~2章~ 当たり前の日常
深夜2時半俺はケータイで起こされた。
終夜「・・・はぃ?」
?「フフフ宅配ピザはいらんかね?」
終夜「・・・なんだ三四かよ、・・・なに?」
三四「なにじゃなーーーーーーい!!」
終夜「・・・うるせぇ・・・で、なに?」
深夜2時半俺から安眠を奪ったこの女、こいつの名前は高崎三四18才、高校時代にバイト先で知り合った。こいつには結構世話になってる。
しかし、元気すぎて俺はいつも振り回されている。
まぁやかましい妹みたいな感じかな。ちなみに同い年だ。
三四「助けて」
終夜「・・・っ」
俺は電話を切るとすぐに三四のところへ走った。
場所は近くのコンビニ。なにがあったのか?三四は無事なのか?
心配のなか急いで走った。
終夜「ハァハァっ・・・ついた。」
ガラーピンポンピンポンー
店員「いらっしゃいませ~」
終夜「三四ーーーーーー!!」
三四「百円貸して。」
・・・・・・へ?
終夜「ど、どうぞ」
三四「ん、あんがと。はい、店員さんこれで足りるでしょ?」
店員「はい。ありがとうございましたー」
終夜「・・・」
三四「なに怒ってんだよ?」
終夜「別に」
心配したのになんなんだよ。
三四「でも来てくれて助かっちゃった。」
終夜「あのなぁ?夜中の2時半に人を起こして百円貸してなんて・・・んぐっ」
三四「一緒に食べよ」
にこっと笑い俺の顔にコンビニの袋を押しつける三四。
終夜「はぁ~」
三四「やっぱり海はいいね~」
終夜「夜だから真っ暗だけどな」
あれから二人で近くの海に自転車で移動した。
終夜「・・・ふぅ」
人間関係に疲れたりしたら俺はここに来る。
ただボ~っとしてるだけだけどすごく落ち着く。
ここでなら嘘をつく必要もなければ他人の前で無理に相手に気を使って仮面を被らなくてもいい。
終夜「ま、今日はやかましいのがいるけどな」
三四「なんか言った?」
終夜「いんや」
まぁこいつと一緒でもしんどいってことはない。
むしろ落ち着く。三四「なんか飲む?」
終夜「酒以外ならな」
三四「固いな~相変わらず。だから彼女もできないんだよ。」
終夜「へいへい。」
俺はいちごミルクを袋からとった。
終夜「・・・・・っうまいな。」
三四「ちょっとちょーだい。」
終夜「ほかにもあるだろ?」
三四「いちごミルクが飲みたいの。」
終夜「ん、」
三四「ありがと。」
終夜「・・・・」
三四「ん~おいし。はい、ありがと。」
終夜「ぉう」
俺は再び飲もうとした時だった。
三四「間接キスだね。」
終夜「別に」
内心ドキドキした。
大半の人はそれぐらいって思うかも知れないけど、今まで女の子とまともに付き合ったことがない俺としては動揺しまくりだった。
必死に動揺を隠していたのに三四にはバレバレだった。
三四「声裏返ってるよ」
終夜「そぅか?」
三四「うん」
終夜「・・・・」
三四「・・・・」
気まずいどうしよう。
三四ってたまに女の子らしいんだよな。
今までも結構ドキッとしたことあったし。
あ~~~~~~~この場を切り抜けるうまい方法を男性恋愛マスター、教えてくれ~~~。
三四「ねぇ」
終夜「なに?」
三四「終夜ってキスしたことある?」
終夜「ねーよ」
三四「ふ~ん」
終夜「お前はあるもんな」
三四「ま~ね。ていうかあたしたちの世代でしてない子はほとんどいないよ。」
そぅ。
三四には2人付き合った男がいる。
今はふりーだけど。
この場を借りて三四の特徴をいうと、なんていうか普通に顔はかなり上のクラスだ。
腰まである黒髪をストレートだったりくくってたり、いろいろあるけど男の俺にはこれ以上はわからない。
ま、こんなかんじかね、俺個人の感想は。
三四「キスしよっか。」
終夜「ブハッげほっゲホ」
俺はいちごミルクを口からえらい勢いではいた。
終夜「ハーハっーハーハー」
三四「?どしたの。」
終夜「どしたのじゃねぇーー」
三四は見上げるように俺を見ていた。
↑ちょっとかわいい(笑)。
終夜「お、女の子がんなこと気軽にいうんじゃねーよ。」
三四「ふーん。」
俺の心臓の鼓動が祭り太鼓のように激しく鳴る。
そんな気分で家に帰るって寝た。
終夜「しんど~・・・」
ドタっ
チュンチュン
終夜「・・・・ん~~ねむ」
ちなみに俺の家は18階建ての賃貸マンション。
終夜「さ~て学校行くか。」
俺は学校までは電車でいっている。
終夜「ん、なんだ?」
どうやら電車内で揉めているらしい。
若者「んだとてめぇ、おまぇが足踏んだんだろうが」
老婆「っあ、いえ、その・・」
若者「あ゛~~?」
ガラの悪い男だ。
若者「なに見てんだ?にいちゃんよ~」
終夜「フッ」
若者「なにがおかしいんじゃーーーー」
終夜「弱いものいじめか?自分より力のないものを虐げ周囲に自分の力を示して優越感にでも浸っているのか、貴様のようなクズは」
若者「ふざけんなぁあああああ」
振り上げる拳が俺の顔面をぶっ飛ばす。
ドカッ
終夜「っ~暴力か?」
若者「なにニヤニヤしてんじゃ」
終夜「暴力でしか物事を人に説明できないブタがっ、」
若者「くっ、さっきからてめぇはなんなんだよぉー」
終夜「嫌いなんだよ」
若者「あ?」
終夜「貴様みたいなやつが」
若者「なんだと」
終夜「大丈夫ですか?おばあちゃん。立てますか?」
老婆「ありがとうございます。」
終夜「いえ、」
~駅ー~駅ー
電車のドアが開く。
終夜「お前、いつまでもそんな考えで生きていたら必ず裁きがくだる。」
そぅ俺はその裁きをこいつにはできない。
法律という網のなかにいる限りは・・・
たとえどれ程憎くても。
キーンコーンキーンコーン
授業開始のかねだ。
終夜「チッ朝から嫌なことがあると授業がだるいな。」
ともき「よっ終夜!!」
終夜「ん~」
ともき「どしたよ?なんかしんどそうじゃん」
終夜「まぁ、朝から嫌なことがあるとな。自分の無力さを教えられたからな。」
ともき「なんのこっちゃ。んなことより宿題見せて~」
終夜「またかよ、」
ともき「わるいわるい、忙しくてさ。」
終夜「お前の場合あそびだろ。ほら。」
ともき「サンキュー。」
ガラー
先生「出欠をとるぞー。」
また始まった。
俺の変わらない日常が・・・
俺たちガキが勉強して社会に出たとしても所詮大人の作り上げた流れ社会の駒になるしかない。
そぅ、所詮は完成された社会。
どれだけ足掻こうと・・・・・・無駄か。
~昼休み~
屋上、
終夜「はぁ~~~」
ヴーーーヴーーー
終夜「ん、警察?」
ともき「終夜~」
終夜「ん?」
思えばこの時からかもしれない。
俺の日常が狂っていったのは。