〜14章〜 善と悪
俺は、いったい。
ここは? 何処だ?
終夜「ん?本当に何処なんだ?ここは」
俺の眼前には、なにもない。
ただの、漆黒の世界。
終夜「はぁー、なんなんだ。ここは。」
自分が歩いても、果たして前に進んでいるのかすら怪しいくらいに暗い。
?「久しぶりだな」
終夜「へ?」
?「覚えてないのか、無理もない。」
その女の子はセーラー服を着ていて、黒く長い日本美人という言葉が似合いすぎるくらいの綺麗な女の子だ。
?「私は、お前を知っている。」
終夜「俺を?知っている?」
しかし、言葉づかいは男みたいで、目つきも鋭くちょっと怖い。
終夜「君は、なんなんだ?」
?「なんだと思う?」
終夜「質問を質問で返さないでくれ。」
?「なぁ、夜羽終夜。お前にとって人とはなんだ?」
終夜「哲学を語るつもりはない。」
?「まぁ、聞けよ。人の正しい、間違い、これはなにをもって決める?誰が決めた?この世に神はいない。そぅ、人が勝手に決めた。」
終夜「・・・」
?「それが正しいとなぜ言える?いぃや、言えない。大衆というその他大勢の過半数程度の賛成の下で善悪の基準を決めている。」
終夜「なにが言いたい?」
?「人の世には、絶対の正しさなんてものはない。己が各自で創り出された勝手なものだ。」
終夜「君は、人に対してかなり偏見を持ってるな」
?「わたしは、昔裏切られたからな。」
終夜「そぅ・・・」
?「私を、一人の女として見てくれた男もわたしを捨てた。結局、彼にとってわたしはーーーー」
ブワーーーーーーーーーー
終夜「うわっ」
強い風が吹き彼女の言葉をかき消すかのように流れる。
そして、それと同時に黒く鮮やかな髪が空をなびく。
終夜「君はーーーーーー」
終夜「はっ!!」
ここは?ベッド・・・あ、病院か。
なんで俺は、こんなとこに?
医者「目が覚めたみたいだね。」
終夜「あなたは?・・いっつつ」
医者「そのままでいいよ。まだ身体は動かさない方がいい。」
終夜「ふぅ。あなたは?」
医者「私は、死山。君をみたのはわたしだ。」
終夜「そいつは、ありがとうございました。」
死山「礼には、及ばない。それが仕事だしね」
ガチャ ドサッ
三四「し・・ゃ」
終夜「よ、よぅ」
三四「目が覚めたんだ、あーよかった。たく、心配させて全く」
そう言って三四は俺に背をむけた
たく、素直じゃねぇな
終夜「三四。悪りぃ、心配かけた。」
三四「バカーーーーうわ~~~~ん。しゅ~~~や~~~」
終夜「ただいま」
三四「もぅ、おかえり」