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博麗神社の神主さま  作者: 不知火 駿
第一章 
17/19

第16話 大人の夜ですか?

とてもとてもお久しぶりです。

やっとこさ投稿します………。


今回はちょっとだけ書き方というものを変えてみました。

行間を前よりは狭めてみたり、試行錯誤中です。


これまでのあらすじ


『誕生パーティを開くことになった』


終わり。




「あまりにも簡潔すぎやしませんか!!?」

「えー、だって説明めんどくさいんだもん」

「ここはしっかりしなきゃダメです!どれだけ時間たってると思ってるんですか」

「ストップ巴、そこからはタブーだぜ。主にメタ的な意味で」

「おっと、これは失敬しました。とにかく、きっちりあらすじを完成させましょう!」

「そうだな・・・・・・・・・よし、じゃあこの私、鳥越真澄の本気を見せてやるぜ!」




突如として東方の世界にやってきた真澄!

ひょんなことから博麗神社の巫女、知世と同棲生活が始まる!

新たな仲間、巴を引き連れて彼を待ち受けるのは『バースデーパーティ』という時代錯誤もはなはだしいものだった!?

次回、マスンゲリオン「知世(ししゃ)襲来」

この次も、サービス、サービスゥ!



「・・・・・・・・・・・・・・これはどうしてやればいいか迷いますね」

「うん分かってるボケに対して最もツライ仕打ちは同情だということも兼ね備えて分かってるだからその蔑む目はガチで止めてください」

「じゃあ最初からやらないで下さい」

「マジすいませんでした」




現在俺と巴がいるのは居間で、知世が一人で台所にて料理を作ってる。

ついさっきまで巴が誕生日パーティというものについて説明してたみたいなんだが、それをアイツが正しく理解したかどうかはいまだ不明。

まず誕生日を知らないやつにそれを祝うということを教えても分かるのかなぁ・・・・・・・・・

ま、特に変なことをする様子でもなかったからそこらへんは安心か。



することもないのでだんだん外がオレンジ色に染まっていく風景を眺めていると、


「出来たわよ~」


知世の威勢のいい声が聞こえた。









「いつもより多いな・・・・・・・・・」

「その上美味しそうです・・・・・・・・・」

「そりゃこの私が腕によりをかけて作ったんだもの!食材もケチのつけようがないものを使ってるし、欠点なんてないわ!」



運ばれてきた食べ物は当然ながら和食だが、これまで食べてきた夕食の中で最も量があって、見た目も豪華だった。

「おぉ、ちゃんと米まである!」

「こういう晴れの日くらいじゃないと、そうそうありつけないわよ~」

「とにかく早く食べたいです!」


一際存在感を放つのは、こんがり焼けた一尾の鯛。

「どうやってこんな短時間で食材揃えたんだ?もっと大きな町があるなら別だけど、下の里に米ならまだしもこんな大きな鯛なんて出回らないだろうし」

「それは、企業秘密ってことで。・・・・・・・・・・・・・・・ホントはあの馬鹿天狗に貸しを作るのはイヤだったんだけど真澄のためなら仕方ないか」

「ん、なんだって?」

「なんでもないわ。それより早くいただきましょう。せっかくの料理が冷めたらもったいないし」

「そうですね、じゃあ真澄さん!」


「「誕生日おめでとう(ございます)!!」」


「あ、ありがと」


流れでこうなってしまったが、結構突然のことなので今更ながらやっと自分が誕生日だということが自覚してきた。

なんだか照れくさくなり、がつがつと食事に没頭する。

その味は見た目に劣らぬよいものであったとだけ言っておこう。

やっぱり知世の作る料理が美味しくないわけないのだ。











「すぅ・・・・・・・・・すぅ・・・・・・・・・」

「知世、食器は全部洗ったぞ。って、巴は寝ちゃったか」

「えぇ。もうぐっすりよ。私の膝枕が気持ちいのかしらねー」

巴の頭をひざに乗せて、縁側に座って月を眺めていた知世の隣に座る。

「ほら、大人二人の月見酒と洒落込みましょうやっ!」

「あらあら、用意がいいわね~!」


準備してきた酒と碗を隣において、俺は巴の顔を覗き込む。

「よっぽど他の人を祝うことが楽しかったんだろうなぁ、自分の誕生日じゃないのにあんなにはしゃいでて」

「あら、多分だけど、祝うのがあなただったからあそこまでやったんだと思うわよ」

「そうなのかな?」

「そうよ。でないと―――」




「ますみさぁん・・・・・・ぁぅ、たんじょうびぃ・・・・・・・・・」




「こうやって寝言でまで言うことはないでしょう?」

「ああ、そうだな」


この一反木綿は小さな体でここまで人に親身になれるのか。

感謝しなきゃな、いろいろと。








「それにしても、一体どうして急にパーティやるなんて言い始めたんだ?」

すると、知世はそれまでとは打って変わって表情が曇り、少し考えるそぶりを見せて、重々しく口を開いた。



「私ね、生まれてから今まで、人と関わり合ったことなんてほとんどないわ」


続ける。

「もう分かってると思うけど、うちの神社に人は来ない。周りを妖怪たちが覆っててとてもじゃないけど普通の人間が来れるような立地状況ではない。

 まぁ境内に入ってこれないように結界はしてるんだけど」

「ああ」

「それでもここを”博麗神社”として私が巫女を勤めているのは、ここが人からの信仰を目的としているわけじゃないから」

「・・・・・・・どういうことだ?」


「そうね、有り体に言えば、ここは”妖怪のための神社”というところかしら」


「妖怪のため・・・・・・?」

「この神社の周りにいる妖怪はほとんど低俗で意思も何もなさそうなんだけど、玄みたいに妖怪の中にはきちんとした自我を持ったやつらもいるわけ。

 何かに縋る気持ちを持って、日々すごしてるようなやつらもね。

 言わばここは妖怪たちの憩いの場として建立されたのよ」

まだ出来て十数年しか経ってないんだけどね、と語る。

「私が物心付いたときには親はいなくて、ある妖怪から『あなたは初代博麗神社の巫女なのよ』って言われ続けて育てられた。もちろん人に会うことも無くてね。

 でも、たまに他の妖怪の友達が遊びに来てくれたり、里から食材とかを持ってきてくれたり、寂しくは無かったわ。

 あ、今日の食材を持ってきてくれたのもそいつなのよ」


そこまで話すと、急に顔をこちらに向けた。

「初めてあなたと出会ったとき、ここまでこれるのは妖怪くらいだと思ってたから人間と知ってとても驚いたわ。

 まぁ相当な異端だということは話を聞いて分かったけど、それでもあなたに興味を持った」

「それで俺をここにおいたのか。興味があるというだけの理由で」

「それもあるんだけど、私自身人間のことについて知りたくなったってのが最大の理由かな?」

「んで、人間のことについて人間のお前は何か知れたのかい?」

「うーん、イマイチね」

「ははっ、なんだそりゃ」


「でもね、」

そういうと知世は、初めて会ったときのような屈託の無い笑顔で、



「真澄のことは、この短期間でも結構知ることが出来たと思ってるわよ?」



そう言った。


「・・・・・・・・・へっ、そうかい」

言葉は強気に返したが、そういう自分の顔はきっと真っ赤だったんじゃないかなと思うほど火照っていた。

あー、ダメだ。こういうナチュラルに可愛い仕草に耐性が無い。


「あーら真っ赤っか!ますみ可愛いー!!」

くそう、横から知世がニヤニヤ笑ってくる・・・・・・・・・。

なんか悔しい!!



「あ、そういえば知世。お前の誕生日は知らないんだよな?」

「ええ、さっきも言ったとおり親はいなかったから」

「だったらさ、俺と出会った日を誕生日にしないか?」

「え?そんなの覚えてないわよ」

「いーや、俺は覚えてるんだなこれが。あれは四月一日のことだったぞ」

「ホントに?よく覚えてたわね」


ここで俺は、自分が出来る限り最高の笑顔を知世に向けた。






「だってお前と出会った日何だぜ?忘れようがないし、忘れたくも無いよ」





知世はだんだん顔が赤くなっていって、バッと顔を逸らしてしまった。


ぃよっしゃ仕返し成功!!

さっきのお返しとばかりに言いたい放題言ってやる。


「おーおー、顔真っ赤な知世さんなんて珍しいですなぁ!!あー可愛い可愛い!世界で一番可愛いぜっ、ともよちゃーーーん!!」

キラッなんて効果音が付いたら完璧だったんだろうけど、さすがにそこまでのスキルは自分にはありませんでした。

けどやり返すことが出来たので真澄満足。



ちなみに日付はテキトーです。

大体そのくらいかなーと思って口から出任せ吐きました。



フフフ、いろんなところからサイテーだの外道だの聞こえてくるぜ!

でもやり返すための手段なんだ!汚い手を使ってでも俺は仕返しがしたかった!!!

・・・・・・・・・・・・ホントに外道といわれても仕方ないな俺。

ちょっと悪いと思いつつ、テキトーだったって言うか。



「知世、実はさっきの日付――――」



「ハァ・・・・・・・・・そういえば確かにあの日は月初めの掃除してたから、四月一日であってるわね」



あってた!!!?

まさかの嘘から出た誠!!

逆にすごいんじゃないか!!!?

オラオラ、さっきサイテーだとか外道とか言ったやつ出てこいよ!実は俺は分かってて・・・・・・・・・。

あ、すんません。調子乗ってました。マジ勘弁してください。いや、その、ちょっとした出来心というか、ええ。


・・・・・・・・・・ゴホンゴホン。一人コントは辛いなぁうん。



「話が戻るけどさ、来年の四月一日にお前の誕生日を祝ってやるよ」

「え?」

「だって、お前その妖怪の友達以外の人に祝われたことってあんまり多くないんじゃないか?」

「・・・・・・・・・・まぁ、そうだけど」

「じゃあ今度は俺がお前を祝ってやるよ。」

「誕生日を祝ってもらう、ねぇ。それなら約束よ?」

「ああ、約束だ。来年のお前の誕生日にまたこうやってパーティしような」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとう真澄」

「それは来年までとっときなー」



ちょっと自分で言ってて恥ずかしくなってきたので、俺は碗に酒を注ぎ始めた。



「さて、晩酌にお供しますよ」

「ふふっ、風情があっていいわね~」

「それじゃ」



「「乾杯」」



たまにはこうやって綺麗に終わるのもいいんでないんでしょうか。

かしこ。

今さらですけど、この小説の1話1話のタイトルに躓きつつありますw

少なくとも1部が終わるまではこれで行かなきゃと考えると大変ですorz

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