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~5章~消失

終夜「いいな・・・そういう彼女ってさ。」



ともき「だろ?」


人を殺した人間とは思えないぐらい爽やかな顔だった。


いや、相手が俺だからか・・・。


ともき「幸せは、自分で掴める・・・って言うやついるじゃんか?そういぅ奴は幸せを掴んだやつなんだよ。」



終夜「そんなこと・・・」



ともき「・・・人は己の価値観でしか物事を図れない・・・醜い存在さ。俺自身もそうさ。俺の価値観で勝手に殺した。そいつらにも家族がいて、大切な人がいて、・・・・・そして、そいつらが死んで悲しむ人がいる。」



終夜「それがわかっていながらどうして?」



ともき「頭じゃ理解出来ても納得ができねーんだよ!!わかってるさ、俺がやってることはもう復讐でもなんでもない・・・ただの八つ当たりさ。」



終夜「・・復讐?・・」



バ!!


大量の光が俺達を包む。



終夜「眩し・・なんだ?」



氷夜「成川ともき!!連続殺人事件の容疑で逮捕する。」



ともき「な・・・なんで・・・」




氷夜「容疑者から外れて安心したのか?刑事を君から外して正解だったな。」



終夜「どーゆうことだよ!!」


氷夜「君たちに事情聴取したあと私は成川ともきにつけていた刑事を尾行から外したのさ。」



ともき「テメェーーーー!!」



氷夜「フンッこの前の事件も刑事の張り込みの隙を見て殺しを実行されたからな。君が刑事の存在をかぎ分ける能力が非常に高いことがわかったよ。」



ともき「フンッ」



終夜「・・?」



前原「流石連洞さんだ。俺達警察を騙して、尾行を止めさせるなんて。」



氷夜「じゃないと上が殺人犯から尾行を外すなんて許可だすはずねーからな。」


終夜「だから、ともきを一度捜査線上から外して・・・」



ともき「あんたが一人でつけてたのか・・・」



氷夜「あぁ、俺は署内一尾行がうまいからな。」



前原「さて、・・・連洞さん。」



氷夜「あぁ。・・・確保だ。」



ともき「くっー!」


終夜「ともき!!」前原「逃がすな!!追えーーーー。」



氷夜「・・・終わったな。」

















どうして?


警察「いたぞー!!」



ともき「くっはぁはぁっ。」



警察「逃げるなや!!」



なんで・・


こうたっちまったんだ・・・



ともき「はぁ・・はぁっ・・・ぺっ。」

終わったな・・俺の人生。



ともき「ははっ、・・・ちくしょう。・・・ぅ・・グズッ・・」



終夜「泣くなら最初からするな。」



ともき「!!・・・終夜。」



終夜「話。続き。聞かせてくれるか?・・ヒグッ。・・ぅ。」


ともき「てめぇも泣いてんじゃねぇか。」



終夜「な゛いでね゛ぇじ。」


ともき「ははっ」



終夜「くくっ・・あはは。」



俺と、ともきはお互いに泣きながら、顔をぐちゃぐちゃにしたまま話を再開した。







舞花「じゃあね。」

ともき「気をつけて行ってこいよ。」



舞花「わかってるょ~二泊3日の旅行に行くだけだよ。」


ともき「それでも気を付けろよ。」



舞花「はいはい、じゃあね。」



ともき「ぉう。」



その時の舞花の笑顔が何故か寂しげに見えたのは気のせいだったのか。


その時の俺はあまり気にも止めず見送りを終えて自宅に帰った。



その時は、思っても見なかった。

あの会話が、恋人として舞花と話す最後の会話になるなんて。



ー2月4日ー



ともき「・・・ふぁ~あ。よく寝たな。」




trrrrrr

trrrrrr

ともき「ん?」


舞花姉「ともき?」


ともき「はい?どしたんすか~?」



舞花姉「落ち着いて聞いて。舞花の乗ったバスが高速で事故を起こした。」



ともき「・・なに?」



舞花姉「原因は後で話すから今から言う病院に来て・・・・・こ・・・」



は?


頭が・・・

体が・・・


動かない。


いろんな感覚が全身を駆け巡る。


震える、 吐きそう

なのに、何故か頭がさえてて意味がわからない。



舞花姉「ともき!!」



ともき「ッは!!」


舞花姉「焦るのはわかるけど落ち着きなさい。」



ともき「場所・・は?」



舞花姉「金剛銀病院」





ともき「ハァハァハァハァっ・・・ペッ。」



ー金剛銀病院ー


ともき「ついた。」


走ってきたので汗だくだ。

そんなことはどうでもいいと思いながら病院のドアを開ける。



ガラー


男「あ゛ーーー」

子供「うわーーーーん。」

女「いだいー痛いよーー。」



ともき「・・なんだ・これ?」



そぅ。病院に入った俺の目に映ったのは見渡す限りの血だらけの人の山。



看護婦「ちょっとどいて!!」



ともき「すいません。」



この光景こそ言い方は悪いが地獄絵図。


ともき「舞花、どこ・・に?」



舞花姉「・・・ともき、あの」



ともき「舞花はどこ?」



舞花姉「あそこの部屋に・・・」



ダッ



舞花姉「ちょっと、ともき!!待って!!」


ハァハァ ハァハァ ハァハァ ハァハァ



舞花・・・


舞花!!



ガラー



舞花「・・あ、」



ともき「無事だったか。たくっ心配させや・・・」



舞花「病室を間違えていませんか?」



ともき「・・・へ。」



俺の動揺と共に部屋の扉が開いた



舞花姉「ハァハァっ・・・ともき、あのね、」



ともき「・・・な、なにいってんだよ!!舞花!!俺は」



舞花「・・何で急に怒鳴るんですか?」


ともき「・・・」


まさか、


そんな、



舞花「わたし自分のこと覚えてないんです。記憶がないらしくて。もしかして・・・私の知り合いの方ですか?」



ともき「・・・っあ、あー間違えた。あいつの病室ここじゃねーのか。すいません、騒がしくしつしまって。」



舞花姉「・・・ともき?」



舞花「そうですか。でも・・・」



ともき「?」



舞花「貴方がお見舞いにいく人は幸せな方ですね。」



ともき「・・・え?」



舞花「だって、あなたは泣いてるじゃないですか。それだけ想われてるその人は幸せな方ですね。」


ズキッ



舞花「もしかして恋人さんですか?」



ともき「・・・ぃえ、知り合い程度ですよ。」



ガラー バタン










ッーーーーーーーーーーーー



ともき「はは、」


泣いてる・・俺が?そっと手を顔に持っていく。



ともき「泣いてる・・のか。」



舞花姉「ともき!!なんで嘘ついたの?」



ともき「クハハハハハハハハハハハハハハーーーーーーーーー。・・・・・」



舞花姉「ともき、ちょっとしっかりして、ともき!!ともき!!」



俺は狂った

バグった、壊れた



言葉はなんでもよかった。今の俺にはどうでも。


その後、バスが何故事故を起こしたのか。

何故舞花は記憶喪失になったのか。

何故舞花だけ無傷だったのか。


いろいろ言われたらしいがこの時の俺には全て聞こえるはずもなかった。



気がつくと家のベッドで倒れていた。



ともき「・・・・・・・ちくしょうぅ。なんで、どうしてこんな。」



時間の経過と共にこれが現実だということを時が俺に教える。



ともき「もう一度金剛銀病院へいこぅ。」




俺は、病院に行って医者から事情を聞いた。



死山「あぁ、きみか。」



ともき「あんたは?」



死山「おやおや、あの時自己紹介したのに。」



多分あの時とは舞花が運ばれた時の事だろう。



死山「私は、死山 海生しやまかいせい外科医だ。涼風さんの担当医だ。」



ともき「舞花のことで聞きたいことが。」




死山「ふーむ。まぁその話をしたときは君は上の空という感じだったからな。」


ともき「すいません。」



死山「気にしなくていい。さて、場所を変えて話そうか。」





この話を境に俺は殺人者となった。




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