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In Girls Interval  作者: Satch
第2部
25/33

第5話:体育祭1

ついに体育祭の日がやって来た。生徒会では企画書の作成だけ行い、それに則って体育祭実行委員会が準備を進めてきた。

この学校では1年から3年までのクラスを縦割りにしてチームを組ませる。つまり1年A組、2年A組、3年A組で赤組という具合だ。


俺たちはさつき先輩と同じ青組で、千代先輩、さえちゃん先輩が赤組、ゆい4先輩が白組という組み分けとなった。


「なぁ千歳、綾乃ちゃんって応援に来てたりしない?」


俺は、後で全体で準備運動するのに軽く準備運動するさくらの胸の揺れを凝視しながら千歳に聞く。


「しない、あっちも体育祭だからね」


「なんだそっか……じゃあ、結果は気にせず適当にやろうぜ?」


「はぁ!?」


「純くん、そんな甘い考えでどうする!」


さつき先輩が颯爽と胸を揺らしながらやってきた、すでに頭にチームカラーの青いハチマキも巻いている。


「あ、さつき先輩…」


「やるからには勝つ! 私はちゃんとカツ丼も食べてきたぞ?」


勝負に勝つ(カツ)ってか? ベタな験担(げんかつ)ぎだなぁ。


「朝からそんなの良く食べれますね?」


「育ち盛りだからな」


さつき先輩の胸がばゆんと揺れるのを見ると、育つ場所が1点集中している気がするけどね。


「さつきー!」


千代先輩がさえちゃん先輩を引き連れてやってきた。

しかも1人だけブルマだし! 体操服には2-A千代と書かれた布が縫い付けられていた。

よく見るとうっすらと6-3というのが見えるので、小学校のときのかも知れない。


「あれお姉ちゃんが小学3年のときに買った体操服だよ」


小学3年のときって…。


「物持ち良いな!」


「そこ!?」


他に成長が止まったとか成長が止まったとか成長が止まったとかあるけど、いまさらだしね。


「今年は負けないからな!」


千代先輩はビシっとさつき先輩を指差すが、その行為自体が負けフラグな気がする。


「望むところだと言いたいが、去年は圧倒的な差で勝ったし、今年もそうなるだろう」


さつき先輩は、戦いの女神と言われるアテナの如く不敵な笑みを浮かべた。


「今年は絶対勝ってやるぞ!」


「そうだな…勝てるといいな!」


「ぬぐぅ!」


「去年ってそんなに差があったんですか?」


さつき先輩と千代先輩の言い争いを横目で見ながらさえちゃん先輩に聞いてみた。


「うん、トリプルスコアぐらいあったわね…」


「それは…」


差が開きすぎじゃね?


「さつきが大活躍(大暴れ)だったしね」


一瞬さつき先輩が立ってる周りで人々が倒れてる映像が浮かんだよ!


「でも今年は私が秘策を練ったから、そう簡単には勝てないと思うわよ?」


さえちゃん先輩は得意げに、さつき先輩ほどではないが、ばゆんと胸を揺らした。


「秘策って…?」


「ふふ、それは純ちゃんにも言えないわよー」


「えー! さえお姉ちゃんの意地悪!」


俺はわざとらしく拗ねた素振りをする。


「はふぁ! ごめんねぇお姉ちゃん意地悪だったねぇ、あのねちょっと出場メンバーを操作しただけなの」


うわ! さつき先輩が出場する競技のさつき先輩の組に、強いメンバーを揃えたってことかな?

逆にいうと、そこまでしないと勝てないくらい強いってことか…。


そこでふと視線を感じて振り返ると、唯先輩、由比先輩、結衣先輩、由衣先輩が、ってめんどくせーな!

まとめて、ゆい4先輩と呼ぼう、が少し遠くからこっちを見ていた。


「なんだろう?」


ゆい4先輩は、親指を突き出してサムズアップするとその場を去っていった。


「意味分からない!」





俺の出場する競技は、二人三脚、騎馬戦、ムカデ競争、カエルと、何故か団体競技が多かった。ってカエルには出たくねーぞ!


クラスで2人体育祭実行委員が決められ、組ごとに1年から3年の実行委員で会議を開き、競技ごとの出場選手を決める方式らしい。


どの競技も何年生が出場しても問題は無いので、どこにどういうメンバーを投入するか、

その采配によって勝敗が喫すると言っても過言ではないので、出場選手を決める会議は白熱するらしい。


『さぁ、やってまいりました! 待ちに待った体育祭です! あ、申し遅れました、

わたくしは実況協会から来ました実況の実木響(じつき きょう)です、そしてお隣にいるのが解説の佐藤さんです』


「誰!? っていうか解説者の名前めっちゃ普通!」


全員グラウンドに整列してそろそろ始まるか? って思った矢先に聞こえてきた実況放送に激反応する俺。


『どうも、こんにちは、解説協会から来ました解説の佐藤快雪(かいせつ)です!』


「普通じゃなかった!?」


解説協会から来た…ってこの学校のこと知らないのに解説できんのか?


「純くん、興奮してどうしたの?」


千歳が不審者でも見る目で問いかけてきた。


「だって千歳聞いた? あの実況と解説者の名前!」


「んー? 別に興味ないしー」


「…」


淡白ですね…っていうか周り見たら激反応してるの俺だけだった…。みんなそよ風くらいにしか思ってないのかな?


「選手宣誓! 生徒会長の小林千代さん」


校長の無駄に長い話が終わり、千代先輩の選手宣誓が行われる。


「ふあぁ…あ、はぁ~い」


始める前から欠伸(あくび)て、力抜けるわ!


「ここ? ここで言えばいいの?」


段取りくらい覚えて来いよ! っていうかリハーサルしてないの?


『段取りを忘れたようですね? 佐藤さん』


『そもそもあんな小さな子に選手宣誓をやらせるのもどうかと思いますよ?』


いやいや、飛び級の小学生とかじゃないから!


『そうですよね! ブルマが眩しいですね!』


ブルマ関係ねーし! 眩しいけども!


「えーと…宣誓? 我々は…?…スポーツショップを乗っ取り? せぇーせぇーどぉーどぉーと戦うことを誓って…みました?

これで終わりだっけ? 戻っていいの? え? クラスと名前? えー2年A組、小林千代、あーめんどくせー」


ぐだぐだすぎて手の付けようがない! 最後本音言ってるし! もうツッコミは実況に任せよう。


『ははは…ブルマがいいですね』


まぁプロでもそうなるわな…。


「続いて準備運動、隣の人とぶつからないように広がってください」


俺はさくらの盛大に揺れる胸を凝視しながら準備運動するが、千歳が邪魔をするように俺の視界に入ってくる。

しょうがないのでさくらの次に胸が大きいと噂の学級委員長で我慢した。

メガネに三つ編みという典型的な委員長タイプだから、そのギャップの破壊力は凄まじいものがある。


「よ、吉岡くん、そ、そんなに見つめられると、は、はずかしいな…」


「あ、いや、ごめん…」


さらにこの恥じらいは反則だろ。


「いてぇ!」


千歳のパンチ(ゲンコツ?)が頭に炸裂した。


「あ、ごめん、そこにいたんだ、気付かなかったよ(棒読み)」


「おまえね…いてぇ!」


さくらのタイキックが俺の尻に炸裂した。何でタイキック会得してんだよ!


「ごめん…気付かな…かった(棒読み)」


「おまえら…」


「相変わらず仲いいね」


委員長はうらやましそうに笑って俺たち3人を見る。


「そうかな?」


「うん、それに吉岡くんは、風紀委員長さんや、生徒会の皆さんにも好かれてるみたいだし」


ちょっと待て、それじゃまるで俺がハーレムでも築いているみたいじゃないか!


「こき使われてるだけだよ、世の中そんなに甘くないでしょ?」


「…?」


「あー、委員長、純くんバカだからさ」


「そうそう、そばにいるとバカがうつるよ? ってやかましいわ!」


「ね?」


『バカでしょ?』という感じで、委員長に同意を求める。


「…え、そ、う、うーん」


「ほら、委員長は良い人なんだから困らせんなよ!」


「あんたがボケたんでしょ!」


「良い人…か」


ギャアギャア言い合う俺たちを見ながら委員長が何か呟いた。


「「え?」」


「ううん、何でもない、あ、あれ見て?」


委員長が指差すほうを見ると、壇上では何故か祭り上げられた千代先輩が、『うへぇ』という顔で準備運動させられてた。


『ブルマが堪らないですね! 佐藤さん?』


『そうですね、ブルマは世界を救いますね!』


救わねーよ! っていうかお前らいろいろアウトだろ!

学級委員長をサブヒロインに昇華させるか迷ってます。

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