〜49章〜 屈服・怒りの黒き翼
終夜「答えろ、どうして俺を三四に会わせた!!」
真聖夜大学の校門で俺はあの女に問い詰めていた
真夜「・・・またそれか、懲りんな貴様も。」
終夜「つーかよ、その貴様ってのやめろ。俺には終夜って名前があるんだよ!」
真夜「はぁ?貴様は貴様だろう。私にしたら、貴様ら一般大衆など区別のつけようもないわ。」
終夜「ーーーッ!?」
まぁいい、あの時の事さえ聞ければそれでーーーーー!?
ちょっと待てよ?あの時あいつはーーー
『この中には、貴方のとてもとても大切な人がいるから。そして、雨宮麗さんの命を助ける事ができる方法もみんなを助ける方法もこの中にあるわ。』
どうしてあいつはあそこに三四がいるって分かった!?
終夜「お前は、パンドラとグルなのか?」
真夜「ーーー!?」
この明らかな反応!!!
真夜「貴様、・・・パンドラについてどれぐらい知ってる!!」
終夜「話をずらすな!!お前は乱戦祭の時に何故俺に声をかけた!!」
真夜「・・・なら、答えてやろう。私は乱戦祭などとそんな下らんものに行った覚えはない!!!」
終夜「・・・そんな馬鹿な話が!!」
「でねぇーあの話がさぁ!」
「えー、うっそぉ?」
近くを真聖夜大学の学生が通った
そうだ!!
終夜「なぁ!!この女が乱戦祭に出場してたよな!!こいつは、種目にもちゃんと出てた!!俺は見たんだ!!」
「・・・え?」
「・・。あの、真夜様はその日来られてませんが・・・」
終夜「・・・なっ!!・・・んなわけあるかぁ!!!俺は・・・見たんだよ!!話だってした!!」
「あの、そんなに言うなら後で生徒会室に来て下さい。出場者の公式名簿がありますから。」
「あ、でもこの学校は外の・・・」
女生徒がそう言おうとした所をこの女が止めた
真夜「いや、私が許そう。」
その顔はどこかニヤついていた
真夜「心配しなくても、それには大会運営側の捺印がされている正式なものだ。改竄などできん。それを見れば貴様は諦めるのだろ?ただし、貴様だけだ。そこの連れは帰れ。」
終夜「・・・ちょ、・・ちょっと待てよ。」
なんなんだよ、なんだよこれ?
じゃあ、俺があの時話した相手は・・・
・・・誰なんだよ。
ー生徒会室ー
真夜「ほら、これだ。」
終夜「・・・」
俺は渡された出場者リストに目を凝らした
真夜「すまないな、生徒会長。この男が無理に言うものでな。」
「大丈夫ですよ。真夜様の頼みなら断れませんからね。」
終夜「・・・」
真夜「どうだ?私の名はあったのか?なかったのか?どっちだ?」
・・・・・ない
終夜「・・・ねぇよ。」
真夜「フンッ、だったら多くの人に多大な手間と労力を強いたのだ。それに在らぬ疑いを私にかけた。謝罪の一つでもあっていいんじゃないのか?」
終夜「・・・悪かったよ。」
真夜「・・・は?貴様は社会を知らんようだな。」
終夜「・・・はぁ?」
真夜「土下座しろ。私に対してあれだけの侮辱をしてその程度の謝罪で許されるとでも?」
終夜「ふざけんな!!たかがこんな事ぐらいで土下座なんてできるか!!」
俺が帰ろうとすると周りの生徒達が道を塞ぐ
終夜「どいてくれよ。」
「真夜様の命令は絶対である。」
「真夜様の命令は絶対である。」
「真夜様の命令は絶対である。」
終夜「・・・なんなんだよ、」
こいつら頭どうかしてんじゃねぇのか?
真夜「ほら?どうした?さっさとやれ。」
終夜「死んでもするかボケ!!」
真夜「この真聖夜大学校則第58条他校の生徒はいかなる理由があろうとも当校の敷地内への侵入を禁ずる。・・・この意味わかるな?」
終夜「はぁぁぁああ?校則ってのは学校内の人間が守るべきルールだろうが!!なんで学外の人間にまで適用されるものがあるんだよ!!」
真夜「この真聖夜大学に通う生徒は皆が金持ちだ。ここの生徒の親全員が国へ多額の寄付をしている。そのため、この学校は国から特別に許された独自のルールを設ける事を許可されている。」
終夜「・・・」
さっきの女生徒が言おうとしたのはこの事だったのかよ!!
真夜「どうする?ここで私が叫んで先生を呼べば貴様・・・どうなるかなぁ?」
終夜「・・・くっ・・・」
この女・・。初めから俺を嵌めるつもりで・・・
真夜「・・・さぁ。どうなんだ、するのかしないのか。どっちだ?」
土下座・・・
この行為を簡単にできる人間は馬鹿か天才かどちらかだ。人間には大小あるだろうが、少なからずプライドが存在する。そのプライドを捨てて、こんな嫌味な女に土下座する。
ここは三階・・・窓からの脱出は不可能
扉には十人くらいの生徒
しかも、ここで俺が強行突破を行えばこいつは間違いなく教師を呼ぶ。そんな事をすれば確実に新聞に載る。下手をすれば捕まる。
・・・雄大、悲しむだろうなぁ。
土下座・・・
終夜「・・・分かった。」
俺の言葉を聞くとこの女はいやらしい笑みをこぼす
俺は、多分相当プライドが高いのだろう。今俺の心は激しい怒りの脈動を奏でている。人を疑った事への謝罪はしなくてはならないが、その罪への贖罪がこれではあまりに理不尽だ。
手を床につけ、ゆっくりと頭を下げる
だが、土下座の前に一つ・・・
自分勝手と罵られようと関係ない!!
俺を三四の所へ連れていったのは間違いなくこいつだ。
そのせいで麗は亡くなった。
あの時、貴様さえいなければ!!!
終夜「いつか、・・・必ず貴様を殺す!!」
土下座の姿勢で首だけ上を向きながら言った
真夜「・・・下らない。」
俺は土下座をして惨めに帰らされた
結局、わかった事は一つもなかった
俺は、今日、・・・あの女に屈服した。