〜28章〜 終了
曇り空の下に喪服の人が集まって悲しみの表情をしている。
乱戦祭から数日がたっていた
彩乃「ねぇ、終夜くんは?」
三四「わからない、家にも帰ってないみたいで。一応今日が麗さんのお葬式だってメールでは伝えたんだけど。」
そう言うと、三四はお手洗いに行ってくると彩乃に伝えてその場を離れた
その足で、三四は近くの林の中に誰にも見られないように入って行った
三四「いるんでしょう?でてきなさいよ、ケルベロス。」
その声と同時に林の奥から丁寧な足取りで執事服を着た男がゆっくりと現れた
ケルベロス「クイーン。どうなさいましたか?」
三四「どうしたじゃないわ。ケルベロス、どういう事なの?麗が死ぬなんて。」
ケルベロス「クククッ、あの頭上に吊るしたものは最初からただの粉です。あのゲームでは、私には殺す気などありませんでしたよ。」
三四「じゃあなぜ?なんで、終夜を試すような真似をしたの!!」
ケルベロス「ふふ、言えません。」
三四は、頭をかきながら苛立ちを抑えるように言った
三四「じゃあ、私に渡したあの薬品。あれは、プロメテウスから渡されたものだけどプロメテウスに聞いたらケルベロスが私に渡せと言っていたと・・・真実かしら?」
ケルベロス「えぇ、事実です。」
三四「つまりこういう事かしら。麗を最初から終夜自身の手で殺させる事が目的だったと。私達をだましてでも。」
ケルベロス「素晴らしい。満点正解です。」
三四は、ケルベロスを睨みつけた
それは、ケルベロスに恐怖すら感じていたからだ。クイーンという立場にはいるが、今回の麗誘拐はケルベロスの独断であり、三四の知らないことだった。自分の行動をキマイラの側近にわざとリークし、キマイラがクイーンに伝えることを見越した。そして、計画外な事を嫌うクイーンは麗を助けようとし、プロメテウスにエンジェル・ダストの解毒剤を求め、それを終夜に渡した。
はずだった・・・
しかし、それすらもケルベロスの思惑通りだった。あらかじめ、クイーンが解毒剤を要求してきたなら、完成間近のブラック・ゴッドを渡せとプロメテウスに言っておいた。勝手な行動をした自分をクイーンは許さない。そこから、全てを読み自らの計画の駒とする。
三四「貴方は、なにがしたいの・・?」
ケルベロス「・・・。」
ー数日前ー
ー東京ー
雄大「くっ。」
もう無理だ、これ以上駒を進めれば取られる!?
ちくしょう・・・
キマイラ「ゲーム終了。」
雄大「は?」
キマイラ「我々の目的は達成されました。これ以上、貴方とチェスをする理由がないので。」
雄大は、立ち上がり叫んだ
雄大「どういうことだよ!!みんなは?無事なのか!!」
キマイラ「えぇ、建立大学が優勝するでしょう。では、失礼。」
そう言うと、キマイラは去って行った
雄大「・・・なんなんだ。」
西「あいつら目的をもう果たしたんや。だから、さっさと退散したんやと思うで。」
雄大「西、その喋り方・・・。いゃ、そんな事よりなんなんだお前は!!お前が仕組んだ事なのか!!俺を屋上に呼んで!!」
西は、ポケットに両手をつっこみながら屋上から下界を見下ろしながら話を続けた
西「そうや、いつまでもクロノスに独房におられるんは、俺等としてもおもろぉないねん。」
雄大「!?何を言ってるんだ?」
西「今回のパンドラの目的は、独房におるクロノスもといゼロの救出や。そのために、乱戦祭なんちゅう大きなイベントに目ぇつけたんや。警察をクロノスからできるだけ引き剥がす。それが、今回の連中の目的やわ。ま、思惑通りになったみたいやけどな。」
雄大「じゃあなぜ俺を屋上に!!」
西「分からんやっちゃなぁ。あんたは、いくら東京におるゆーてもパンドラを潰した張本人やろうがい。そら、あんたの動きは抑えんのが当たり前やで。」
ま、終夜のほうはケルベロスが抑えてたみたいやけどな
雄大「じゃあ、パンドラは・・・」
西「あぁ、お察しの通りやわ。復活したみたいやで。」
雄大「なんて事だよ。・・それで、お前は?何者だよ。」
そう言うと同時に後ろのドアが開いた
?「こんなとこにいたのか。ルシファーが報告を聞きたがってるぞ。」
西「わかったがな、ほんまにせっかちなやつやな。」
西は、はぁーっとため息を漏らして帰って行った
雄大「ちょっと待てよ!!お前は・・・」
西「地獄の黙示録・・・それがワシのおる組織や。あー、そうそうワシのコードネーム教えとくわ。‘‘サタン’’っていうんや。」
?「サタン、早くしろ。」
サタン「待てや。マモン。」
マモン「たく。」
雄大「・・・」
パンドラの復活
地獄の黙示録
クロノス脱獄
いろんなことが雄大の頭をかきめぐっていた