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第三十五話 共鳴の頂点

倉庫の中は、朝の光と舞う埃で静かに満たされていた。

エリシアは楽器を抱え、弓をしっかり握る。

肩の重み、顎当ての冷たさ、指先に残る弦の跡。

音はまだ出ない。

しかし胸の奥で、響きの連鎖が頂点に達し、全身に広がり始めていた。


楽器の木肌が揺れ、指先に伝わる軋みは音ではなく、存在そのものの呼吸。

長年の触れ合いと弾かれた痕跡が、エリシアの体と呼吸に寄り添い、胸の奥で旋律・光・影・心が一体となった頂点の共鳴を生む。


低い声の人物が倉庫の奥で影だけを浮かべる。

肩幅、背筋、長い指先の微細な動きで空気を揺らす。

目は暗がりに沈み、感情は読み取れない。

存在感だけで場の中心を支配し、頂点の共鳴を促す。


「ここが共鳴の頂点だ」

低く響く声が空間を震わせる。

音としてではなく、振動として胸に届く。

楽器を通して、エリシアの胸の奥に旋律・光・影・心の頂点が一体となった感覚が生まれる。


エリシアは弓を滑らせる。

木肌の感触、肩の重み、指先の微かな軋み。

音は出ない。

しかし胸の奥では、触れた旋律、揺れる影、重なる光、心の揺れが頂点として結び付き、胸全体に広がる。


影が一歩近づく。

肩の傾き、背筋の角度、指先の微細な動き。

問いかけと答えを紡ぐ微細な振動が、光・影・楽器の木肌と交わり、胸の奥で共鳴の頂点を形作る。


朝の光が木肌に差し込み、影が床に揺れる。

弓を引く手の動き、木肌の揺れ、影の動きが重なり、音はなくても胸の奥で共鳴の頂点が確かに生きる。

エリシアは小さく息を吐き、弓を止めない。

肩の重み、指先の感触、木肌の温かさ。

音はなくても、共鳴の頂点が胸の奥で確かに生きていた。


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