story2
……文章量が安定しません。
早朝、5時5分。私の朝は割と早い。
ベットから抜け出し、自分でも不思議に思う癖や枝毛のない黒髪を軽くブラシをかけてから、ベットの横に置いてある箱からサラシを取り出し巻きつける。
最近少しゆるくしないと結構きつくなってきた。これが喜ばしい事なのかは分からないが。
それから、長い髪を頭にターバンのように巻きつけて髪留めのピンでとめてネットをかぶる。その上から黒髪で少し長めのウイッグをしっかりとなじませてから部屋を出る。その後洗顔と黒のカラーコンタクトを入れる作業が待っている。
朝食の準備を始める頃には5時30分になっており、もう少し時間が短縮できないかといつも思う。そうする努力はいつも寝ぼけながらやっているので変わることはないが。
育ちざかりのラグビー部の奴が飯を食いに来るので朝飯の量もそれなりに多くなる。
軽く冷蔵庫の中身を考え、朝から魚を焼くのは面倒なのでトーストを多めに作った。
6時前後になれば植木が部屋に勝手に入ってきて、飯を食らう。
最近はコーヒーにハマっているらしい。
朝練に行く植木におにぎりを3個ほど渡しておく。
その後まったりとしながら制服に着替え、今日の教科を確認する。
前日にすべての5教科を同時進行である程度進めているので予習の問題はない。
7時後半になるまで今日ある教科の勉強を念のためしておく。
あの先生のことだから今日は抜き打ちテストがあるのだろう。
そんなことを考えて7時50分に登校する
○○○○○○○○○○○○○○○
昼休み、校舎裏の今は使われていない旧茶道部部室でのんびりと昼食を食べていると、少し面白い光景が見えた。
イベントだ。
生徒会会長の東和弘が校舎裏で子猫にミルクを与えている光景に椎名は遭遇する。
東は典型的な俺様キャラだが、小動物には目がないギャップ持ち。
その子猫にデレデレした光景を目撃した椎名は音を立てずに撤退しようとするがうっかり木の棒を踏み折ってしまい、気づかれる。
それを口止めしようと東が脅すも、一向に怯まない椎名。それに興味が沸いたのか生徒会室に放課後呼ばれる。
だった気がする。
この校舎裏の茶道室は本校舎の中に最新設備が装備されたので使われなくなり、取り壊すのにも金はかかるので一応は残されている。
そして何故かあのダルダル先生事、大原先生に定期的に掃除を頼むとカギを渡された。掃除さえ定期的にしてくれれば自由に使って良いと言われているのでよくここで昼食をとっている。
茶道室と言うこともあり、風炉や釜があったりするので使って一人抹茶を楽しんだりする。
もしかしてこれはボッチフラグ?
放課後。掃除のため茶道室に入って掃除をし、休憩に夕日を見ながらお茶を飲む。最高だね。
と、まったりしていると基本的にたまに先生が確認するくらいで開くことのない入口のドアが開いた。
そこには初めて見る顔があった。
「ここは……?」
「ここは旧茶道室。茶道部だったら本校舎二階にあるよ」
はかなげな雰囲気を持っている顔立ちに、この学校ではそう珍しくない銀髪。小柄な体系で小動物を醸し出す様な大きな瞳。
つまり美少女である。
「あ、あのここがどんなところか気になっただけなんです」
「ああ、基本私ぐらいしかいないからよかったらゆっくりしてって。多分面白い光景も見れるから」
見た目とは裏腹にちょっと活発層だな。
「は、はい。えっと面白い光景って?」
「告白スポットがここからよく見えるんだよ」
この紅王学園の告白の人気スポット千年樹。
このゲームに大きくかかわってくる桜の木。この作品は1年を通してendが必ず春に訪れる。
この桜の木の下で告白し、成功すると永遠に結ばれると言うありがちな伝説がある。
そしてこの茶道室は千年樹から約10mほど離れていて縁側で花見をするのが最高だったりする。
「……趣味悪いですよ」
「そう?結構面白いんだけどな」
告白に失敗して泣き崩れる男子が石化したように動かなくなるとか。
「えっと、私1-Bの浜井玲奈って言います」
―――っ!?
いや、気のせいだ。浜井って苗字で反応してたらきりがない。
「先輩?」
「あ、えっとごめんね。私は2-Aの多賀明日香です。口調及び、名前などの特徴で『女みたい』と虐めいでもらえると嬉しいな」
「先輩男の方だったんですか!?」
「…失礼だよ、キミ」
「何か理由に男子の制服を着てる方としか思えませんでした」
「君の頭に熱湯かけてあげようか?」
「すみませんでした辞めてください」
おかしいな。ちょっと笑顔で質問しただけだぞ?
「先輩黒いんですね」
「髪はは黒髪。いたって普通の日本人」
「…ハァ」
なんかすごく失礼な後輩だ。
後輩と話をしたのは初めてかもしれない。中等部の時はひたすら勉強だったし。
「ここ本当に面白いんだよ。今日は子猫にデレデレしてる生徒会長さんが見れたし」
「……やっぱり趣味が悪すぎますよ先輩」
「ま、気にしたら負けだよ。浜井ちゃん」
ふと腕時計を見れば時刻は5時38分。
「そろそろ帰らないといけないから鍵閉めるよ」
浜井は少し迷ったように考えて質問をしてきた。
「あの、明日も此来ていいですか?」
「良いよ。別に私専用ってわけじゃないから」
こうして話し合える後輩が出来たのであった。