表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/66

〜 32章〜 襲撃

狩真省吾に説明を受けた事を最初に話すとどうやら、ともきの脱獄の依頼を受けその実行に俺にも手伝えということだった。




町から随分と離れた場所にある地上三階地下一階の建物に俺はいる。



終夜「ここは?」


狩真「俺の持ってる自宅のうちの一つだ。」



薄暗い部屋を見回すとベッドと机・・・ぐらいだ・・。

しかも、ベッドはしわくちゃ

こいつ、身の回りのことできないやつか?



狩真「どうした?早く座れよ。」


終夜「その、悪かっな。傷は大丈夫か?」


狩真「お前から受けた傷なんて傷のうちにはいるか。」


終夜「へへ、あーそぅですかぁ。」


皮肉言うなよなぁ



狩真「さて、今回の事だが。依頼主からお前に伝えるように言われた事を伝えておかないとな。」


終夜「なぁ、依頼主って誰なんだ?」


狩真「・・・言えない。依頼主からそれを言うことを禁じられている。」


終夜「・・・?。それで?どうするんだよ。」



狩真は、ともきの脱獄に必要なものは自分が用意すると言い、俺には計画プランを渡してきた。



狩真「一つ聞きたい。お前は何故この件に協力する?」


終夜「・・・友達だから。」


狩真「お前は馬鹿なのか?これは犯罪だ。もちろんこの俺が計画に参加する以上捕まる心配なんてない。俺もお前もだ。しかしだ、この行動にお前に利益はあるのか?」


終夜「利益って・・・。俺は打算的に生きてるわけじゃない。それに、罪を償おうとしてる奴がいるなら手伝いたいしな。」



違う・・・。

俺は、羨ましいだけだ。

ともきが罪を拭えることを

ともきが罪を償えることを

俺にはできない事をしようとしてるあいつに俺は嫉妬してる?

馬鹿な・・・笑えねぇ話だ。



狩真「罪を償う・・・ねぇ。やっぱりわからないな。」


終夜「はぁ!?なんでだよ、罪を償おうとしてるんだぞ!!いいことじゃねぇか!?」


狩真「そもそもそこが間違ってるんだよ。罪を償うって、それは自己満足だ。」


終夜「・・な。」


狩真「どんな方法で罪を償おうとしても、犯した結果を無くせるわけがない。」


終夜「分かってるよ!!けどな、それでも悪いと思う気持ちがあり償おうすることのどこが間違ってるんだよ!?」


狩真「偽善に浸り、自分が犯した罪から許されようとする。そして人間は、安楽のぬるま湯に浸かりたいんだ。そんな気持ちが根底にあるのに罪が拭えるか!!」


終夜「・・・それは、お前の主観だろ!!」


狩真「・・・。いゃ、罪の償い方は、人それぞれだがどんな方法で罪を償おうとしても一生罪は消えない。」


終夜「なにを・・、」



狩真省吾の目が俺を後ずさりさせた。



狩真「それが、罪だ!!!!!」



痛い

心が痛い。

確かにこいつの言ってることは当たっている

人間が何故罪を償おうとするのか。

それは、悪く思う気持ちがあるからなのは狩真も分かっている

だが、こいつはその気持ちの奥にまで目を向けていた

それは、俺が麗にしたことを許して欲しいと願う気づかない心にズキッと傷んだんだと思う

・・・いゃ、気づかない振りをしていたのかもしれねぇなぁ。

最低だ・・・本当に最低だ・・・俺は












ブーーーーブーーーー


あれから家に帰ってベッドに入ったときに携帯がなった



終夜「・・・はい。」


雄大「よぉ!!久しぶり。」


終夜「・・雄大。お前の声懐かしい。」


雄大「俺もだよ。」



こんななんでもない会話が俺の心を癒す



雄大「実はさ、友人の結婚式に呼ばれたんだけど、俺はこんなの始めてでさ。よかったら終夜もこないか?」


終夜「結婚式・・・」



最近は売れてるなぁ

自由を失くす地獄行きの切符が・・・



終夜「いや、ごめん。最近忙しいからいけそうにない。」


雄大「そっかぁ。それなら仕方ないな。まぁ、また連絡するよ。それじゃ。」


終夜「あぁ。」



正確には俺も東京に行く

しかし、それはともきが脱獄に成功してこそだ。

狩真が予定した日まであと三日か・・














ー京園寺本家ー



真城「御用でしょうか?」



敷地面積東京ドーム三個分の大きさを持つ京園寺財閥の本家

真城の目の前にいる男は、ワイングラスを片手に、渋みがあり力強い味わいのワイン、シャトー・ラトゥールを注いでいた



?「んー、実に美味い。真城よ、我が弟でお前の親友は今頃どこにいる?」


真城「はい。陸様は、あれから休学され海外に出られてるかと・・・。」


?「そぅか。それで、あいつを負かしたのは確か~~。」


真城「はい。夜羽終夜です。」


?「ただの学生だろう?我が弟が負けるとはいささか納得ができんな。」


?「そんな事ありませんわ、お兄様。」


?「星蘭・・。帰ってたのか。」



奥の扉を開けて入ってきたのは、京園寺財閥の長女である京園寺星蘭せら様。

ゴスロリの服を着て髪は金髪、真っ赤な口紅をつけている。



星蘭「夜羽終夜という男は、あの田辺雄大の親友ですわ。」


?「ほぅ。」


星蘭「それだけではありませんわ。真城。」


真城「はい。少し前の名花女学院の事件も彼が関わっていますし、幻霊灯一座のマジックショーの事件でも彼が関わっています。もちろん田辺雄大もです。」


?「ふむ、分かった。お前たちは下がれ。」


星蘭「失礼しますわ。お兄様。」


真城「失礼します。」



男は、ワイングラスをおき窓のそばのカーテンを見た



?「どう思う?ルシファー。」



カーテンの裏から現れたのは、全身黒服でフードを被った白髪の男だった。



ルシファー「・・・さぁな。」


?「田辺雄大は、かつてパンドラを潰した男だ。その男のそばで事件時にいる奴が我が弟を敗北させた男だ。」


ルシファー「・・・俺は、仕事でテメェの護衛をしてるだけだ。他意はねぇし、あんたの命令も聞かねぇよ。」


?「・・・ふふふ、頑固だな。グレゴリウスの奴が私に貴様を貸してきたときは喜んだものだが。所詮犬は犬か。」



ガチャ



?「これは、なんの真似かな?」



ルシファーは、男の頭に拳銃を突きつけていた。男はワイングラスを持ちながら横目でルシファーを見る



ルシファー「いぃか。俺がその気になればテメェの命なんざ簡単に消えるんだ。グレゴリウスの奴がなにを言ったかしらねぇが俺の未来は俺のものだ!!」


?「ふふふ、肝に命じておくよ。」



そう言うと、ルシファーは拳銃を下ろした



?「ルシファー、君は私に仕えないか?」


ルシファー「あぁ?」


?「君という存在が欲しいんだよ。君のような何人にも縛られない自由な男がね。」


ルシファー「ケッ、言ってろ。それからなぁ・・・」


?「・・・?」



ガッシャーーーーーーーン


窓ガラスが割れるとすぐに人が入ってきた



ルシファー「侵入者だ。俺のそばから離れんなよ。」


アフロディーテ「あっはぁ!!京園寺大空、みぃ〜つけたぁ!?」



アフロディーテの侵入と共に数人の部下が入ってくる



大空「私を狙うもの。パンドラだな。」


アフロディーテ「大正解!!」


ルシファー「チッ、下品な女だ。」


数はあの女を含めて八人か。

さて、どうすっかなぁ。



アフロディーテ「そこのイケメン君!?どいてくれないかなぁ?」


ルシファー「ぁあ?俺に言ってんのか?」


アフロディーテ「あんたしかいないじゃなぁい!?」


ルシファー「何故こいつの命を狙う?」


アフロディーテ「命・・・?違ぁうわ。あたし達は、カギを探してるのよ。それを持ってるかもしれないから聞いてんのよ。」


ルシファー「カギだと?」


アフロディーテ「ぇえ。人類を新人類にするわけのわからないものよぉ。地獄の黙示録はそれを使って世界を支配することも可能な代物らしいわねぇ。」



こいつ、よく知ってやがる。

しかし、それがなにかまではつかんでねぇみてぇだな



ルシファー「さ~て、んなものあるのかね!!」



ルシファーは、言葉を言うと同時にものを投げた



アフロディーテ「爆弾!?」


ルシファー「チッ、目つぶれ!!」



ルシファーは、大空の頭を床に押さえつけた



パーーーーーーーー



アフロディーテ「ちくしょう!!目くらましか!?」



ドサドサドサドサドサドサドサ



アフロディーテ「!?なんだ?何が起こっている!?くそぉ!!みぇねぁーーーぞ!!」



ルシファー「ふぅ。」


アフロディーテ「ようやく、目が慣れて・・!?」



アフロディーテの部下七名が全員倒れたいた



アフロディーテ「貴様!?」


ルシファー「大空は、外にだした。いても邪魔だしなぁ。」



アフロディーテは、よろける身体でルシファーを見た



ルシファー「さぁ、テメェに地獄旅行をプレゼントだぁ。もっとも、帰ってこれるかはしんねぇがなぁ。」



ルシファーは、アフロディーテに拳銃を突きつけた



アフロディーテ「ちくしょーーがぁ!?」


?「まったくよぉ、アフロディーテ。なんでこの俺がわざわざ来なくちゃなんねぇんだ?」


アフロディーテ「プロメテウス!?なんできたのよぉーーーー!?」


プロメテウス「はっはー?ケルベロスに頼まれてなぁ。お前がきちんとおつかいできないかもってよ。」


アフロディーテ「あのガキ!!!殺す!!」



ルシファー「・・・貴様、生きて・・。」


プロメテウス「久しぶりだなぁ。クソガキ!?そして、お前に紹介したい奴がいるんだ。入って来い。」



割れた窓から入ってきたのは、ルシファーがまだ人の名をしていた頃愛した人だった



ルシファー「・・・アリス!?」


アリス「・・・白光輪廻。」












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ