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〜25章〜 狂気

ブーーーーーブーーーーー


乱戦祭の会場には、沢山の観客で席がうまっている。

その大勢の中で一人黒いフードを被り電話をとる男がいた。



?「私だ。」


男はガタイが良く、オールバックの髪型で四十過ぎの男。


?「いっひひひ。キマイラの方は苦戦してるみたいですねぇ~ぇ。うーん。」


?「そうか。」


?「ぁ~あ、そぅそぅ。アフロディーテの奴が勝手に暴れたみたいですねぇ。まったく、困ったお人ですぅ。んふふ。貴方も気をつけて下さいねぇ、’’アトラス‘‘。」


アトラス「貴様に言われるまでもない。私は、ゼロの思想をただ世に体現するだけだ。」


?「なぁら、いぃんですよぅ。いやぁねぇ、私も小言を言われるのは飽き飽きしてきましてねぇ。」


アトラス「プロメテウスの奴がまた何か言ってるのか?」


?「いいぇ、‘‘エピメテウス’’からの忠告です。」


アトラス「!!・・・了解した。注意しよう。」


?「理解が早くて助かりますぅ。」


アトラス「貴様も注意することだな。」


?「はてぇ?なんのことですぅ?」


アトラス「我々は、一年前の失敗を二度とすることなど許されないのだから。そのためには、一年前の貴様の勝手な行動も次はないと言っているのだ。’’ハーデス‘‘」


ハーデス「んふふふふぅー。気をつけましょぉう。では、失礼。」












終夜「あっれ~?麗のやつどこいったんだよ。」


たく、自分は俺がどっか行くとぐちぐち言うくせに自分はこれかよ。まったくよー。



ブーーーブーーー


携帯?しかも非通知。


終夜「はい。」


?「お久しぶりです。終夜。」


終夜「はい?ぇーと、どちら様ですか?」


?「貴方をよく知る者ですよ。さて、今頃お探しものをしているのではありませんか?」


終夜「してるよ、ってなんで?てか、あなたは誰ですか?」


?「雨宮麗さんをお探しですよね?私の部下が 誘拐したはずなんですよ。」


終夜「・・はぁ?」


?「はは、貴方の声をお聞きするのも懐かしいですね。覚えていませんか?貴方と雄大によって追い詰められたゼロですよ。」




この会話が、終夜とゼロの一年越しの会話となった。

しかし、アレスの時と同じく終夜は彼を知らない。

彼は、パンドラにたいしての一切を知らないのだ。


終夜「あぁ、らしいね。俺は一年前の記憶が無いんだよ。雄大も気をつかってくれてるんだよ。それで、麗をどうしたんだ!!」


クロノス「・・・そぅですか。貴方との久方ぶりの会話が・・・。貴方はもうどこにもいないのですね。」


終夜「はぁ?んなことより、麗はどこなんだ!!」



この男は、残念そうに言葉を続けた


クロノス「第一会場近くの空きビルに行ってください。行けばすぐにわかりますから。さようなら、夜羽終夜。」



ピッ


クロノスは、上を見ながらどこか悲しげな目をした


クロノス「懐かしいなぁ。もう、一年前なんですね。」








終夜「なんなんだよ。」



けど一つだけ分かった。

これは過去の俺せいで、麗がさらわれたってことか。

一年前にパンドラを俺と雄大が追い詰め、ゼロを捕まえた。・・・らしい。

何故俺が記憶喪失なのか。


俺自身も分からない。

だが、病院のベッドの上で目を覚ました時雄大と三四が泣いていた。

それだけで十分だ。俺が何故ボロボロだったのか。分からなくてもいい。

俺が二人に心配をかけた事がわかった。

そこからは、昔の俺が何故二人と知りあったかなど詳しく教えてくれた。



終夜「麗・・・。」


気がつけば、第一会場近くの空きビルにきていた。

中にはいる事は簡単だった。そして、一番上に上がったとこに麗はいた。


終夜「麗!!」


麗「・・終・・・夜?」


麗は鎖でつながれていて、怪我などは見当たらない。よかった。



終夜「今助けてやる待ってろ!!」


麗「来ないで!!」


終夜「はぁ?なに言ってんだよ。」


?「彼女の言う通りです。よくご覧なさい。」


その声は、柱の後ろから聞こえてきた。


終夜「誰だ!!」


?「ようこそ。地獄の天秤の間へ。」


目の前には執事服を着た黒髪の男がいた。


終夜「誰だって言ってんだよ。」


?「ケルベロスと言います。」


終夜「ケルベロスだと?」


ケルベロス「あの会場以来ですね。お嬢さん。」


麗「貴方は、あの時の。」



そう言うとケルベロスは指を鳴らした


ーーッパチンーーーー


三人しかいないビルにその音はよく響いた

すると、次の瞬間


ビビーーーーーーー!!



ケルベロス「さぁ。賽は投げられました。ゲームスタートです。」


終夜「ゲーム?」


ケルベロス「えぇ、只今より上に仕掛けたものが作動しました。もし私が勝てば麗さんの頭上に吊るしたものが爆発します。」


終夜「爆弾!?」


ケルベロス「さて、ゲーム説明ですが単純明快です。乱戦祭の会場に仕掛けられた爆弾を全て爆発させなかったら貴方の負けとします。それにより、上のあれが爆発します。逆に会場の爆弾が全て爆発すれば、貴方の勝ちとして、上のアレは爆発しません。」



なんの事だ?会場に爆弾だと?

・・ちょっとまて!?

意味が分からない。なんのことだよ。


終夜「なんのことだ!!爆弾って!!」


ケルベロス「やれやれ、知らないのですか。警察も律儀に言いつけを守る公僕なんですね。なら教えましょう。」


俺は、ケルベロスに今起こっていること。雄大の状況。それら全てを聞いた。



終夜「ちょっとまてよ。つまり、俺が勝てば会場は爆発するってことか?」


ケルベロス「えぇ。聞いてなかったんですか?」


終夜「ふざけ・・てんのかよ?そんなの、どっちも罰ゲームじゃねぇか!!」


ケルベロス「貴方はあれですか。世の中全て自分の思い通りに行くと思うくちですか?ンククッ、そんな訳がないでしょう。世界というのは、様々な人間の思想で動いている。貴方だけのものじゃありませんよ?」


終夜「はは」



なんなんだよ、最近の俺は。

なんでこんな目にしかあわねぇんだ。

今日は普通に体育祭で、俺は嫌々参加してそんな俺を麗が怒ってそんなどこにでもある毎日がなんで・・・



終夜「俺に選べと?俺に罪を犯せと?そう言いたいのかテメェは!!!」


ケルベロス「さぁ?それでは、引き続き乱戦祭をお楽しみ下さい。本日の午後三時が乱戦祭終了となります。ご存知ですよね?」



終夜「・・。ケルベロス・・だったな。」


ケルベロス「えぇ。」


終夜は、本気で怒っていた。


終夜「・・・いつか、殺してやる」


ケルベロスはニヤッと笑い



ケルベロス「行ってらっしゃい。」
















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