〜30章〜 再会
建立大学に、久しぶりに終夜が登校してきた
クラスのみんなとはあまりしゃべらない終夜だが、麗の一件以降クラスの人というより人を避けるようになっていた
そんな終夜がよく訪れるのが屋上だった。
終夜「・・・」
三四に慰めてもらったが、それは逃げでしかないと自分の中の自分が自分を責める
真城「やぁ、お久しぶりですね。」
終夜「・・・お前。」
猫目の学内でも執事服の変わったこの男は真城出流。京園寺財閥に従う執事だ。
終夜「・・・なにか用か?」
真城「いぇ、貴方のその顔。似てるんですよ。貴方との戦いで敗北した後の京園寺様にね。」
終夜「・・・あいつ元気にしてるのか?」
どうして俺はこんなくだらない質問をしてるんだ?
真城「元気は元気ですよ。まぁ、精神的に病んでしまって今は音信不通です。」
終夜「なにかあったのか?」
真城は、両手を後ろに組み少し険しい顔をし話を続けた
真城「えぇ、あの後敗北した事をクライアントが許さなかったのです。そこで少しトラブルが起こりましてね。」
終夜「ふーん。」
今の俺にはどうでもいい。
真城「なにやら落ち込んでいるのか悩んでいるのか・・・。」
終夜「お前には、関係ないよ。」
真城「そうですか。」
そう言うと、真城は屋上の扉に手をかけ出て行こうとした時だった
手は、ドアノブを持ったまま首だけ振り向いた
真城「あぁ、そうでした。貴方にメッセージを頼まれていたんでした。」
終夜「・・・俺に?誰からだよ。」
真城「成川ともきさんからなんですが、覚えていらっしゃいますか?」
終夜「・・当たり前だろ。」
久々に聞いた名前で少し驚いた
真城「えぇ、なら良かった。実は彼からあなたに会いたいと伝言がありました。」
終夜「俺に?」
真城「今日にでも行ってあげて下さい。彼、急いでるようでしたから。」
俺は、その言葉どおり講義が終わり次第すぐに大阪府警に向かった
ともきは、今はこの中なんだよな。
終夜「頼むよ。」
渡辺「仕方ねぇなぁ。」
そう言ってともきに会わせてもらった
渡辺は、融通がきくところがいい。
終夜「・・・久しぶり。」
ともき「・・来て、くれたんだな。」
終夜「当たり前だろ。」
ともき「じゃあ少しの間二人にして下さい。」
渡辺「・・まったく、仕方がないなぁ。」
渡辺と、もう1人の警官が出て行ってようやくともきは話だした
ともき「俺を脱獄させてほしい。」