〜38章〜 狂・凶・響
とある暴力団事務所
いかにもな連中がうろうろしてる室内
そこに一人の若い男が入ってきた
「健人の馬鹿を見つけました!!」
男がそう言うと奥にいたガタイのいい男が吸っていた煙草を消した
「場所は?」
「東京都内にある結婚式会場だそうで、」
男はビビらながら話すと、ガタイのいい男が口元をにやつかせて席を立つ
それに続くように周りにいた男達も続く
「よくやった。これでお前のミスは帳消しだ。これでいいんですよね?」
ガタイのいい男がそう言うと奥の扉から一人入ってきた
「ん~、それでいいにゃー。」
そんな猫語を喋りながら入ってきたのはこの強面の連中が多い室内には異質という綺麗な格好と容姿だった。
男か女か分からない顏
そして、そいつは若い男に近づいた
「・・・ヒッーー、」
猫語のそいつが近づくとさっきまでリーダー面の強面の男も周りの男も道を綺麗に開けた
大袈裟な例えだがモーゼの十戒のようだった。
ゆっくりと近づき前に立った
「・・・ハァハァ、」
男が息を切らせながらそいつを見た
「駄目だよ?若いんだから、命を粗末にしちゃぁ~、次はないからね?わかったかにゃ?」
「・・・は・・ぃ。」
「理解のある子は好きだにゃ~。」
そう言うとくるっと強面の男に振り向いた
その瞬間強面の男もすぐにそいつが求めているであろう事を話しだした
「健人の居場所が分かりました!!直ぐにあいつを連れてきますのでお待ちいただければ」
「ぃんや、今回は僕も行こぅ。」
それを言った途端辺りの空気が変わった
皆明らかにそいつを恐れていた
空気で分かる
皆そいつにはきてほしくないのだ
すると強面の男が恐る恐る言った
「御言葉ですが、以前のこともあります。猫語さんにはゆっくりとここにいていただいたほうがよろしいかと・・・」
そいつの名は、猫語愛再
この組にで入りしてるただそれだけの猫
と、本人は言う
強面の男の発言を聞いた猫語はゆっくりと強面の男に向き直った
「で、ですぎた真似をしました!!失礼しまーーー」
猫語「うん!じゃあ、僕は休んでるよ。君たち頑張って!!」
「は、はい。」
大量の汗をかきながら命のある有難さにほっとする様子の強面の男
「よし、健人の馬鹿をここに連れてこいやぁ!!!」
「うおおおおおおおー!!!」
結婚式会場
終夜「ともき!?どうだった。」
ともきは、清々しい面構えをしていて俺はやりたい事ができたのだと思った
ともき「終夜、ありがとう。」
終夜「?どしたよ。」
すると横で狩真が誰かと連絡をとっていた
その連絡が終わった後、俺たちにこう言った
狩真「例の暴力団連中ここにむかってるらしい。」
終夜「ーーー!?」
ともき「死に場所には相応しいな」
終夜「ともき?なんか言った?」
ともきは、真っ直ぐと俺を見ていた
その真摯な瞳が俺をとらえていた
ともき「終夜・・・お前に、お前にしか頼めないことなんだ。頼めるか?」
ー
ーー
ーーー
終夜「なるほどな。けど、その役目はお前がすべきじゃないのか?」
ともき「俺の言葉も想いも舞花にはもう届かないから。だから、代わりにお前に・・・。そして、俺は自らが作ってしまった世界を守りに行ってくる。」
終夜「お前・・・」
終夜は、再び言いそうになった
諦めるな・・・と
しかしともきを見ていて気づいてしまった
こいつの決意は変わらないと
終夜「わかった。もう何も言わない。俺は準備してくるよ。」
終夜がその場を去ると狩真は言った。
狩真「お前・・、死ぬぞ。」
ともき「だろうな。結局、最後まで俺は独りよがりだったなぁ。」
狩真「俺が手伝ってやる。今回の仕事の依頼はお前の望みを叶える事だからな。」
ともき「それじゃ、駄目なんだよねぇ。たとえ死んでも、守りたい人がいる。自分の手で守りたいんだ。」
それが、俺の重ねてきた罪への贖罪
すると終夜が戻ってきた
終夜「オッケー、準備もできたよ。」
ともき「ありがとう。なら、頼むわ。」
終夜「お前は?どうするんだ。」
ともき「俺の全てに決着をつけてくるよ。」
黒塗りのベンツ
そう言うと、誰しもが嫌な感じがするはずだろう
そして、そんな車が数十台で舞花と健人の結婚式会場に向かっていた
そこに一人の男が立ち塞がる
「おぃ、邪魔じゃあ!!どけやぁ!!」
たった一人で立つ男は笑いながらこう言った
ともき「人殺しの恐ろしさ見せてやるよ。」