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In Girls Interval  作者: Satch
第1部
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第5話:お約束

「なぁ、さくら? お前さつき先輩に嘘の情報を流してないか?」


「?」


さくらはきょとんとした顔で見上げてくるのが可愛くて、思わず抱きしめそうになった。


「うそ…言ってない」


「そうか?」


「おにぃちゃんって呼ばれると喜ぶ…言った…だけ」


なるほど、それをさつき先輩が変に解釈した訳か。


「はぁ…」


「純くんお疲れみたいだねー」


千歳が元気いっぱいの感じで話しかけてきた。


「千歳はいいね、悩みなさそうで…」


「なっ! わ、私にだって悩みくらいありますぅ」


「うん、そうだね…」


「ちょ! 私の胸を見つめながら納得するな!」


千歳は無い胸を両腕で隠す仕草をする。


「なんかもう生徒会も風紀委員も、ぶっちゃけどっちでもよくなってきた…」


「そっか、大変だね」


「ほんとめんどくさいよ」


「ならこれがあればとか、こういう待遇ならって方向から考えてみたら?」


「うーん…」


正直言うともうそっとしておいて欲しいんだよな。


「そうだなぁ、さつき先輩ならナース姿で『お注射しちゃうぞ!』とか、

ちびっ子生徒会長なら小学生チックな服装で『おにぃちゃん遊ぼう!』とか言ってくれたら楽しいかもなー」


こんなありえない妄想するほど疲れてんだな、俺。


「あ、さくら? 今のは冗談だから、絶対言うなよ? 絶対だからな?」


「…あい」


さくらは何故かビシっとサムズアップしてきた。





みどり先生はHRを始める前にドアに鍵をかけて、指差し確認すると「うん」と頷いていた。


HRが終わる間際に、さつき先輩が"後ろの"ドアから颯爽と教室に入ってきた。

だいぶ傾いてきた日差しを浴び、白い布地から下着が透けそうな…ってナース姿!?


ナース帽もかぶって、白いストッキングまで履いている、っていうかどっから持ってきた!


「…うぅ」


半泣きのみどり先生を完全スルーして、さつき先輩はパタパタと俺の前まで走ってくる。

そしてどこからともなく針の付いていない注射器を取り出してからかまえる。


「お、お注射しちゃうゾ!」


「…っ!」


えーと…とても似合っててしかもエロい感じなのですが、この人の中にはプライドってものがないのか?


「おいさくら! 絶対言うなって言っといたよな?」


「うん…絶対押すなは…押せの意味…」


とさくらはサムズアップしてきたけど、それは某お笑い芸人の法則だよ!


「ちげーよ! 前振りじゃねーよ」


「はぁ…さくら、あとでお仕置きだかんな? って何故そこで顔を赤らめる?」


「それから、さつき先輩? その衣装どこから持ってきたんですか?」


「ん? 通販だが?」


わざわざ買ったのか! ってナース服にナース帽、聴診器に白いストッキングとサンダルって、

アダルトショップの通販しかありえなくね? しかも胸だけ窮屈そう!


そこで後ろのドア付近で動く小さな影を目の端に捉えたので、振り向いたが特に何もなかった。

顔を戻すと目の前に小学生が、もといランドセルを背負った私服のちびっ子生徒会長がいた。


「おにぃちゃん遊ぼ! 遊ぼ!」


と俺の袖を引っぱってくる。


「千歳ー!」


「あ…あははは」


「笑い事じゃねー! お前にもエアー水着とか着せるぞ!」


「それ全裸って言うよね!?」


「そうとも言うかも」


「私の裸なんか見たいの?」


「見たい!」


だって男の子だもん!


「そ、そっか、えへへ」


そのニヤけ顔見たら、見たくなくなったかも…。


「そんなことより! さつき先輩とちびっ子生徒会長は、場所を移動しましょう!」


壇上で既に本泣きしているみどり先生、ナース姿のさつき先輩、小学生ルックのちびっ子生徒会長、

なにやら妄想に耽っているさくら、残念なニヤけ顔の千歳、取り残されているクラスメイトという、

なんともシュールな世界が出来上がっている。


みどり先生が登校拒否になる前に連れ出さなければ!





「下級生の前でそんな格好して、恥ずかしくないんですか? あなたたちは?」


場所は生徒会室。


「なぁさつき? なんで私らは正座で説教されてるんだ?」


「解からん! さくらに聞いたとおりやっただけなのにな…」


「私もだ、千歳から聞いたとおりやった…」


「何をコソコソ話してるんですか!」


「なぁよしじゅん、あれか? スク水じゃないから怒ってるのか?」


「違います!」


「なら、ピンク色のナース服じゃないからか?」


「もっと違います! っていうかそういう格好をしているから怒ってるんです!」


勘違いも甚だしい。


「よしじゅんはこういうの嫌いか?」


「さ、さつき先輩のナース姿は正直少しトキメキましたけど…」


「ふふ、かわいいな、純くんは」


「…っ!」


ナース姿で艶っぽく微笑まれるとドキドキする。


「ちびっ子生徒会長は…」


「パンチラが足りなかったか?」


「違うわ! 小学生のパンチラにトキメく趣味はない!」


「私は高校生だぞ?」


「…」


見た目は小学生でも、その実態は高校生…ならパンチラを喜んでもいいのか?


「ぐふふ、かわいいな、よしじゅんは」


「いや、ぐふふって…」





「おにぃちゃん、お仕置き…早く…」


さくらは机に手をつく姿勢で、お尻をこちらに向けてきた。


「…」


お尻を叩けってこと? つかお仕置きをせがむってどういうことよ?

とりあえず軽く叩いてみる。


パシッ


「…ぁ……」


柔らかい感触に一瞬理性が飛びそうになりました! って変な声をだすな!


「もっと…強くても…だいじょう…ぶ…だから」


「そ、そう?」


大丈夫そうな感じがしないのだが…今度は少し強めに叩いてみる。


バシッ!


「……ひゃあ…」


さくらは顔を真っ赤にして恍惚とした表情をしているから、なんかドキドキしてきた!

今度はもっと強く叩いてみようと腕を振り上げたところで、ドドドドという足音が聞こえる。


「んなにやっとんじゃぁぁぁあああ!」


「ぐはぁ!」


千歳の飛び蹴りが背中に炸裂して、数メートル吹っ飛ばされて教卓に激突する。

俺は薄れゆく意識の中で、翻った千歳のスカートの奥の、白いパンツを見ていた。

さくらのまさかの属性発覚?

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