〜43章〜 告白
三四「ちょっと待ってよ！！」
ルシファー「・・・だから、なんでついてくんだっつてんだろ！？」
三四「人探しよ！！助けてよ！！」
ルシファー「頭おかしいんじゃねぇのか！？」
綾乃「・・。」
三四ってば、すごい。
あんな怖そうな人にズカズカと。
ルシファー「他に頼めよ。俺は忙しいってんだろ？」
三四「嘘！！」
ルシファー「あ？」
三四「あなたみたいな自宅警備しかできなさそうな人は暇なの！！」
ルシファー「・・・」
こいつ、クソうぜぇ
終夜「あのぉ～、その探してる人ってどんな人なんですか？」
猫語「ん～っとねぇ、」
そう言うと、猫目の人は手を自分の顔にあてて顔を引っ張った
猫語「こ～んな顔！！」
終夜「・・・そうですか。」
変わった人だなぁ
猫語「んぉ！？」
猫目の人はアイスクリームを見ていた
終夜「買ってあげようか？」
猫語「んにゃ！？」
買ってあげると美味しそうに食べていた
子供って可愛いな
といっても、俺と年はそんなに変わらないのか？
猫語「んでにゃ～、僕の探してる奴は結構おっちょこちょいなんだにゃ～。すぐ迷子になるしー。」
終夜「へー。」
迷子は、君じゃ・・・
猫語「んでにゃ、」
終夜「あ、口の周りアイスついてる。ほら。」
ハンカチで拭ってやった
猫語「んぐぉ、ありがとう！お前、いい奴だにゃ～！！」
終夜「え、そうかな。」
猫語「僕達はもう友達だにゃ！！」」
終夜「君って面白いね。」
三四「でね？終夜ってば、ちょっと下着を聞いただけで逃げるんだよ？それって過敏すぎじゃない！？」
ルシファー「下品な女だ。」
三四「きっと頭の中は喜んでるのに素直になれないって子供よねぇー。」
ルシファー「・・・」
三四「だいたいーーー。」
ルシファー「だぁぁぁあああ！！うっせぇな、いつまでつきまとうんだこのクソアマ！！」
三四「いいじゃない、あなた暇でしょ？」
三四とルシファーが争っていると間に綾乃が割って入ってきた
綾乃「す、すみません！もう、行きますから！！怒鳴らないで下さい！！」
ルシファー「・・・ぁ」
三四「綾乃、・・・うん。ごめんね？君もつきまとってごめんなさい！やっぱり、自分で探すよ。」
ルシファー「・・・どんな奴なんだ？探してる奴は。」
綾乃「え？」
ルシファー「しゃぁねぇ、探してやるよ。」
綾乃「あ、ありがとうございます！！」
三四「なんだぁー、やっぱり君はいい奴じゃーん！！」
三四は、ルシファーの背中をバシバシと叩く
ルシファー「ぁ～、うっぜぇ。」
ルシファーは、頭をかきながら言った。
すると横からルシファーの名を呼ぶ声が聞こえてきた
猫語「お～い！！ルシファー！！」
終夜「あれが君の探してる人？」
三四「あ！終夜！！」
綾乃「終夜くん！！」
ルシファー「チッ、あのバカ。」
それぞれが探していた人物のところへ行く
終夜「おぅ、買い物終わった？」
三四「探したよーもぅ。なんで勝手に行くかな？」
綾乃「三四・・・、反省しなさい。」
三四「は～い。」
猫語「へへ、ただいまぁ～！」
ルシファー「あのなぁ、」
猫語は、終夜に向かって言った
猫語「ありがとう！え～と、」
終夜「俺は、終夜。」
猫語「ありがと！終夜！！僕は猫語愛再！！」
猫語が三四を見て止まった
猫語「・・・ふ～ん。」
ルシファー「連れが迷惑をかけたな。」
終夜「いえ、こちらもお世話になったみたいで。」
ルシファー「お互い苦労するな。」
終夜「ハハ、そうですね。」
お互いにその場を去った。
終夜「さて、帰るか。」
そう言った矢先
終夜は、人混みである男を発見する。
人混みにいたその男は全身を黒で覆われた異質な男
不意にその男と目が合う
ケルベロス「・・・フッ。」
終夜「ーーーーあいつ！！！」
終夜は、走りだした
三四「ちょっと！！終夜ーーー！！」
終夜「ハァハァハァハァ！！」
あの野郎！！
麗を・・・
誘拐した野郎だ！！
絶対逃がさねぇ！！
追いつくとそこは非常階段を登って屋上に来ていた。
本来なら鍵がかかっているはずだろうが、ケルベロスが外したであろうと終夜は理解した。
終夜「ハァハァ」
ケルベロスは、下界を見下ろしていてこちらを見ていない。
終夜「テメェェェエエエ！！」
ケルベロス「おゃおゃ、お久しぶりですね。人殺しさん？」
終夜「・・・あぁ。そうだ。」
ケルベロスは、驚いた顔で終夜を見ていた
ケルベロス「否定はしないんですね。」
終夜「事実だからな。いくら綺麗事を並べても俺が麗を殺した事に変わりはない。」
ケルベロス「ほぉ、」
終夜「しかし、お前が麗を誘拐したこともまた変わりはない！！俺はお前を許さない！！」
ケルベロス「クククッ、そうですか。」
終夜「ぶっ飛ばす！！」
終夜が勢いよくケルベロスに殴りかかった
だが、結果は明らかだ。
雄大は、戦闘に関しても抜群の力を持っている。それこそ、ヒーローのような強さだ。
しかし、終夜は違う。
非力でとても戦闘なんてできない。
喧嘩もろくにできない。
そんな素人が殺しのプロに勝てるわけもなく
終夜「グハッ、ハァハァ。」
ケルベロス「お粗末な。」
ケルベロスは、片目を開き終夜を見下すように見ていた。
終夜「な・・・なんでだ、理由を教えろ！！何故麗を誘拐した！！」
ケルベロス「理由を知ってどうなるってものでもないでしょう。彼女はもうこの世にはいないのですから。」
あぁ、テメェの言うとおりだ。
俺はいったいどうしたいんだろうなぁ。
終夜「答えろ！！ーーーーー！？」
ガチャ
目の前にはケルベロスが銃を突きつけていた
恐ろしく冷たい瞳で
終夜「なんの真似だよ。」
ケルベロス「この状況でなんの真似とは。面白い人だ。」
終夜は、以前狩真と戦った。
銃を突きつけられた事もある。
それでも、死に直面するのは何時でも怖い。
ケルベロス「さて、派手に血を吹き出し滅ぶといい。さようならーーー」
「待ちなさい！！！」
女の声がした。
とても聞き覚えのある声だった
ケルベロス「これはこれは、クイーン。」
ケルベロスは、ゆっくりと道を開けた。
自分よりも格上である人物にする作法で。
終夜「・・・、三四？」
三四「終夜、ごめんね。」
三四は、悲しそうにこちらを見ていた。
そして、直ぐにケルベロスに向き直った。
三四「ケルベロス、これはどう言う事かしら？」
ケルベロス「どう言う事と仰られてーーー」
バッチーーーーーン
勢いよく三四がケルベロスを平手打ちした。
それでも、ケルベロスは笑みを崩さない。
三四「いい加減にしなさい！！貴方の勝手な行動がどれだけ私達に迷惑をかけてるか！！」
ケルベロス「大変失礼しました。以後、気をつけます。」
三四は再び俺の方へ向く
三四「ごめんなさい、終夜。あたしはクイーン。一年前、この国を・・いぇ、この世界を消そうとしたパンドラのメンバー。」
終夜「な・・は？」
三四「そして、貴方に麗を殺す薬を渡した女よ。」
終夜「ーーー！？」
三四「それを知っても、あたしを友達って言ってくれるかしら？」
その時の三四の表情は前髪で隠れて見えなかった。
だけど、声は震えていた。
俺はーーー
