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〜15章〜 新春【怒】



季節は春


鳥達がさえずり、新たなる人生の幕開けを朝日とともに俺に知らせる。



終夜「ん~あぁー~~。」


全身を伸ばし、今日から始まる希望に満ちた二年目の大学生活。


そぅ、時は巡り・・・春である。


終夜「行って来ます。」


静かな我が家、返事はない。


ついこの間のことになるが、俺は一人になった。

あの冬、幻霊灯一座の事件の後の我が家の出来事はいずれ語るかもしれない。


最近のことを話すと雄大は無事志望校に合格し、東京に旅立って行った。

自らの志望校東京大学に受かったのだ。

これからは、今までのようには会えない。

けど、あいつは夢に向かって確実にすすんでいるのだ。


キーンコーンカーンコーン


終夜「・・・ふぅ」


あの事件後懸命なリハビリのかいあってか俺はすぐに退院できた。


今でも白川さんとは連絡をとりあっている。


終夜「自販でジュースでも買うか。」


ガコン プシュ


終夜「ん・・ん・」


?「どいてどいてどいてーーーーー!!」


終夜「ん?」


ドーーーーーーーーーーーーン


向こうから急いで走ってきたであろう女の子は俺にぶつかると尻もちをついていた


とうの俺はというと


終夜「いてて、ゴメン大丈夫?」


ぶつかった表紙にジュースをズボンにこぼしビチャビチャ


?「あんた邪魔よ!!あたしが来たら道を譲りなさいよ!!このノロマ!!」


終夜「・・・」


はぁ~~~~~~~~~~~~~?

頭湧いてんのかこのクソアマ

ぶつかってきたのはそっちじゃねぇか、しかもノロマだぁ?


?「ちょっと、聞いてんの?頭悪そうな顔しちゃってさ」


ブチッ


終夜「あの、ぶつかったのは君の方じゃないか。だから、君にも非はあるんじゃないかな」


俺大人ーーー優男だぜ。ふっふっふ

まぁ、これを聞いてこのあほも謝るだろう。


?「は?あんたが悪い」


理屈度外視だ~~~~~あー~~~


?「あやまんなさいよ」


終夜「く、くく、ごめんなさい。」


?「許さない、消えろゴミ」












・・・イライラする

めちゃくちゃイライラする。

なんだろう、イライラする。


終夜「ふぅー落ち着け俺」


そうだよ、こっちがね大人になれば・・・


先生「はい、席つけ。えー、入ってきなさい」


?「今年度から皆さんと一緒に授業を受けさせていただくことになりました。雨宮麗です。よろしくお願いしますね。(ニコッ)」


ズキューーーン


終夜(あ、クラスの男子落ちた。)


てか、あの女さっきのやつじゃねぇか

キャラ違いすぎるだろ


にしても、まぁ顔はかなり美人だよな。

三四が、可愛い系ならあの子は綺麗系?


麗「すみません。横、失礼しますわね。」


終夜「キャラ違いすぎるだろあんた」


麗「(ボソッ)喋るな、ブス」


終夜「・・・はぃ」


もー知らん。


ー休み時間ー


生徒「ねぇ、雨宮さんって何処からきたの?」


生徒「食べ物何が好き?」


生徒「てか、彼氏いるの?」


生徒「好きな男のタイプは?」


麗「え~、そんなにたくさん聞かれても分かりませんわ~(照)」


生徒一同「く~~~可愛いーーーーー」


終夜「・・・ケッ」


アホらしい。屋上でも行くか



ヒューーーーー


終夜「気持ちいい」


やっぱり、ここは落ち着く。

・・・雄大、元気かな。



麗「あんた、こんなトコにいたんだ。」


終夜「なんすかねぇ」


何故に俺敬語?


麗「あー、クラスの男子ウザいわ」


終夜「本当に、二面性だな。」


麗「いけない?あんただってどうせ仮面をかぶってるんでしょ」


終夜「・・仮面をつけたまま人間関係を過ごすのって間違ってるよな」


麗「あんたってやっぱり馬鹿ね。」


終夜「な?」


麗「人間関係ってのは仮面を被りあってできるものでしょ。あんたが言ってるのは正論だけど」


終夜「だろ?」


麗「それと同時に理想論よ。」


終夜「あ・・・」


麗「あんたって世間ずれしてないお子様ね」


終夜「・・お前、人間の事良く見てるな」


麗「自分だけが闇を抱えて生きてると思った?違うわ。みんな闇の中で生きてるのよ」


終夜「なんで、そんなこと俺に」


麗「自分は不幸ってツラしてるのがムカついたから」


終夜「・・・なんか、ありがとう」


麗「はぁ?」


終夜「いゃ、お前のおかげで自分が嫌いな人間になるところだったよ。」


麗「ふーん」


スタスタ


麗「な、なにょ。近づくなよ気持ち悪い。」


終夜「ありがーっうわ」


ズデーーーーーン


うっ、派手に転んでしまった。

カッコつけて謝ろうとしてこけるとは

我ながら情けない


ムニッ


ん?なんだ?この手にあたる柔らかいものは


モミュモミュ


???わかんね

とりあえずどくか


終夜「悪いな、こけて。その上お前にのしかかってしまって。」


麗「あああああ、あんた。」


終夜「なに茹でダコみたいになってんだ?」


麗「手・・・」


終夜「手?・・・あ」


俺の手はなんと麗の胸にあたっていた


これは・・・客観的に見ると女の子を押し倒して胸を揉んでる変態鬼畜外道野郎なのでは


麗「いつまで・・触ってんだこのクソエロ野郎ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


バッチーン


終夜「イデー」


麗「この・・この・・殺す!!」


半泣きになりながら顔面を真っ赤にして暴れる麗


終夜「ちょ!!ゴメン悪かったよ。何も泣くことないだろ。こっちだって好きで触ったわけじゃねぇし」


プチ


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


終夜「な、なんだよ」


麗はそこに落ちていた鉄パイプを拾い


麗「殺す(ニコッ)」


ズガーン


終夜「まてまてまてまてまて!!マジでしんじゃうからやめてーー」


麗「うるさい!!ひ・・人の胸触っておいてぜーったい許さない!!」


終夜「ふぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」




こうして、俺の春は最悪のスタートをきったのだった。


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