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In Girls Interval  作者: Satch
第1部
7/33

第7話:ダブルマイナス1デート?

多忙でやっと続きを書くことが出来ました。

「そこの2人、何をしている?」


やばい! この声はさつき先輩だ! 女の子と腕を組んで歩いているのみならず、

その女の子がさくらなんだから、生命の危機が危ない!


「おにぃちゃん…危機…危ない…カブってる」


「冷静すぎ! つか心を読むな!」


などとコソコソと話をしている間に、さつき先輩が近くまで歩いてきた気配を感じる。


「どうした? こちらを向きたまえ!」


「…はい」


「それから、生徒手帳を出…!?」


振り返った俺たちを見たさつき先輩の動きが停止した。

しばらくしてグギギという感じで再起動したさつき先輩の額に、青筋が数本浮かんで来たのが見えた。


これは逃げるべきか…いやさくらがいるから逃げ切れる自信がない…。

何かうまい言い訳が……都合よく出てくる訳もない…。


「き、きさま…!」


今度は入院コースかも知れない…仕方なく罰を受ける覚悟を決めて、目を瞑った。


「ずるい!」


「ごめんなさ……は?」


勢い良く下げかけた頭を止め、顔を上げるとかわいらしく頬を膨らましたさつき先輩がいた…。


「純…を独り占めはずるいぞ! さくら!」


「あの…もしもし?」


「おにぃちゃんは…まだ…誰のものでも…ない! 呼び捨て…ダメ!」


さくらは俺の腕を離し、さつき先輩と対峙する。っていうか俺を置き去りにしないで!


「私は先輩だぞ? 呼び捨ての何が悪い?」


「先輩…後輩なら…苗字で呼ぶ…べき」


「ぐっ! きょ、今日は随分と反抗的では無いか?」


「ちょっと…2人とも?」


「わたしは…お姉ちゃんの…奴隷じゃない!」


「…」


すげぇ、さつき先輩を押しきった!


「いこ…おにぃちゃん」


さくらは再び腕を組むと先導するかのように歩き始める。

数メートル歩いたところで、停止していたさつき先輩は再び再起動を果たした。


「ふふん…そういうことなら…」


さつき先輩がなにやら呟いた、そしてこちらに向かって走って来るなう!

嫌な予感しかしないなう!


「私はこっちだ!」


そう言うと、さつき先輩はさくらが居ないほうの腕を取り、自分の腕を絡めてくる。


「えーと…」


左右からの柔らかい感触に、思考が追いつかない!

これが伝説の胸"で"揉まれるというやつですか?


「これがさえちゃんが言ってた、胸で挟むというやつだな!」


「違うから!」





「おにぃちゃん…あのお店…かわいいね?」


「そうだね」


さくらが指差したのは、女子ウケが良さそうな綺麗なカフェだった。


「純くん、あの店…か、かわいいね」


「そ、そうですね…」


さつき先輩が指差したのは、普通の居酒屋…。


「あ…あれ…おいしそうだね…おにぃちゃん」


さくらが指差したのは、たこ焼きの屋台だった。


「おぉ! 今度食べにこようか?」


「うん!」


さくらは勢い良くコクンと頷いた。


「純くんあれ、お、おいしそうだね」


さつき先輩が指差したのは、焼き鳥屋……っておっさんか!


「そ、そうですね…」


「むぅ! 何故私には、食べに行こうと誘わないのだ?」


高校生が焼き鳥屋って…普通行かないだろ!


「い、いつか食べに行きましょう」


「うん!」


さつき先輩は勢い良くコクンと頷いた。 これ絶対さくらに対抗してるよね?


「おにぃちゃん…向こうに…行きたいお店…ある」


「ん? じゃあそっちに…」


「んん、私はあっちに、純くんを連れて行きたいお店がある」


えーと…なんだこれ? 新手の拷問だよね?


「わたし…向こう…行きたい!」


「私は、あっちだ!」


「いだだだ!」


見事に左右に方向が分かれていて、体が引き裂かれそうだ!


「向こう!」


「あっち!」


「いだぁああ!」


これあれでしょ? 最後どっちかが腕を離し、結局腕を離したほうを取るってやつ。


「向こう!」


「あっち!」


「ひぎゃあぁああ!」


「向こう!」


「あっち!」


「もぎゃあぁああ!」


一向に離れる気配も無く、俺の腕だけが千切れそう…。


「っていいかげん離せ!」


「きゃ!」


「わ!」


突然強く引っ張ったので、転びそうになる2人。


「危ないではないか!」


さつき先輩の後ろではさくらもうんうん頷いている。


「今日はさくらの行きたい店に行く」


さつき先輩の後ろでさくらがガッツポーズをとっている。


「なっ!」


対象的にさつき先輩は憤怒の表情。


「この次は、さ、さつきの行きたい店に行く」


「…」


命がけの名前呼び捨て作戦が功を奏して、さつき先輩を黙らせることに成功!


「分かったな? さつき? 返事はどうした?」


調子に乗ってみた!


「はい…あなた…」


やりすぎちゃった!





「おじゃまします」


さつき先輩たちと行った店は雑貨屋で、さくらは何が気に入ったのか、

お酒を入れるとっくりの形をしたキーホルダーを買った。


それを早速カバンに装着して、ご満悦の表情を浮かべている。

さくらが買い物している間、さつき先輩はうっとりと俺の顔をずっと見つめていた。


そしてそのまま、さくらたちの家に遊びに来たという流れです。

ここに来る間にさつき先輩も正気?に戻って一安心。


「さぁ、入りたまえ」


促されるまま招き入れられた部屋を見渡すと、ぬいぐるみがそこら中に飾ってあり、

えらくかわいらしい女の子の部屋だった。


こんな女の子らしい部屋は、どう考えてもさくらの部屋だろう。


「そんなに女の子の部屋をジロジロ見るな、恥ずかしいではないか」


妹の部屋をジロジロ見られて、姉として恥ずかしいということかな?


「まぁ適当に座ってくれ、私の部屋だから遠慮は要らない」


そうね、さつき先輩の部屋だし、遠慮は…


「えぇぇええええっ!」


「何をそんなに驚いている?」


「だってこの部屋…」


「私だって女子高生なのだから、別に驚くこともなかろう?」


似合わないと言ったら命が無くなる!


「そそそそそうですよね」


「ちなみに隣がさくらの部屋だ」


隣の部屋はドアが開いていて中が見えていたけど、あの殺風景な部屋がさくらの…。

なんだろう、親から引継ぐ"分量"間違ってるよね?


「ちょっとお茶でも持ってくるから、待っててくれ」


「あ、お構いなく」


「ふふ、あ、そのタンスの一番下の引き出しは開けるなよ?」


「はい…」


何そのピンポイントの注意事項。

まぁ、下着が入っているのでしょうが。


「いいな、絶対だぞ、絶対開けるなよ?」


はぁ…開けろってことか…つーか普通恥ずかしいだろうに、まぁ開けたていにしておけば分かんないよね。

ちなみにさくらは一旦この部屋に来たあと、着替えてくると言って出て行った。


「お姉ちゃん…自分の部屋の前で…何してるの?」


「ばか! さくら、しずかに!」


「変なの…おにぃちゃん…お茶…持ってきた…よ」


さくらはトレイに3つのコーヒーカップと、お茶菓子を乗せて部屋に入ってきた。


ははん! さつき先輩は俺が引き出しを開けるかどうか、覗いて確認していたんだな。

さくらの後ろから、顔を赤くしたさつき先輩がしれっと入ってきた。


「何故…開けない?」


「…」


え? なんでこんなとこだけ精神力強いの?


「健全な男子なら、美少女の下着を漁るだろ? そしてコッソリ持って帰るだろ?」


「自分で美少女って言っちゃいますか…」


「おにぃちゃん…ツッこむの…そこ?」


「だって…」


健全な男子は、開けて漁ったりしないだろ…。


少なくとも俺は、普通なら開けて見るだけで、漁らないと思う。開けるんかい。

今回は小動物的な危機探知能力が働いたというべきだろう。


まぁ、さくらのなら間違いなく漁って、コッソリ持って帰るけどな!


「おにぃちゃん…さくらの…パンツ……欲しいの?」


やべぇ、顔に出てたか。


「いや、その…」


「いま……脱ぐ?」


「脱がない!」


「脱ぎたてで温かいパンツとか………そんなのダメだよ」


「純くん今少し想像したな?」


傍観していたさつき先輩がチャチャを入れてきた。


「ソ、ソンナコトナイデスヨ」


「正直なやつだ」


さつき先輩はいやらしい感じで、ニヤニヤしている。


「っていうかさくらをそういう目で見たくないなって思って」


「そうだな…では、私が脱ごう」


「脱ぐなぁ!」


なんでこの姉妹はこうすぐ脱ぎたがるのか…露出狂の気でもあるの?

しかも本当に脱ごうとするから、ちょっと白いのが見えちゃったよ!

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