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〜45章〜 一年前『白幻島』

一年前



パンドラ所有島『白幻島』


警察とパンドラの最終決戦が行われた場所

この島にはパンドラが建てた馬鹿でかい屋敷が建っていた。


そこには、警察数百人とパンドラ全メンバーが血みどろの戦いを繰り広げていた。

もちろんあとの事になるが、この戦いが表沙汰にはなっていない。


その事が表沙汰にならない理由については世の中で知ってるのはそれこそ極々一部。

この世の裏のトップのトップの人間だけだ。


雄大と終夜は、警察の言葉を無視して勝手に潜り込んでいた。


そして、戦いがはじまってから一時間が経過した頃だった。





地下『メインコンピュータルーム』



雄大「終夜!!もう時間がねぇ!!」



終夜「分かってる!!けど、どれだよ!?」


終夜と雄大は、メインコンピュータルームにいた。

エンジェル・ダスト拡散を自動操作しているここを訪れていた。


それを止める為に。




最上階『王座』



クイーン「ゼロ、ようやくね。」



ゼロ「あぁ、これで世界は終わる。ようやくな。」



一階『ロビー』



アフロディーテ「あっはぁ!?氷夜楽しいわぁぁああ!!」



氷夜「貴様ぁぁぁあああ!!」



アフロディーテは巨大な斧を振り回していた。

女ではとても持ち上がらないようなものを軽々と持ち上げるこの力はやばい薬か何かだと氷夜は思っていた。



氷夜「くっそぉぉおああ!!ーーー!?」



ガチャガチャ



氷夜「弾ぎれ!?くっそ!!」



アフロディーテ「拳銃なしでこのあたしに勝てるのかなぁぁあ??」



氷夜「やかましい!!!行くぞ、この変態野郎がぁぁああ!!!」



霞姉さんの仇は必ずうつ!!







一階『ゲストルーム』



アレス「ぐぎゃぎゃぎゃ!!!たぁのぉしいぞぉぉおおお!!!やっぱ戦争はこうでなくっちゃなぁぁぁあああ!!!」



アレスは数多くの警察の死体の上に乗っかって叫んでいた。



「下衆め。貴様には私が粛清する。」



アレス「あぁぁぁあああ!?なんだってぇぇえええ???」



「天雲さん!?」



天雲「さて、世界の闇を排除する。手伝え、雨宮!」



雨宮「へぇへぇ、まぁあの化け物はお前と手を組まないと倒せないわな。」



アレス「かかってこいやぁぁぁあああああ!!!」








屋敷外



際前衛にポーンクラスの多数の兵隊とルーククラスの数名が守っている

ここは、そこからそれほど離れていない場所



グライアイ「どんだけいるんだよ!?くっそ。」



キマイラ「まさか、これだけ警察が入り込んでくるとはな。」



ゴーゴン「無駄口叩いてる暇はないわよ!」



サイクロプス「おい、ケルベロスはどこいった?」



ケンタウロス「あの野郎!!俺等と同格なのに逃げたのか!!」



ペガサス「ま、臆病風に吹かれたやつはほっとけ。俺たちはこれ以上警察を中にいれるな!!」



ゴーゴン「でも、大丈夫かしら。屋敷の中は。」



キマイラ「心配ねぇよ。屋敷内はナイトクラスの人達が守ってる。それにゼロもクイーンだっている。俺たちはここを死守するぞ!!」








最上階『神座』



ケルベロス「お待ちしておりました。」



「全ては順調かしら?」



ケルベロス「はい、全てはあなた方の命のままに。」



「そう、なら良かった。」












地下『メインコンピュータルーム』



アトラス「まったく、こんなとこまできているとはな。」



ハーデス「いっひひひ、まだ子供じゃないですかぁ。」



雄大「チッ、時間がねぇってのによ。」



終夜「くっそぉぉお!!どうする!?雄大!!」



雄大「俺があいつ等を止めるからお前がエンジェル・ダストを止めるんだ!!」



終夜「無理だ!!いくらお前でも二人相手なんてーーー!!」



雄大「無理かどうかなんて問題じゃねぇ!!俺達の手に世界はかかってるんだ!!早く止めないと世界は死者の国へと化す!!俺達で止めるしかないんだ!!早く!!」



終夜「・・・くっ、死ぬんじゃねぇぞ!!」



ハーデス「いっひひひ、二人相手ですって?どうです?アトラス。」



アトラス「私は正々堂々と戦いを行う。卑怯な行為は私の信念を削ぐ行為だ。」



ハーデス「言うと思いましたぁよぉぉお。ま、私はさっきの子供のところまで行って来ます。」



雄大「・・・、行くぜ。」



アトラス「少年、私は手は抜かない。死ぬ気でかかってこい。」



雄大「うおぉぉおおおおお!!!」



雄大の渾身のパンチがアトラスの腹を直撃した。

しかし、雄大は驚いていた。アトラスは避けようとすらしなかった。そして、雄大のパンチをくらっても平然としていたのだ。



アトラス「少年、その程度か?」



雄大「な、んだと?」



アトラス「では今度はこちらから行かせていただこう。」



ドンッ!!!!!!!!!!



雄大「ーーーーーーぐっへぇあ!??」



ガシャーーーーーン



雄大は、勢いよくぶっ飛んだ。そのまま後ろの機材に叩きつけられる。



アトラス「少年、少し残念だぞ。やはり、子供か。」



雄大「少年少年うるせぇよ。」



アトラス「ーーー!?」



友人「俺こそがっかりだぜ。あんた、パンドラ内で一位二位を争うくらい戦闘が強えんだろ?」



アトラス「あぁ、」



雄大「まさか今のパンチ全力かよ?」



アトラス「・・・ほぅ。」








白幻島裏



黒い隠密行動用の服に身を包んだ数名が上陸していた。



「表がすんげぇ騒がしいなぁ。」


「ま、戦争ですしね。」


「アスモデウス、どうするの?」



呼ばれた女は、はちきれんばかりの豊満な胸を揺らしていた。

年齢は二十代前半であろうと思われる女。



アスモデウス「ン?、あれをやられる前にあたし達が全てを潰すわ!!」



地獄の黙示録の色欲の悪魔アスモデウス。

序列は、あのルシファーと並び最高位の存在。

世界へ対するありとあらゆる権限が彼女には使えるのだ。

それは時として、小国を動かすことも可能だという。

そんな位置にいる彼女の自尊心はものすごく気高いのだ。



アスモデウス「エレナ!!」



エレナ「はい、例の物はここにあると思われます。しかし、敵の戦力のあらかたをそこにつぎ込んでいるのではないでしょうか?」



アスモデウス「ン~、それはないわ。今パンドラは、警察の相手で手が一杯。あたし達の相手なんてしてる暇ないはずよ。」



けど、気に入らないわね。

あのゼロがあたし達の侵入をこうも簡単に許すなんて。

誘い?

いや、目的完成間近の余裕?


ンフッ、ないわね。

あの男もあたしと同じで自尊心が強く自分の爪の甘さを知ってる男。

だからこそ、最後の最期まで手は抜かない。


だったらーーー、




アスモデウス「ンフッ、やっぱりダメね。あたしはごちゃごちゃ考えるの嫌いなのよねぇ。」



エレナ「・・・」



エレナは思った。

アスモデウスの右腕だから分かる。


彼女は、嘘つきであると。

考える事が嫌い。

そう言ってはいるがエレナは彼女が恐ろしく打算的である事も知ってる。

考える事が嫌い、しかしそれは考える事を放棄するのと同義ではない。


だが、時たまアスモデウスが考えなしに行動する事もある。


アスモデウスの右腕だから分からない事もある。


矛盾に満ちた考えがエレナの頭をぐるぐる回っていた。


そんな事をぐるぐる考えていたら向こうから人が来た。

黒いマントに身を包み漆黒の仮面をつけた人物。


両手をひろげ、その手を胸に持っていき一礼をする。



ゼロ「ようこそ麗しき淑女の方々。我が城、白幻島へ。」



浜辺で対峙するパンドラと地獄の黙示録。



アスモデウスは、憎らしいものを見るように声を荒立てて言った。



アスモデウス「ーーー、ゼロ!!」














終夜「・・・、俺がその場にいたってのか?」



死山「あぁ、君が止めたんだ。エンジェル・ダストをね。」



終夜「・・・覚えてねぇよ。」



死山「・・・、まったく君にはしてやられたよ。私の傑作を潰してくれたんだからね。」



終夜「まさか、あんたが?」



死山「あぁ、私がエンジェル・ダストの開発者だ。」



終夜「なんでだぁぁぁああ!!!なんでそんなものを作った!?そのせいで誰が死ぬとか考えなかったのかよ!!」



死山「・・・ブラック・ゴッドの開発には私は関わってはいない。私とは別の派閥が作りあげたものなんだよ。麗さんのことは残念だった。」



終夜「残念だと!?テメェがそんなものを作らなければブラック・ゴッドすら出来なかったんじゃねぇのかよ!?それなら麗は死なずにすんだんだ!!お前らがーーー」



死山「それでも殺したのは君だ。・・・って、言って欲しいのかい?」



終夜「ーーー!?」



死山「そうやって人に責められることで自分の犯した罪を払拭しようとするのはやめたまえ。君はもう、十分に傷ついた。」



終夜「な、なにを・・・俺は・・・俺は!!」



死山「君は子供だ。そんなやり方をしても彼女は喜びはしないだろう。いいかげん、自分をゆるしてあげたらどうだ。責めても傷つけても戻らないものは戻らない。私がこんな事を言うのはあまりにも無責任だが、それでもーーー」



終夜「・・・俺は」



死山は崩れた終夜の肩に手をおき優しく微笑んだ。



死山「君はもう許されるべきだ。」



終夜「くっ、ぅぅ・・・ぁぁあ。」



俺は何処かで誰かに責めて欲しかったのだと気づかされた。

ケルベロスに責められた時少し心が軽くなったのはそのせいだろう。


人の罪の在り処は誰かに許される事で消滅するのではないだろうか。


『どんな方法で罪を償おうとしても一生罪は消えない。』


以前言われた言葉だ。


その時はこの言葉以上に正しいものはないと思っていた。


だが、俺の心は拾われ救われた。


犯した罪は消える事はないだろう。

だが、それでもその罪が許される事はあるのだと教えられた。



俺は・・・大馬鹿野郎だ。





ピキッ



地下の手術室の天井に大きな亀裂がはしった。

そう思った矢先天井が崩れた。


といっても、人が数人入れるほどの穴だ。




アレス「ガァァアアアアアア!!!」



キマイラ「お迎えにあがりました。エピメテウス様。」



死山「・・・君達は壊してしか入ってこれないのか。」



終夜「待て、待ってくれ!!あんたみたいな人がどうしてエンジェル・ダストなんて化学兵器を作り上げたんだ!!!」



死山「良い事を言う人間が良い人間だとは限らない。私は私の目的の為にパンドラに入った。君には分からないかも知れないがな。」



終夜「なんで、なんでだよ。」
















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