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〜27章〜 心 君へ

司会「建立大学優勝ーーーーー!!!!」




司会のそんな声が響く中、俺は麗のいる空きビルに向かっていた。





先に結果だけ記そうかーーー

その一連の結末は、最悪を迎えた。








クイーンと話した時の俺は、落ち着いていなかった。


クイーン「貴方が見た頭上に吊るされてたものはエンジェル・ダストという代物よ。我々組織が開発した史上最悪の殺人化学兵器。」


終夜「化学兵器?」


クイーン「えぇ、そしてこれを渡すわ。」


そういうとクイーンは注射器を一つ渡してきた。


終夜「中身は?」


クイーン「エンジェル・ダストのワクチン。」


終夜「はぁ?なんでだよ!!てめぇらは、パンドラだろうがよ!!何故それを俺に渡すんだ!!」


クイーン「今回の事はケルベロスが勝手にしでかした事なのよ。我々の計画外の事をされたのよ。我々は、計画外の事はしないの。」


終夜「それにしたって、都合がよすぎるだろうが!!一体なにが目的だ?」


クイーン「親切が不満かしら?私達はあなたの思ってるほど快楽殺人者みたいな人間ばかりじゃないのよ。無駄な血は流したくないのよ。」



そういうとクイーンはすっと立ち上がった。


クイーン「お願い・・信じて。」




俺はそれを持って走り出した

外にはあの子はいなかった。

この時の俺はそれを気にもとめてなかった

頭の中には、麗のこと以外考えてなかった。

そうだよ、京園寺の時だって助ける事ができたんだ!!俺ならできる。やってみせる。

あいつを失うなんて嫌だ

毒舌でもなんでもいい

もう一度、あいつと笑って一緒にーーー



終夜「ハァハァ」


走り出して、しばらくしてからラジオで建立大学の優勝が聞こえてきた。

自分の大学が優勝したってのに嬉しくないなんてのは俺ぐらいだろうか。



終夜「ハァハァハァハァ、つ・・いたぞ。」



心臓がうるさい。無理に走り過ぎたか?

関係あるかってんだ。

助けるんだ!!麗を!!



終夜「麗!!」


見ると麗は鎖で手をつないだままぐったりとしていた。


終夜「待ってろ!!今助けてやる。」


俺は、鎖を用意していた斧で引きちぎると急いで麗に注射をしてやった。


麗「な・・にそ・れ?」


終夜「解毒剤みたいなもんだよ。とにかく、早く打つよ。」


麗「あんた・・には、・・・また・借りが出来たわね・・、返しきれないじゃない。」


終夜「そんなの、お前がまた元気に顔見せて俺に毒吐くのでかえせるよ。」


麗は、苦しそうに笑いながら喋った


麗「なに・・・それ?・ふふ、終夜って絶対にマゾ・・ハァ・・でしょ?」


終夜「うるせーよ。それより、苦しいのか?」


麗「ううん、大分ましだよ。」


終夜「そっか、良かった。本当に良かった。」


麗「あた・・しがい・・・ないと嫌?」


終夜「当たり前だ!!」


麗「嬉・・しい。あたしね、最初に終夜を・・・見た時・・、から、・・・す・・」


終夜「?」


麗「がぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉ!!」



!?


終夜「麗!?おい、麗!!」



カツンカツン


後ろから、靴音が響いた



ケルベロス「クククッ、無事なわけがないでしょう?我々の作り出した最高傑作に犯されてるんですから。」


終夜「きさまぁーーーーーーーーぁあーー!!!!!麗になにしやがったぁーー!!」



ケルベロス「別になにも?」


終夜「ふざけんなよ!!この空気中に今も飛んでる霧みたいなのはなんなんだ!!これがエンジェル・ダストだろうが!!知ってんだぞ!!」


やはり、解毒剤は間に合わなかったのか

ちくしょうーーー



ケルベロス「はい?これは、ただの粉ですよ。以前アレスのバカが使用した子供騙しですよ。」



終夜「なにいってやがる!!現に麗は、こんなに苦しそうにしてるじゃねぇか!!」


ケルベロス「あなた・・・おバカさんだったんですね。」


終夜「はぁーーーーーーーー!?」


俺は、ケルベロスの胸ぐらをつかんで顔を殴った


ケルベロス「ふふ、暴力ですか。」


終夜「てめぇが、麗を!!」


ケルベロス「クククッ、本当に分からない方だな。これが、エンジェル・ダストなら私はこんなところに足を運びませんよ。だって、私まで感染するでしょう?無論あなたも。」



!!じゃあなんでーーーー



終夜「!!まさ・・か?」


ケルベロス「お気づきになられましたか?貴方はご自分の手で雨宮麗さんに注射したではありませんか!!」


終夜「じゃあ、・・・これがエンジェル・ダストだっていうのか!?」



ケルベロス「クククッ、違いますよ。それは我々が研究を重ねて出来たエンジェル・ダストを上回る最低最悪化学兵器‘‘ブラック・ゴッド’’!!!」


終夜「ブラック・ゴッド・・・。」



名前なんてなんでもいいんだ・・。

騙された

信じてしまった

得体のしれない連中の事を

馬鹿だ・・・本当に馬鹿だ。



終夜「・・・教えてくれ。」


ケルベロス「はい?なにをですか。」


終夜「麗を助ける方法だ・・・。頼む。」


ケルベロスは即答した



ケルベロス「無理ですね。エンジェル・ダストの時もそうでしたが、ワクチンは存在しません。」



終夜「じゃあ、・・。麗は?」


ケルベロス「助かりませんね。」


終夜「・・・」


俺が自らの手で・・・やっちまった


麗「終・・・夜?」



振り返ると、麗は青ざめながらこっちを見ていた。

ブラック・ゴッドがどんな代物かは知らないがこれを見るだけ・・・



麗「楽し・・・かった。あなたと・・いれた時間・・。もっといたかったけど・・・無理みたい・・・ゴホッゴホッ。」



終夜「もう喋るな!!すぐに医者に連れて行ってやるから・・・」



そう言うと終夜は、麗を抱えようとしたが麗の手がそれを拒んだ



麗「あたしね・・最初に見た時から・・・気になってた・・。あなたのこと、・・ハァ・あたしとおんなじ・・目を・・してた。どこか・・悲しくて・・・暗くて・・それでも優しい目をしてる。」



麗の身体から血が吹きでてくる



麗「そんなあなたに・・・あたしは・・惹かれた。京園寺の時に・・・守ってくれて・・・あり・がとう・・ゴホッ・・ハァハァ。」


終夜「もういい、もういいんだ。そうだ。建立大学が優勝したんだ!!お前が行きたがっていたハワイ!!手に入れたんだよ・・・」


終夜は、必死に涙を堪えた

自分の所為で彼女を死なせてしまう事

そんな自分が彼女の前で涙を流すのはあまりに無責任だと思ったからかもしれない



終夜「だから・・・たが・。ら。俺は・・おれぁぁあぁ、麗・・・・・。」



麗「・・・終夜・、あなたに・・会えて・・・・・よか・・っ・・。」


ドサッ



終夜「・・麗?・・・・おぃ、麗!!」


死なせて?


しまう


なんて・・。



終夜「あぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」































ー大阪府警最下層ー


カツンカツン



靴音がクロノスの独房の前で止まった



クイーン「迎えにきたわ、クロノス。」


クロノス「久しぶりだね。ここまでは順調かい?」


クイーン「えぇ、全てゼロのシナリオ通りよ。みんな、ゼロの帰還を待ってるわ。」


クロノス「しっかし、たかだか体育祭如きで天下の警察のアジトがもぬけのからになるなんてねー。」


クイーン「あのねぇ、これでも五十人ぐらいはいたのよ?」


クロノス「あー、そうなんだ。」


クイーン「ま、全てアフロディーテとアトラスが片付けてくれたわ。」


クロノス「あはは、あの二人が相手なら軍隊でも呼んでこなくちゃだね。」


クイーン「無駄話に花を咲かすのもこれぐらいでいいかしら?」


クロノスは、繋がれていた手錠を自ら外し外にでた

やれやれ、とでも言うような物腰で彼は外にでてきて、再び世界というチェス板で人類にチェックメイトをかけようといていた



クロノス「じゃあ、行こうか?高崎三四さん?」


クイーン「あのねぇ、ちゃんとクイーンって呼びなさいよ。」


クロノス「分かったよ・・。」




クロノスは、外に出ると太陽に向かって伸びをしこういった。



クロノス「ん~、ぁあ。パンドラの箱が開かれる日も近いかな?」





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