~3章~ 価値観と殺し
警察・・・
俺は嫌いだ。
検事を目指す親友がいる俺がそんなことを思うのはどうかと思う。だけど所詮は国の犬固定給という餌で操られ、安定という媚薬で飼い慣らされている馬鹿どもだ。
ともき「・・や・・・・終夜!!」
終夜「ん?」
ともき「どした?ぼ~っとして」
終夜「いや、別に。」
先生「ともき~終夜~」
終夜「なんですか?」
先生「警察の方がお前達と話したいそうだ。」
ともき「なんですか?」
?「それは、こちらで話しますよ。」
先生「では私はこれで。」
?「さて、まず君たちは夜羽終夜くんと」
終夜「あんた達の名前が先だ。」
?「これは失礼しました。私は、前原圭吾」
?「連洞氷夜」
前原「さて、君達は昨夜九時ごろ何処で何を?」
終夜「友達と自宅近くの喫茶店にいました。」
ともき「家にいました。」
終夜「なにがあったんですか?」
氷夜「連続殺人事件」
終夜「ん?」
前原「ニュース見てませんか?」
ともき「ほら、ばらばら殺人事件が立て続けに」
終夜「そうなのか?」
ともき「まぁ、この付近の出来事だからね。終夜の地元はここから遠いからな~。」
終夜「殺人か・・・」
ともき「どした?」
終夜「いゃ、なんで人が人を殺そうなんて考えるのかなってさ」
ともき「いろんな理由があるだろうさ。価値観、体裁、プライド、人が大事にしてるものを壊されたからそれが殺人に繋がったんじゃないのか?」
終夜「そんなことで・・・」
ともき「そんなことで人は悪魔にも殺人鬼にもなる。その辛さは他人には永遠に理解はできないだろうな。」
終夜「そうなのか?」
ともき「人は人が思ってるより弱い生き物さ。」
終夜「・・・」
氷夜「君は、人にたいしてかなり偏見があるようだね。」
ともき「そうですか?」
前原「そぅか、二人ともご協力感謝します。」
終夜「どうして俺達のアリバイなんて聞いたんですか?」
氷夜「バッジ。」
前原「被害者の女性が握っていたんだ。この学校のバッジをね。」
終夜「!!」
ともき「!!」
氷夜「それじゃ。」
終夜「まてよ!!そんな情報なんで学生の俺達に教えるんだよ。」
氷夜「君たちには何か強い正義の魂が感じる。だからだよ。」
ともき「そ・そうかな。」
氷夜「ふふっ」
終夜「そのバッジを握っていた人はいつ発見されたんですか?」
前原「つい先程だよ。」
終夜「だったらなおさらおかしいじゃねぇか!!そんな情報まだニュースにもなってないはずだ。それなのに警察が正義の魂?ふざけんな!!なに隠してやがる。」
前原「っ・・・それは」
氷夜「はぁ~仕方ない。」
前原「氷夜さん?」
氷夜「被疑者に浮上したのは今日購買にバッジの紛失届を出した学生。三人いる。そぅ、君だよともきくん。」
ともき「なっ・・・」
氷夜「胸につけていないところを見るとこれが物的証拠にでもなるかな?」
ともき「ふん、俺のバッジならポケットに入ってるぜ。ほら。」
終夜「ほんとだ。」
氷夜「じゃあなぜ紛失届を?」
ともき「無くしたと思って紛失届をだしたらポケットに入ってたってだけさ。そんなことで犯人にされたらたまらねぇな。」
氷夜「これは失礼しました。」
前原「容疑者が絞られましたね。」
氷夜「終夜くんといったかな?君の鋭さは大したものだ。では、ご協力感謝します。」
そういって二人の刑事は帰っていった。
前原「残り二人ですね。」
氷夜「いゃ、謎は消化された。」
前原「本当ですか?」
氷夜「あぁ残ったうちの二人、その二人に刑事を二人ほどつけといてくれ。」
前原「それじゃあ」
氷夜「あぁそのどちらかが尻尾を出せば逮捕だ。」
前原「はい!!」