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博麗神社の神主さま  作者: 不知火 駿
第一章 
13/19

第12話 新たな仲間ですか?

おっひさしぶりぃ~!!


第12話投稿するぉ!!




初めて命を奪う経験をしてから、次の日。

俺は五体満足で中庭でストレッチをしていた。



流石というべきか、昨日知世に抱えられて帰ってきて寝てから、もう元気に走り回れるほど回復した。


ただ、まだうまく首が回らないなどあるが、明日になれば全く問題はなくなるだろう。




「よし!健康状態おっけー!」



「もうすでに元気なようね。何よりだわ。」



知世がやってきた。

昨日のせいで、まだ少し目が腫れている。


「結局醤油買いそびれたんだけど、思えば神社の周りの雑木林は妖怪の溜まり場だから、買ったものを持ち帰りながら戦うって結構難しいのよね。」

「今更だな!何で俺にはそうさせたんだよ!!」

「だから、真澄なら大丈夫かな、って・・・・・・思って・・・・・・・そしたら・・・・・・・。」


やべぇ!またぶり返させちまった!!

後味悪いから話題変えないと!!


「そ、そか。じゃあいつもはどうしてるんだ?」

「私はいつも空飛んで里に行くから。妖怪に襲われることもないのよ。」



へー、空とぶんだ~。

それなら確かに便利だな。

空飛ぶ妖怪がいるならちょっと困るだろうケド。



・・・・・・・・は?


「ちょ、ちょっと待って!!どうやって空飛ぶの!?まさか別の能力!?」

「いいえ、(げん)という亀に乗せてもらってるのよ。」

「か、亀ぇ!?亀が空飛ぶのか!?」

「ええ、そういえば紹介してなかったわね。会いに行きましょうか。」


そう言って彼女は歩き出す。

せっかく連れて行ってくれるって言うし、それになにより、空飛ぶ亀が見たかったからだ。

俺は先を行く知世についていった。








向かった先は神社裏の、わりと大きな池。

知世は辺りをきょろきょろと見渡している。

そして手を口に持っていき、


「おぉ~い!げぇぇぇぇぇぇぇん!!!」


大きな声で叫んだ。




・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・。

変化なし。


「何も起こらないじゃないか。一体亀ってどこに・・・・・・」


「ほら、来たわよ?」



そういって知世が指差す先には、水の中からゆっくりこちらに移動してくるモノがあった。

「な、何なんだ・・・・・?」

ソレは池の淵、俺たちがいる場所の前に来ると、水しぶきを上げて飛び上がった。

「うわぁっ!」

水面から飛び上がって宙に浮かんでいるソレは、緑色の甲羅と短い手足を持った生物。



「ご主人、私を呼びましたか?」




即ち、亀に他ならなかった。




「ええ、でもどこかに行くわけじゃないのよ。玄、紹介するわ。こっちは最近博麗神社の神主になった鳥越真澄よ。」

「初めてお目にかかります。私、博麗知世さまの付き人をしております、玄と申します。以後、お見知りおきを。」



「え、あ、はい、え?」



「え?」

「ん?」



あまりにも対応が丁寧すぎて、亀が宙に浮いてる事とか、まず喋ってる事とかスルーしそうになった。

俺がキョドってるので二人(一人と一匹?)もこちらを見てくる。


え、だっておかしいよね!?

亀って空飛ぶっけ?喋るっけ?

少なくとも喋ったの見たことない・・・・・・・・・・

あ、妖怪なのかな?

だったら話は分かる。

昨日も妖怪見たしな。


少々戸惑いながら挨拶を返す。

丁寧に、丁寧に。

うわ、妖怪相手に話すの初めてだからか緊張するな・・・・・・・・・。

てか妖怪・・・・・・・・。あの階段のところのやつと同じ種族・・・・・・・。

いやいやいや、種族だけで差別はだめだ!!



「ど、どうも。ご紹介に預かりました。えーと、本日はお日柄も良く、絶好の結婚日和となりました。」



「「は?」」



ちょ、テンパり過ぎてミスった!!!

おち、落ち着け俺ぇぇぇぇぇぇ!!!!!


だけど、落ち着こうとすればするだけテンパり度はますます高くなっていく。



「え、えぇっと、知世さんと玄さんは古くからの友人であり、清く正しい交際をしていました。ってなんだこれぇぇぇぇ!!!!」


「こっちの台詞よ!!!!いきり何言ってんの!!!?」


「わ、私がご主人の・・・・・・ポッ///」



途中から結婚スピーチに変わったぞ!!!?

何でこんなにテンパってんだ俺!!!!

気を確かに持て!!!


あれか!?昨日妖怪にコテンパンにされたから妖怪に対してコンプレックスでも湧いたのか!!!?


というか玄、お前顔赤らめんな!!!!





と、俺がイヤなタイミングを狙ってくるのか、いつものように、



”おいおい、何だいきなり!結婚スピーチでも始めようってのか?アッハッハッハッハ!”




江草さんがログインしました。



”・・・・・・・・・物理的にログアウトさせてやろうか?”

”ちょっ、冗談だって!!!ていうか俺はお前よりも強い以前に、お前は俺に危害を加えられないんだけど何で俺怯えてんの!!?”

”前世では・・・・・・きっと、一緒だったのかもね・・・・・ポッ”

”そういうことで「前世」って言葉は使って欲しくなかった!!てか俺に前世なんてないんだがなっ!神だから!”

”うわー、そこで誰もが忘れていた設定持ってくるとかないわー。空気読めてないわー。”

”忘れねぇだろこれは!!え、忘れられてる!?嘘だろぉぉぉ!!!!!”



うん、きっと大丈夫。江草さんみたいに濃いキャラは覚えててもらえてるはずさ。

あれ、なんか引っかかったんだよな・・・・。

手っ取り早い方法が・・・・・。


あ、そうだよ!!!

江草さんに玄みたいな乗り物なり何かを貰えばいいんじゃないか!!!



”なぁ、江草さ~ん。ちょっとお願いが・・・・・・”


”ダメ!”



一言で切り捨てられただと・・・・・っ!?



”まだ何も言ってねぇぞ!!!”

”どうせ玄みたいなものくれとか言い出すんだろ?ある程度お前の考えは分かるんだよ!”


くっ、癪だが当たってる・・・・・・・・。


”そういうのは、まず自分で作り出してみろ。話はそれからだ。”

”そんな事言ったって・・・・・・・・。どうすればいいのか分からん。”

”例えばなぁ・・・・・・そうだ、今までお前が過ごして来た人生の中にヒントがあるぞ。”


え、今までの俺の人生?


俺が生きているときにやったことといえば・・・・・・・・・漫画やアニメ、ネットぐらい。


その中で空飛べるもの・・・・・・・・。

かつ、俺の能力で作れることから、布に関係するもの・・・・・・。




あ。

キタキタキタァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

そうだよこれがあるじゃん!!!!!

俺天才!

マジ天才!

もひとつおまけにて・ん・さ・い・!!!




”分かったぞ!”

”お、早いな。”




”ああ、つまりあれだろ?ゲゲゲとかに出てきてた妖怪、一反木綿を作れってことだろ!?”




”ご名答。さすが、素材がいいと頭の回転が速いねぇ。”

”ふっふっふ。褒めよ称えよ崇めよ!!!・・・・・・・あ、でも待って、どうやって作ればいいの?”

”なに、この前だってお前能力使ったじゃねぇか。その要領だ。要は想像だよ。想像したことが能力として出てくる。”

”よっしゃ!そうと分かれば早速作るぞ!”



俺は知世に意気揚々と話しかけた。


「ありがとう!家に戻っとくな!!」

「え?えぇ、分かったわ。」


これで万事解決だぁぁぁ!!!


俺は神社に向かって走っていった。





*******************************************




その後、湖上にて。


「何だったのよ、今の真澄は。」

「きっと、この場所がイヤになったんじゃないんですか?」

「それ、どういう意味?」



「この前ご主人が、真澄さんを池の上でボコボコにしてたじゃないですか。」



「・・・・・・・・あ、してたわね。」



「今思いっきり忘れてたでしょ。その時大変だったんですから。池の上は彼の血でもう真っ赤!」


「あれは今思い出しても・・・・・・・・面白かったわね、真澄の反応が。」

「どういう神経してんですか!?」

「なに、ただ人の苦痛が見たい・・・・・・・あらやだ、乙女がはしたないわね、うふふふふ。」

「笑顔が怖いぜご主人!とにかく、一度謝ったほうがいいんじゃないですかい?」


「まぁ、そうね・・・・・・・・・・。」


「実は私にいい考えがあるんですよ・・・・・・。」

「ふぅん。聞こうじゃないの。」

「あのですね・・・・・・・・・・・。」




*********************************************





「ぶぇーっくしょん!な、なんだぁ?噂か?」


誰もいない部屋で一人呟く。

いや、「ここにはいない」が、もう一人と会話している。



”一回だけのくしゃみならただの誹謗中傷だ。気にすんな。”

「いやいや、気にするよ!!この世界での中傷だろ!?だったら知世しかいねぇじゃねぇか!!」


神である、江草さんです。



「で、本当に想像するだけでいいんだな?」

”おぅ、今までも頭の中で描いたものが具象化して能力を発揮してただろ?そういうことさ。”

「よし、分かった。」



一応の確認を済ませ、胡坐をかいて座り、目を閉じて集中する。

思い描くは、一反木綿。

俺がそれを知ったのは、某ゲゲゲのアニメ。

俺が生きていた頃は、作者の奥さんが主人公になったテレビドラマもあったなぁ・・・・。

今まで鬼太郎の物語はリメイク版のアニメでしか見てないけど、それにだって一反木綿はちゃんと登場していた。

その姿を思い浮かべる。



材質とかはわかんないけど、とりあえず布。

だいたい全長2,3メートルほどの長さ。

空を飛ぶのに使われる。



・・・・・・・・・俺が知ってる一反木綿の情報はそれくらい。

だけど、具体的に想像する。


そろそろできたかな。

そう思って目を開ける。

すると・・・・・・・・・・・・。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


そこには、思い描いたとおりの妖怪、一反木綿が姿を現していた。

空中に留まりながらゆらゆら揺れている。



「おぉ!やっぱり出来た!こんなキャラクターとかでも作り出せるんだなぁ・・・・・。」


”あぁ、だけど性格とか意思とかは無いぞ。あくまで外見、用途、そして素材が布で出来ているものだけだ。”



そーなのかー。話し相手とかになると助かったんだけどな・・・・・。



”さぁ、ここで俺の出番だ!”


「ん?どういうことだ?」



”だから、ただの移動手段だけじゃ面白くないと思って、この一反木綿に別の容姿、そして意思、性格を与えてやるといっているのだよ!!”



「マジでぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

”マジです!”

「江草さん・・・・・・・・・・・俺、今まで江草さんのことただのニートだとか失礼なこと思ってたけど・・・・・・・・・・。」

”ホントに失礼だな!失礼にもほどがあるだろ!!!別に俺は仕事がしたくない訳じゃないの!!!!!”




これはとても助かる。

玄を意識してるわけじゃないけど、パートナーとするならば喋れるほうが楽しいもんな。



”さあ!お好みの容姿性格は何かなっ!?”


「えっとえっと・・・・・・・・・うわぁぁぁ!悩む!ものすごい悩む!」

”ふっはっは!悩め悩め、うら若き少年よ!”



俺と江草さんのテンションは最高潮に高まっていく。

うーんと、うーんと・・・・・よし、これだぁ!




「容姿はもちろん女の子。12,3歳くらいで身長は140~50センチ。胸はBカップ!髪型はツインテールの茶髪。性格は明るくて良く尽くす幼馴染タイプで敬語使いでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」




”お前今完全に自分の理想の女の子の像を照合させただろ。”


「あれ、バレた?いいじゃんかよぉぉ!せめてパートナーだけでも夢を見させてくれ!!」


”モーマンタイ!何にも問題はなぁい!いくぞ・・・・・”



そう江草さんが言うと、一反木綿は次第に光に包まれた。

眩しすぎて俺は堪らず目を覆ってしまった。

そしてその光が小さくなっていくと、そこにいたのは・・・・・・・。



「はじめまして!私をつくってくれてありがとうございます!」


俺が注文したとおりの容姿、性格をした少女がいた。



「キタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」



テンションMAXだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!

自分が最も可愛いと思うタイプの少女が目の前に現れたら今までの苦労なんか吹き飛ぶってもんですよ!!!



「ひっ!?初対面だけどこのテンションの高さに若干引き気味の私ですっ!」



”うん、さすがにお前を見慣れてる俺でも引いたぞ・・・・・・・・。”


引かれてしまった・・・・・・・ショボーン。



「ところで、私の名前は何ですか?あなたのことはなんと呼べばいいんでしょうか?」


「え、俺が名前付けるの?てか一反木綿じゃないの?」


”もともとお前がつくったものだぞ。いわばお前が親代わりだ。”


「それに、一反木綿なんて名前、可愛くないですっ!可愛い名前下さい!」



ふむふむ、なるほど・・・・・・。

どうしようか・・・・・?




とか考えてると、




「何を一人でこそこそ喋ってるかと思えば、今度は女の子が出てきて。一体何をしているのかしら?」



聞き慣れた知世の声がした。

振り返りながら名を呼ぼうとする。



「とも・・・・・・・・・・・え?」



そこにいたのは、いつもの巫女服じゃなくて、上半身をサラシだけ巻いて下は巫女服のスカートという出で立ちの知世。

それなりに大きな胸が強調されていてとってもセクスィー。

セクシーじゃない!セクスィーだっ!!


え、どゆこと?

何が起こってんの?

わっとどぅーゆーはぷん?




「玄が、露出が多いほうが男は喜ぶっていうからやってみてたら・・・・。」

「え、いや。うん。え?何その格好?どうしたの?」

「まぁいいわよ。えっとね、その・・・・・・・なんというか。」



しどろもどろになりながら知世が言葉を紡ぎだす。





「えっと、この前はボコボコにして悪かったわね・・・・・。」




「え、何回目のこと?」


割と知世から折檻食らうのが当たり前になってきたので何のことか分からなかった。


「何回目って、この前の池の上でのことよ!あれしかないでしょ!」



ちょっと待て今このお方『あれしかない』とおっしゃいましたか?

どんだけ都合のいい脳内メモリーなんだよっ!!

俺の脳内メモリーの中では口を大きく開けて俺を怒る知世の顔が何枚も保管されてますよ。


まぁ、その原因がほとんど俺なんだけど。




と、知世と話している最中に、


「ともえ・・・・・・・。いい名前です!『巴』という漢字を当てるのでしょうか。気に入りました!」



気づけばすっかり忘れていた一反(仮名)が話していた。


「え、なんて名前?俺付けたっけ?」

「えぇ、先ほど。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あれか。

知世って言おうとしたら驚いて「え?」っていったのを、この子は「ともえ」と思ったのか。

まぁいいや。結構いい名前だし。




「それじゃ、今からお前の名前は『巴』だ!俺のことは・・・・・・うん、好きに呼べばいいと思うよ。」




「分かりました!だったら、『スミー』と呼ばせていただ・・・・・・」




「ごめんなさいやっぱり『真澄さん』でお願いします!!!」




危うく好きじゃないあだ名で呼ばれるところだった。

この呼び方キライってだいぶ前に言ったよね?

何これ伏線回収?バカナノ?



「了解です!真澄さん!」


ピシッと俺に礼をしてくる。

一生懸命でいいなぁ。



”そいつはお前の意思一つで現せたり消せたり出来る。ただし、そいつだってもうお前の『布』というステータスだけじゃなくて、この世界に存在する妖怪になってるから、もう一度つくろうとか思ってもつくれないぞ。”

”さんきゅ!でも、実際に乗るときはどうするんだ?”

”そのときは姿だけ一反木綿に戻る。会話とかは出来るぞ。”



あの布の状態か・・・・。

できるだけこの姿でいさせてあげよう。


そう心に決める俺だった。


主に自分のために。




どうやら俺と江草さんが話している間に巴と知世は会話していて、すっかり意気投合してしまったらしく、知世は歓迎会の準備をしだした。



その夜はたった3人ながらも、呑めや食えや騒げやの大盛り上がりだった。(知世だけ)

俺と巴は、出来るだけ知世が暴走しないように適度に酒を控えさせることで精一杯だった。


さらに悪いことに、俺も初めて酒というものを少しだけ、本当に少しだけ呑んで、気づいたら自分の布団で寝ていた。

聞けば、巴が昏倒してしまった俺と知世を布団まで運んでくれたそうだ。




ごめんよぉぉぉ!!!!!


しばらく更新止まりそう・・・・・。

出来るだけ早くに復活するぉ!!!

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