表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

MEMORYS

First love

 その家の前を通る時、いつも緊張していた。


 小、中、高と少しずつ通学距離が直線上に伸びていった私にとって、その家は毎日通らなければいけない場所だった。

 その家に住んでいたのは、二つ年下の男子。私の、好きな人。

 私が小学五年の時に転入してきた彼は、口が悪くて乱暴で生意気で……なのに何故か馬が合って、転入初日で呼び捨てにし合うほど仲良くなった。私がお転婆だったこともあるかもしれない。

 自然に、自分らしくいられる相手。楽しい友達。

 そう思っていたから、正直な所いつから好きだったのか判らないし認めたくもなかった。

 だから彼に好きなコが出来た時はからかったし、彼をかっこいいと言う人には「そう?」なんて返してた。


 自分の気持ちをはっきり自覚したのは、中学に進学して。

 嫌でも気付かされる二つの年の差。三年の私と一年の彼の間には、見えない壁。

 昔のように話すことも出来ず、彼の家で偶然会うこともない。

 会ったらどうしようなんて、緊張しながら歩いていた日々は遠い。

 一度だけ学校で嫌なことがあって文句を言いながら帰っていた時に会ったけれど、何もなし。お互いの視線が合っただけ。現実なんてマンガのようにはいかない。


 そんな風になっているうちに私は高校に進学し、彼は引っ越していった。

 もうあの家の前を通っても彼はいない。この町にもいない。

 残ったのは胸の痛みと、誰と付き合っても彼以上に好きな人は出来ないという事実。


 でも、もう終わりにしよう。



 今はまだ無理かもしれないけど、いつか笑って懐かしいと言える日が来るように……。





「2歳差」「幼馴染」好きなシチュエーションなので、これからもきっと

出ます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ