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In Girls Interval  作者: Satch
第1部
3/33

第3話:天然?作戦?

授業の後にさつき先輩が教室に来るところを、HR中に修正。

「おねぇちゃん…なに?」


「なぁ、さくら、純く…吉岡くんは、何か好きなものあるかな?」


「好きなもの…?」


さくらは考え込むように右斜め上に視線を向ける。


「ほらゲームとかマンガとか何かあるだろう?」


「…わかんない」


「そうか…」


まぁ無理もないか、まだ入学して間もないしな。


「…あ」


「ん?」


「おにぃちゃんは…大っきなおっぱいが好き」


おにぃちゃんって…? 純くんのこと…だよな? って大きいおっぱ…胸だと!

でもこれは行けるかもしれない。





「きのうの夜さ、なんかくしゃみがしばらく続いて大変だったよ」


「…ふーん」


「モテる男の性ってやつかな?」


髪をかきあげて、2枚目のような顔を作ってみる。実際は2枚目でもなく、平均的な顔だと思うけどな!


「バカがいる…」


千歳は心底バカにした感じでゴミ虫を見るような目をしている。


「バカとはなんだ! って、その目をやめて…泣きそうになるから」


なぜか千歳が少し顔を赤くしているのが気になるが、それどころではない。


「なぁ、さくら? さつき先輩、やっぱ誘うんじゃなかったとか言ってなかった?」


淡い期待を込めて聞いてみる。


「おにぃちゃん…おっきなおっぱい好き…言っといた」


「回答になってないしって、はぁ!? そりゃ好きだけども…」


ヤバい、クラス中の女子の冷たい視線が突き刺さってきて痛い。

男子達はうんうん頷いている者が大半を占めているな、頷いてない輩はちっぱい好きなのかも知れない。


「何を根拠にそんな事を…」


「おにぃちゃん…いつもさくらのおっぱい…見てる」


「いつもじゃないよ、9割ぐらいだよ!」


「純くんあのね、世間ではそれをいつもって言うのよ? わかるかなー?」


その子供をあやすような言い方はやめて!


「千歳の場合は1割だけどな!」


「え…全然見てないと思ってた…」


顔を赤くしながらもじもじするな! そこ怒るところだから!


「ま、ちっぱいでも需要はあるからさ」


「うれしくないしって、ちっぱい言うな!」


先ほど頷いていなかった男子がうんうん頷いていた。





午後の授業が始まってから、生徒会と風紀委員に誘われた件について考えていた。

できればどちらもやりたくないというのが本音だ。っていうか面倒くさいってのが本音だ。


「すぅー…すぅー…」


横を見るとさくらが気持ち良さそうに眠っていた。


「すひょー…すひょー…」


逆サイドを見ると千歳が気持ち良さそうに、よだれをたらしそうな勢いで眠っていた。

っていうかすひょーってどうやったらそんな音が出るんですか?


しばらく物思いに耽っているうちに、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。


身体を揺すられて目を開けると、千歳が俺の顔を覗き込んでいた。

授業が終わって休憩時間まで寝てたみたいだ。


「純くん、授業中に寝るのはダメだゾ!」


と俺の鼻先を人差し指で軽く突つく。


「うざ…っていうか千歳も寝てたじゃねーか!」


「な、何の事? 証拠はあるの?」


「くっ…」


別に写メを撮った訳じゃないから証拠なんかある訳が無い。

今度はちゃんと撮って画像投稿的なところに投稿しよう。


「おにぃちゃん…寝るのダメ…」


「こっちもか! さくらも寝てたんだからな?」


「証拠…ある…?」


と小首を傾げて聞いてくる仕草がちょーかわいい。


「くっ…」


同じく写メを撮った訳じゃないから証拠なんか無い。

今度はちゃんと撮って携帯の待ち受け画面に設定しよう。


「ちょっと純くん、なんで私の画像は男たちに欲望の眼差しで視られるのに、

さくらちゃんのは大事に待ち受け画面に設定されるのよ!」


「心を読むな! っていうか欲望の眼差しって…」


「さくらの…写真?…脱ぐ…?」


と言いながらさくらはシャツのボタンを外そうとする。


「脱がない! それは今度2人きりの時…いてててて! 耳ちぎれるから!」


「2人きりの時なにするつもり?」


「やー、それは、言葉のあやってやつでー」


「どうだか…さくらちゃん、純くんに変な事されたらすぐ言うんだよ?」


「うん」


「いや、うんって…」


いくら俺でも、強引に変なことはしないよ?





今日のHRが終わる間際に、さつき先輩が颯爽と教室に入ってきた。

だいぶ傾いてきた日差しを浴び、キラキラと輝くポニーテールをなびかせて、

ってあんたHR受けてんのか!


「ちょっと、影山さん! まだHR中よ!」


さつき先輩はみどり先生を可憐にスルーして俺の前まで来ると、スッと手を差し出して来た。

お手ってこと?


「じゃあ純くん行こうか?」


「へ? どこへですか?」


「風紀委員室だが?」


何を言っているのだ貴様は? 見たいな目で見ないで下さい、そんな約束してないので。


「俺まだ返事してないですけど?」


「うん、とりあえず風紀委員がどんな仕事をするのか、まぁ説明会のようなものだ」


そう言うと、さつき先輩は1度下ろした手をもう1度差し出して来た。


「まぁ…そういうことなら」


さつき先輩の手を握ると柔らかくて温かかった。って手を握る必要あるの?

そのまま手を引かれて連れて行かれそうになるのを慌てて止める。


「ちょ、ちょっとさつき先輩? 手は繋がなくても大丈夫ですよ?」


年上のお姉さんと手を繋いで歩くのも悪くないけど、学内だしね。


「んん? 君は1度迷子になっているしな!」


「うぐぅ…いや今はさつき先輩に付いて行けばいいので、大丈夫です」


「そ、そうか…」


さつき先輩は残念そうに手を離すと、少し唇を尖らせて拗ねた顔をする。

これが泣く子も黙る(かどうか知らないが)風紀委員長様ですか?


「あーやっぱり連れて行って貰わないと迷っちゃうかもなー(棒読み)」


「そ、そうだろう?」


そう言うと、さつき先輩はあろうことかいきなり腕を組んできた。


「…っ!」


当たる! 肘に当たる幸福な感触に、ついニヤけそうになるのを何とか堪える。


「「……」」


なんだろう? 千歳とさくらまでがゴミ虫を見るような目で見てますが?





道中、他の生徒達に羨望と嫉妬と殺意に満ちた目で見られていたけど、やっと風紀委員室に到着した。

俺はと言えば数学の公式を反芻しながら理性を保っていたので、そんな目で見られていても平気だった。

っていうか風紀委員長自ら風紀乱してないですか?


「ここだ、そして隣が……まぁいいや、入りたまえ」


いいのかよ!? 思わず何もないのに突き指するところだったよ!


隣の部屋の入り口の上に『生徒会室』と書いてあった。

ってことはあそこでちびっ子生徒会長がお遊戯しているのだな。


「さつき先輩?」


「ん? 何かな?」


「生徒会とは仲が悪いんですか?」


「…」

「いや別に?」


今の間はなんだ?


「そ、そうですか」


んーあのさつき先輩の雰囲気だと仲が悪い感じだな。


「んん…風紀委員の仕事を紙に書いたんだ、ほら」


さつき先輩は咳払いをすると声音が少し高くなって口調も柔らかくなった。胸も柔らかかった。


指し示された椅子に座りながら、渡された紙を見ると、印象と違い丸っこい字で書かれている。



-ふうきいいんのおしごと-


1.ふうきをみだすものがいないかこうないをじゅんかいする


2.ふうきをみだすものがいたばあいは、すみやかにはいじょする


いじょう



少な! 排除の内容が知りたいのだが…っていうか何故にひらがな?


「どうだ? 分かり易いだろう?」


「いえ…ぜんぜん…?」


「んなっ! そんなばかな…分かり易いようにひらがなで書いて来たのに!」


分かり易いのベクトルが違うがな!


「それより、他の風紀委員の人達はまだですか?」


「ん? 他とは?」


さつき先輩は何故かキョトンとした顔で胸を揺らしてる、胸は関係ないけど。


「えっと、風紀委員の人が何人かいるんですよね?」


「いや、私ひとりだが?」


「えぇー!!」


「ああ、正確には1人になった…かな」


ん? どういうことだろう。


「風紀委員は3年生になると、受験のためその任を解かれるのがしきたりだ」


「あーなるほど」


さつき先輩以外は3年生になって抜けてしまったということか。


「1人だと学校全体をカバー仕切れませんよね」


「そ、そうなのだよ!」


良くぞ言ってくれたとばかりに、さつき先輩は、隣に座ると両手で俺の腕に触れてきた。


「それにな、女子1人では収拾つけられない時もあるしな」


「そ、そうですよね」


なんだろう? さつき先輩が少しずつ近づいて来ている気がする。


「もう1人いたら全て丸く収まると思わないか?」


「そう…ですかね?」


2人でも足りないと思うのだが、ってすぐ近くまでさつき先輩の整った顔が迫ってる!


「それに、1人は寂しいと思わないか?」


耳元で囁きながらぐいぐい胸を腕に押し付けてくる。すごい柔らかさだ!

ヤバイ! すぐに数学の公式を思い出そうとするが、頭が真っ白で何も出てこない!

俺、ヤバイ! 俺、超ヤバイ!


「ももも、もう少しだけ考えさせて下さい!」


そう叫び、名残惜しいがさつき先輩の手を振り解き、脱兎の如く風紀委員室を逃げ出した。

まだちびっ子生徒会長の名前を出していなかった事に気付いて愕然とした(汗

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