第14話 縁起ですか?
ザシュ!ザシュザシュ!!
ふぅ・・・・またつまらぬ物を投稿してしまった・・・・・(←これが言いたかっただけ)
「私の名前は、稗田阿礼と申します。以後お見知りおきを」
なん・・・・・・・・・だと・・・・・!?
聞き覚えのある名前に俺は驚いた。
「この時代でその驚愕のネタがわかる人は私か真澄さんしかいませんよ」
ですよねー。ツッコミ頂きました!
稗田家って、幻想郷縁起書いてる人だよな・・・・。
たしか俺がいた頃は9代目の阿求が編纂してたんだよな・・・?
名前は代ごとに関連した名前だったから、その初代の名前が確か阿礼だったはず。
え、てことは何?
俺の目の前にいるこの少女は初代稗田家当主ってこと?
”さっき本人がそう言ったじゃないですか・・・・・”
「ナイス突っ込みありがと・・・・・え?」
聞き覚えがある声がしたので辺りを見回す。
しかし、こちらを向いてるのは阿礼について歩いている巴のみ。
他には誰も話しかけたような人はいない。
あ、さっきのは巴か。
気づいて、ふと思った。
でもどうして俺の考えてることがわかったんだろう。
”私と真澄さんは言わば一心同体ですから”
今度ははっきりわかった。
しかし、巴は口は動かしていない。
頭の中に直接声が聞こえてくる。
”・・・・?あー、あー。テステス”
”わざわざテストと言わなくても・・・・”
”すごいな、これ。俺と巴の間だけこのテレパシ-っぽいことはできるのか?”
”そうですね。私は真澄さんから作られたので思考回路を同一にすることができる・・・・・・とのことです”
”ってことは考えてることはいつも筒抜けってことか?”
”いえ、ある程度コントロールは出来るようですよ”
ふぅ、ビックリした。ちゃんとコントロールは出来るんだな。
思考回路ダダ漏れだったら、その・・・・・・・・・・なんだ。
ヘンな妄想的なことしてる時でもわかるってことだろ?
それは恥ずかしすぎる・・・・・・
”心配せずとも既にダダ漏れですよ真澄さん・・・・・・”
なにぃぃぃぃぃぃぃ!!!!?
そんな、コントロール出来るって言った直後に!!
巴さんのバカっ!(某静かな女の子風)
しかしもう既にコントロール出来るようになっているらしく、巴は特に今の発言に反応はしていない。
ただ単に「もうコイツには呆れて物も言えん」とか思ってスルーしているだけなのかもしれないが。
「あの・・・・・・?」
二人だけで黙っているのに何か引け目を感じたのか、阿礼が話しかけてきた。
「あ、いや。何でもないよ。俺は鳥越真澄。こっちは巴だ」
「よろしくねっ!!」
「鳥越・・・・・・・?」
すると阿礼は腕を組んで何か考えだしたようだ。
そしてすぐに手をポンと叩いて、
「あぁ!鳥越真澄さんですね!あの博麗神社に住んでいるという!!」
「あれ?何で知ってんの?」
「そりゃもう、あの”博麗の金欲巫女”で有名な神社に人が住み始めたって言うんですから!!あなたの事はこの村の誰でも知ってますよ!」
博麗の金欲巫女・・・・・。
知世・・・・・お前、すごい二つ名ついてるぞ・・・・・・・・・。
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~side:博麗知世~
「ぶぇぇぇぇぇぇぇぇっくしょん!!!!!」
ふぅ、いけないわね。
こんな時期に夏風邪かしら?
それとも誰か噂してるのかも・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・でも、私のことを噂するのなんてもう真澄かあの烏しかいないわよね。
とりあえず帰ってきたら真澄を殴ってみよう。
それが一番手っ取り早いし。
なんかムシャクシャするし。
うん。そうしよう。
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~side:鳥越真澄~
ゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮゾヮ
「ひぃぃぃぃぃっ!!!?」
今なぜか背中に酷い寒気がっ!!!!?
「だ、大丈夫ですか?」
「急に大声出すからびっくりしましたよ・・・・・」
「いや~、ごめんごめん」
気のせいだよな?何故か無性に遺書を書きたくてたまらない衝動に駆られるんだが・・・・・。
「それで何だったっけ?」
「ですから、私が編纂している『幻想郷縁起』に真澄さんを書きたいんです!」
「え、俺を?なんでまた、俺は妖怪じゃないけど」
「確かに真澄さんは妖怪ではないですが、かなり実力のある人間だと聞いてますよ。何体もの妖怪を相手に一人で戦ったとか」
「結局殺したのは一体だし、そのあとボロボロにやられて知世に助けてもらったんだけどな」
「それでも、十分妖怪に対抗できるほどの力をお持ちですよ。なので、対抗策の一つとして後世の人々にも知ってもらおうと思うんです」
「そんなものを書いてるなんてすごいですね!」
「妖怪の情報はわりと簡単に手に入るんですけど、対抗策の項目がなかなか埋まらなくて・・・・・・」
「俺なんかがねぇ・・・・ま、どうせついでだ。受けたろうじゃないか」
「ありがとうございます!では、私の家までご案内しますね!」
それから数分後、俺たちは大きな屋敷の前にいた。
流石に稗田家といったところか、とにかく大きい。
阿礼について中に入っていく。
敷地が多分東京ドーム一個分くらいの大きさはある、と思う。
東京ドームの大きさなんて知らないけど。
話は変わるけど、ホントに東京ドームを大きさの比較対象にするのって、東京ドームの大きさを知らない人からしたら、
「で?」
って思うよね!!
ニュースとか見てるといっつもそれにツッコンで・・・・・・・
あれ、この話したっけ?
しつこい?
じゃあやめる。
とにかく、使用人と思しき人たちから案内されて座敷に着いたわけですが。
「着替えて参りますので、どうかお寛ぎの上、少々お待ちください」
そう言い残して阿礼は襖を閉めてどこかに行ってしまった。
くつろげって言われたので、まぁ畳に寝転がる。
すると巴も俺の隣で寝転がった。
二人とも沈黙し、聞こえてくるのは蒸し暑い夏になって嬉しそうな蝉の笑い声くらいだ。
「・・・・・・・・巴」
「はい?」
「・・・・・・・暇だな」
「はい!」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
だぁっ!ホントに暇だ!!
待つのは嫌いじゃないが、何もせずボーッとするのは少々苦手なんだよ。
なんかこう、遊び道具的な・・・・・。
「・・・・・・・巴」
「・・・・・・・はい?」
「やってほしいことがあるんだが・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「すみません、お待たせしました。着替えに少々手間取っ・・・・・・・・」
「おぉ~!いいよいいよ!そのポーズ!!視線ちょうだい!!!可愛いよ~!!」
「あ、お帰りなさい阿礼さん」
「その絶対領域をもっと強調して・・・・・・・って、あ」
「・・・・・・・・・・・・あなた方は何をやっていらっしゃるのですか?」
阿礼からみれば、
①鳥越真澄が上半身裸でいる。
②巴がやたらと肌の露出の多い服(要はコスプレ)を着て恥ずかしい姿勢をとっている。
③鳥越真澄が息を荒くして、手で四角形の形を作りながら目の前に持っていくという不可解な動きをしている。
④巴が可愛い。
⑤鳥越真澄が興奮して叫んでいる。
⑥キャートモエサーン!!!!
⑦鳥越真澄は変態
というなんとも素晴らしい視点が出来上がっている訳でありまして。
「うわああああああああああああああああああああああ待って待って違う!!これは別にヘンな気が起きた訳じゃないんだ!!!!」
慌てて弁明しようと阿礼に近づくが。
「ちょ、やめて近寄らないで・・・・・・」
「ドン引き!!?ねぇ待って!話を聞いて!!!」
「私今からとっても大事な仕事をしなければならないんです。変態に興味はありません」
「だからわけを話すから!大事な仕事はその後にしようよ!!」
「鳥越真澄さん・・・・・・・・・・・?あの時私を助けてくれた”カッコイイ”鳥越真澄さんはどこですか・・・・?」
「あぁっ耳に痛い!!!もう分かったからちゃんと説明するからまずはそのいつの間に履いてきたのか土足の下駄を私の素足の上から退けて下さい!!
お願い!!!そして痛い!!!二つ以上三つ未満の意味で痛い!!!!」
とりあえず阿礼を俺の足の甲から退けるのに5分かかりました。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それでね、暇だったから巴に可愛い服を着せてそれをグラビア・・・・・一部の人に喜んでもらうというごっこ遊びをいてただけなんですよ」
「そしてその一部の人にはあなたも含まれるんですよねこの変態!!!」
「ぐっ・・・・・あながち間違いではない・・・・・ただ俺はそーいう性的な目で巴を見るんじゃなくて、こう、父性がくすぐられると言うか、家族として愛しているだけなんだっ!!」
「・・・・・・・・・・分かりました。全く分からないし正直分かりたくも無いですけどとりあえずこの場は分かったことにしておきましょう」
「煮え切らないなぁ・・・・」
「それじゃ、本題です。この稗田阿礼が著書、幻想郷縁起に記録するための取材を行わせていただきます」
そう言うと、阿礼は今までの蔑んだ様な見下した目から、仕事モードの目になった。
公私のメリハリがきちんとついてるな。これは俺もまじめにしないといけないようだ。
「まずはあなたの能力についていくつかお聞きします・・・・・・・」
「そうです!その通りです!!」
「まだ何も言ってません一度死ねば良いんじゃないですか?」
「キツっ!だいぶ遠慮無くなってきたよこの娘っこ!!」
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・・・・・・・・・・
・・・・・
「以上です。ありがとうございました」
結構長くかかって、インタビューが終わったのはもう外が暗くなった頃だった。
転生の事実は伏せておいて、俺の能力と巴のことについていろいろ話した。
「すいません。こんなに遅くなってしまって・・・・・」
「いいさ、阿礼はまだ編纂しなきゃいけないだろ?楽しみに待ってるよ」
「私のことも書いてね~!」
「ええ、もちろん。見出しは『幻想郷の守り神!?変態人間と天使の娘!』と言ったところですかね」
「うぉぉい!それは止めてくれ!!!」
「そうですよ!変態じゃないです!変態と言う名の紳士です!」
「巴それ訂正できてるように見えるけど全くできてないからねっ!!」
「ふふっ」
可笑しそうに小さく笑う阿礼を見ていると、昼間のわだかまりが消えたようでよかった。
「そうだ。もうあたりも暗いですし、今晩は泊まっていかれませんか?」
「え、いいのか?」
「もちろんです」
「うーん・・・・・・・・どうしようかな?」
お言葉に甘えようかな・・・?
でも帰れない時間じゃないし、巴に乗っていくから時間もかからない。
それに知世が待っていてくれてるだろうしな・・・・・・。
「いや、やっぱ遠慮しとくわ」
「そうですか・・・・・・では、道中お気をつけて」
「ああ、ありがとう」
「じゃあね阿礼ちゃん!」
「またね、巴ちゃん!」
二人は外見年齢が同じと言うことで、相当仲良くなっていた。
女の子同士だから気が合いやすいだろうし。
「それじゃ、今日はありがとな!」
「また里に来たときは寄っていってくださいね~!」
俺と変身した巴は阿礼に手を振りながら里を後にするのだった。
「初めての里だったけど、楽しかったですね!」
「そうだな、友達も出来たし。また遊びに行くか?」
「もちろんです!!」
「よし、じゃあまた今度行こう。それにしても、なんか忘れてるような・・・・・・」
「もうすぐ神社に着きますよ~」
「何だったっけな・・・・・。何で里に行ったんだっけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ、醤油」
「あれ、あそこにいるのは知世さんですね。こんな時間まで待っててくれたんでしょうか?」
「戻れともえ!!阿礼の家にUターンだ!!!匿ってもらってアイツの頭を冷やさせるんだ!!畜生!!昼間の虫の知らせはこのことだったのかよ!!!」
「知世さーん!!!戻りました~!」
「ともえさぁぁぁぁぁぁん!!!!戻れって言ってるだろー!!!・・・・・・って何であいつ手にチェーンソー持ってんの!!?買ってないこと知ってるわけないよね!!?
しかも何でこの時代に電動式のチェーンソーがあるんだよ!!!!」
「ギャグ補正です」
「ともえさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!?そんなメタ発言しちゃダメ!!!!てか何でチェーンソーもった相手に笑顔で近づけるのこの子!?恐ろしい子!!」
「お帰り真澄~。さぁこっちへおいで~」
「やだ怖い怖いこわいこわいこわい!!!!!助けて!誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
とりごえ ますみ は めのまえが まっくらに なった !
いまいち巧くまとまらない・・・・・。
精進いたしますm(_ _)m
さて、次の更新はいつなんだろうな~・・・・・orz