ「まさか千里眼の力があやたにあったとは…!」

あやた「すごいでしょ?」

いちこ「本当、すごい手品だな!!」


   沈黙。


一同「あっはっはっは!」

あやた「超能力なら、思考を読む読心術が欲しいっすわ」


   あやた、いよをちらっと見る。いよ、気がつかない。


いずみ「あやた君ってまさか…」

あきら「しー!!」


   あきら、唇に手を当てる。いずみ、うなづく。


あゆむ「え?何々?なんだい?」

あやた「なんでもないっす。」

いよ「…次は、何をします?」

あゆむ「ああ、うーん…そうだな、他には何があるんだい?」

あきら「えーと、スコトグラフに…アストラル・コントロール、サイコセラピー、ヒーリング、サイコメトリー、アニマルトーキング…」

あゆむ「あ、アニマルトーキングってあれだよな。動物と話せるやつ!」

あきら「そうね。」

あゆむ「ふむふむふむ。よーし、外に行くぞ!動物つかまえて挑戦だ!」


   あゆむ、あきら、退場。


いちこ「置いていかれたな。」

いずみ「どうしましょうか?」

いよ「そういえば、さっきの思考がなんとかってなんなのかしら?」

あやた「え?えっと…それは…」

いよ「なあに?」

あやた「ほら、あれっすよ!相手の思考が読めたらいいなぁって。好きな子が自分の何倍も頭の回転が早くて心の中が読めなくても、思考を読む力があれば…って、あ。」

いよ「…もしかして、あやた君、好きな人がいるのですか?」

あやた「え、えっと…」

いよ「いるんですね!」

あやた「…うわあああ!!」


   あやた逃げて退場。いちこ、追いかけて退場。


いずみ「行っちゃいましたねー」

いよ「変なの。聞かない方が良かったのかな?」

いずみ「うーん?どうなんでしょ?」

いよ「うまくいかないね、超能力。」

いずみ「どうしたら出てくるのかな。超能力。」

いよ「マンガやドラマでは極限まで追い込まれて、未知の能力が目覚めたー、とか、愛の力で発動―とか。」

いずみ「極限まで・・・」

いよ「私も、超能力が欲しいな。」

いずみ「ねえ、超能力あったら何に使います?」

いよ「そうねえ、もし思考を読む力があれば、誰が誰を好きなのかわかるじゃないですか。」


   しばらく沈黙。


いずみ「本当言うと、私、別に思考が読めなくてもいいな。」

いよ「え?」

いずみ「お兄ちゃんが一生懸命やってるから、応援してあげたいけど。でも、本当は、ね。」

いよ「でも、便利じゃない?相手の思ってることがわかるって。」

いずみ「う~ん、だって、相手の思ってることが全部わかったらつまらないじゃないですか。ほら…うまく言えないけど…自分のことを理解してくれたりとか、逆に相手が自分のことを話してくれたりしたらうれしいなって。ああ、上手くいえない!」

いよ「いずみちゃんの言いたいこと、ちゃんとわかるよ。ちゃんと伝わりました。(笑)そんな風に考えてみれば、超能力なんて必要ないのかもしれないね。」


   二人、笑う。


いずみ「じゃあ、さっそく行きましょうか。」

いよ「え?行くってどこに?」

いずみ「あやた君のところに決まってるでしょ!」

いよ「ちょ、ちょっと待って!」

いずみ「何とまどってんの!早く行きましょうよ!」

いよ「な、なんで…」

いずみ「なんでって、超能力なんて必要ないって言ったじゃないですか!」

いよ「確かに言いましたけど。だからっていきなり…」

いずみ「思考が読めないなら確かめればいいでしょ。モタモタしてると後悔することになりますよ!」

いよ「そ、そうだけど…」

いずみ「大丈夫です!いきなり告白しろなんて言いいませんから!」

いよ「あ、あたりまえでしょ!」

いずみ「ほらっ!」


   いよ、いずみに追い出されて退場。いずみ、いよの出て行ったほうを確認して。


いずみ「極限まで追い込まれたら、か。」


   いずみ、退場。   

   あゆむ、あきら、登場。


あゆむ「いててて…あの猫、よくもやりやがったな。」

あきら「部長が無理やり抱きかかえようとしたからでしょ~。…ってみんなどこいtっちゃったのかしら?」

あゆむ「確かにいないな。やれやれ。」


  (間)


あゆむ「どうだい?オカルト研究会には慣れたかい?」

あきら「ええ、もうかなり慣れたわよ。」


  (間)


あきら「あのね、部長はどうして私をオカルト研究会に誘ってくれたのかしら?」

あゆむ「どうしてって?」

あきら「だって、知ってるわよ。学校の人や、他の人たち。みんなが私のこと、なんて言ってるかくらい。私なんかが入ったら、オカルト同好会の風当たりが強くなるでしょうに?」

あゆむ「部活へのことはどうってことないよ。…君は、気にならないのかい?」

あきら「気にしたって、仕方がないでしょ。私は私。好きでやってるだけよ。だから、誰が何を言ったっていいじゃない。」

あゆむ「強いんだね。」

あきら「そう考えればいいだけの話よ。でも、そう、部長がオカルト研究部に誘ってくれたときうれしかったのは本当よ。どうして誘ってくれたのかしら?」

あゆむ「別に深い理由はあまりないのだが…強いて言えば、一緒に活動すると楽しそうだから。気に入ったから、だな。」

あきら「うふっ。」

あゆむ「うわああ、そういう意味じゃないからな!!」

あきら「わかってるわよ。(笑)部長が誰を好きなのかくらい。」

あゆむ「何?!」

あきら「(にっこり。部長に耳打ち)」

あゆむ「うわああああ!!!なんでそんなことを!!君はエスパーか!!」

あきら「そうかもね。でも、馬鹿馬鹿しいことやってるって言われながらも、優しい部長を好きな人っていると思うわよ。」

あゆむ「ば、馬鹿馬鹿しくなんかないぞ!世の中には不思議なことがあるんだ。不思議なことがあったっていいんだ。それを証明するのが、オレたち、」

あきら「不思議クラブ?」

あゆむ「オカルト研究会だ!」


   二人、笑う。


あゆむ「今のこと、あいつには絶対内緒だからな。」

あきら「テレパシーでバレてるかもねー。(退場)」

あゆむ「なにーー?!(追いかけながら退場)」


   あやた、いちこ、登場。


いちこ「…待て、あやた、落ち着け!」

あやた「落ち着けるわけないっすーーー!ああ、きっとオレがいよ先輩のことすきだってバレたっすー!」

いちこ「やっぱりそうだったか…」

あやた「うわああーーー!」

いちこ「ま。待て。私にわかっても、いよちゃんにバレたわけじゃないだろ。な?」

あやた「間違いない、絶対バレたっすよーー!もう今度から合わせる顔がないっすーー!」

いちこ「ええい、うだうだ見苦しい奴だな、それなら覚悟決めて、思い切って告れよ!」

あやた「ええ~~、ムリっすよ~~、オレみたいのが告っても、無理っすよーー!フラれるだけっす!」

いちこ「フラれない可能性だってあるだろ!」

あやた「ないっすよ!ゼロどころか。マイナス百パーないっす!!」

いちこ「マイナスでいいじゃないか!」

あやた「え?」

いちこ「マイナスでいいじゃないか!そこに、どうせネガティブに考えてるお前のマイナス思考をぶつけてみろ!マイナスにマイナスをかけるとどうなる?」

あやた「プラスになる?」

いちこ「そうだ!マイナス百パーセントがプラス百パーセントに変わるんだ。この正しさは数学の公式が示している!」

あやた「お、おう…!」

いちこ「よし、がんばれ!マイナス思考の底力を見せてやれ!」

あやた「よおおおし?、いくぞーーーー!!?」


   いちこ、あやた、退場。

   舞台、いずみが入ってくる。机の上に乗り、大きく深呼吸して、ナイフを取り出す。

   いよ、入ってくる。


いよ「みんないないよ~、いずみちゃん?!何してるの?!」

いずみ「動かないで!」

いよ「ち、ちょっと…いずみちゃん、危ないよ、そんなもの持って・・・」


   いちこ、あやた、転がり込んでくる。


あやた「いよ先輩――――!ええ?!何これ?!」

いちこ「お、おい、いずみちゃん?いよちゃん、これ、どういうこと??」

いよ「わかんないです、戻ってきたら、いずみちゃんが突然ナイフ取り出してて…」

いずみ「みんな動かないで!これは、実験よ!」

いちこ「実験?」

いずみ「今までみたいなやり方じゃダメなのよ。でも、とことん状況を追い詰めてみたらどうなるかしら?きっと、何かが変わるかもしれない・・・」

あやた「そんなの、いずみちゃん、ムチャクチャだよ!!」

いよ「いずみちゃん、超能力なんて必要ないって言ったじゃない!なんでそんな危ないことするの?」

   

   あゆむ、あきら、入ってくる。


あゆむ「いずみ!お前、何やってんだ?!」

いずみ「動かないで!少しでも動いたら、私何するかわからないわよ!!」

あやた「いずみちゃん!こういうのやめようよ!」

いずみ「さあ、お兄ちゃん、超能力出して止めてみせてよ!」

あゆむ「ぐうううううう・・・・・・・!!」


   あゆむ、カバンをゴソゴソ探し、カッターナイフを取り出し、自分に向ける。


あゆむ「いずみ、ちょっとでも妙なことしてみろ!これで兄ちゃんがどうなるか、わかってるんだろうな!!」

いちこ「ちょ、ちょっとあゆむ!!」

いよ「部長まで何やってんですか!!」

あやた「ぜんっぜん、わけわかんないっすよ!!」

あゆむ「ええええ、うるさーーーい!兄ちゃんはな、超能力使えなくても、人助けできなくてもな、覚悟だけはできてるんだ!!」

いちこ「あゆむ、馬鹿なことしないで!!危ないじゃない!!」

あゆむ「オレは本気だぞーーーー!!」

いちこ「やめて、あゆむ!!あなたに何かあったら私!!」

あやた「いよ先輩、好きっすーーー!!」

いよ「ええ?!あんた、こんな時にいきなり何言ってんの??」

あやた「どうせダメなら、やぶれかぶれっす!!ずーっと好きだったっすーーー!」

いよ「私だってあやたくんのこと好きよーー!」

あゆむ「いずみのことも、いちこのこともオレは大事だーーー!!」

いずみ「お兄ちゃん!!」

一同「うわああああああああああああああああああーーーーーーー!(叫び続ける)」


   あきら、右手を上に上げ、指パッチン。全体、ストップモーションで止まる。

   あきらだけ、ピンスポットが当たり、前に出てくる。


あきら「いずみちゃん、お兄さん思いのかわいい子ね。でも、勢いで無茶しちゃダメよ。」


   あきら、いずみのナイフを取りあげる。


あきら「あやた君、きちんと言えたじゃない。男らしいわ。」


   あきら、あやたの肩に手を置き、いちこの肩へ。


あきら「あなたも男らしかったわよ。おおっと、悪く思わないでね、誉め言葉よ。」


   あきら、いよの方へ向かい肩に手をかける。


あきら「いよちゃん、ちゃんと気持ち伝わったわね。あなたなら大丈夫よ。」


   あきら、いよからあゆむの方へ。カッターを取り上げる。


あきら「部長、無茶なとこは兄妹そっくりね。でも、あなたには本当に感謝してるのよ。いちこ先輩に渡すのもったいないくらい。うふ。(ちゅっ)」


   あゆむ、中央へ。


あきら「超能力がなくったって、あなたたちなら大丈夫よ。みんな、本当、大好きよ。」


   あきら、元の位置へ。指パッチン。照明戻り、皆、動き始める。


一同「あーーーーー!!!、あ?あれれ??」

いずみ「お兄ちゃん!!」


   いずみ、机から下り、あゆむのところへ。


あゆむ「いずみ!無茶しやがって!!心配したじゃないか!!」

いずみ「ごめんなさい…でも、お兄ちゃんこそ信じられない。」

いちこ「そう信じられない!この、バカあゆむ!」


   いちこ、あゆむに一撃。崩れ落ちるあゆむ。


いよ「あ、あの、あやた君?」

あらた「は、はいっ!!」

いよ「ありがとね。(笑)」

あらた「はいいっ!!」

あきら「さてさて。うまくまとまったわね。」

いちこ「でも、一体何がどうなったのやら?」

あきら「愛が奇跡を起こしたんじゃないの?」

いちこ「そんなクサイ台詞でごまかされないわよ!!」

あきら「ほらほら、おなかも空いたでしょ。そろそろ帰りましょうよ。明日に備えて。」

あやた「そういえば、腹減ったっす!」

いよ「私も!クレープでも食べに行きましょう?」

いずみ「私もクレープ食べたい!!」

いちこ「よし、あゆむのおごりね。」

あゆむ「なんでオレが?(いちこ、一撃)ぐふっ・・・」

いちこ「私に心配させた当然の報いよ。さ、いきましょ。」


   一同、退場していく。あゆむとあきら、残る。


あきら「ほら、部長。行きましょうよ。」

あゆむ「いや、今の何だったんだろうって・・・」

あきら「愛は超能力を超えるってことじゃないの?素敵ね。」


   あきら、退場。「ねえ~~、待ってよ~~ん」

   あゆむ、1人残る。机の上にコーラの缶。念力を向ける。


あゆむ「ふんっ!」


    舞台袖から、あゆむを呼ぶ声。「あゆむ、おそーい」、

    「お兄ちゃん早くー」、「部長――!」

    あゆむ、舞台袖に駆けていく。「おーい」。

    ピンスポット、机の上の缶に当たる。缶、コロンと倒れる。


                                       幕。

舞台には魔物がいると、改めて戦慄した脚本でした。客席が敵に回るか、味方につくかで天と地の差が。本当に恐ろしいもので。。。

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