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~6章~ 優しさの記憶

死山「・・・まず事故の原因だが学生のバイク二人乗りでバスの前を強引に横切った時にバスがそれを避けようとしてトラックと衝突。後は連鎖的に車がどんどん事故を起こしたわけだね。」



ともき「・・・」



死山「記憶喪失と無傷なのには、舞花さんの友達が舞花さんを庇って奇跡的に車内の衝撃から彼女を守ったんだ、しかし残念なことにその友達はその時の衝撃で亡くなってしまったが・・・・・その事が舞花さんを追い込み自責の念を抱かせ記憶が無くなったと思われる。」



ともき「・・・」



死山「まぁ、理由なんて後から言ってみたらこんなものさ。本当に・・・言葉で言うのは簡単だが事実はもっと酷い。」

ともき「何で、そんなに詳しい?」



死山「実は今いったことは全て舞花さん本人の口から聞いたことさ。」



ともき「なに?」



死山「正確に言えば舞花さんの記憶が無くなったのはこの病院内なんだ。」



ともき「まさか!」


死山「あぁ、彼女はこの病院に血まみれの友人を抱えて泣きながらこう言ったそうだ。」



舞花『ごのこをだずけてぐださい。』



死山「・・・とね。そして、その直後に彼女の友人は亡くなり舞花さんは発狂し・・・倒れこんだ。」




ともき「そして起きたら、」



死山「そぅ。記憶が欠落していたわけだ。」



ともき「・・・ありがとうございました。」



死山「ぉい!!どこへいく。」



ともき「そのバイク二人のりした学生を探します。」



死山「探してどうするんだい?」



ともき「その先は・・・わかりません。けれど」


死山「けれど・・・なんだね?」










長い沈黙のあとたった一言・・・









ともき「ゆるせねぇ。」




俺は復讐を誓った。

学生たちの処分は案の定、未成年者ということで罪は軽かった。

さらには、バスにも過失があったと判決がでた。



ともき「・・・。」


俺の眼前には何もない夜の運河。

風が強く吹き今の俺の考えを優しくそして奮い立たせた。



ともき「クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハーーーーーーーーー。いいだろぅ、法で裁けないなら俺がさばいてやる。死の制裁をな。」








終夜「それで、お前は・・・」



ともき「あぁ。その学生が執行猶予で出てきた時に警察の目を盗み裁いたのさ。」




終夜「人を殺して、何が裁きだょ・・・バカヤロゥ。お前は、大馬鹿ヤロウだ。」




ともき「な・・・んだと?」



終夜「人を殺して、復讐して、関係ない人まで巻き込んで、そんなことを舞花さんが本当に望んでると思ってんのか?」



ともき「ふざけんなよ!!てめえに何がわかんだよ。そいつらを殺して、似たようなことをしてる馬鹿なガキ共を殺して何がわるいんだよ!!そいつらのせいで本来幸せになれたはずの人達はいたはずなんだ。俺もその一人だ。」


終夜「それで・・・自分は不幸だとでも言うきか?」



ともき「あぁ。」



ガン!!



ともき「なにすんだょ。」


俺はともきの胸ぐらを掴んだ。



終夜「不幸だと?あぁ、確かにてめぇは不幸だ。けどな、お前はただ悲しかっただけだろぅがー!!」





ともき「な・・。」


終夜「事実舞花さんの事故は回避しようのない残念なことだょ。だけど、舞花さんがいなくなってその悲しみを復讐という過ちの大義名分を掲げ周りに危害を加えて、それが本気で舞花さんのためになると思ってんのか?答えろよ!!ともき!!」




ともき「だから、わかってるっていってんだろぅが!!でもな、頭じゃ理解はできても納得いかねーんだょ!!終夜、お前はどうだ?俺と同じ状況になっても今と同じように自分に言い聞かせれるのかよ?」



終夜「それはー・・・。」



ともき「フン、やっぱな。」



終夜「そもそもどうして舞花さんに自分が彼氏だって名乗りでなかったんだ?そうすれば、もしかしたら記憶も、・・・。」


ともき「俺のことを思い出せば、自分が何故生きてるのかも知ることになる。そして、思い出さなかったとしても今の舞花を混乱させるだけだ。知らない男が自分の彼氏で、命を助けてくれた友達が死亡したことを同時に知ることになる。」


終夜「・・。」



ともき「舞花の両親と舞花の姉さんには話を合わしてもらってる。事故の流れと俺自身のことも全てなかったことになった。」



終夜「そ、そんな。」




ともき「俺のこと、舞花の友人のこと、これは今の舞花は知らない。あの事故は只の事故だと舞花には説明された。舞花は一人でバスに乗っていた。これが、優しさの記憶だ。」




終夜「優しさ・・・。」


ともき「・・・そぅ、優しさだ。」


ウーーーウーーー



ともき「・・ここまでか・・。」



氷夜「たくっ、こんなとこにいやがったか。」



ともき「もぅ逃げねーよ。終夜に真実を話したからな。」



終夜「ともき・・・。」



前原「さ、いくぞ。」




ともき「あぁ。じゃあな、終夜。」



終夜「・・。」


優しさ?違う間違ってる。



終夜「ともき!!」



ともき「・・・。」

終夜「それは、優しさじゃない。それは・・」



ともき「わかってる。もぅ、終わったことさ。」



ウーーーウーーーウーーーウーーー



ともきはこの日大阪府警に連れていかれた。






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