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桃太郎伝 ~追放された元神は、きびだんごの絆で鬼を討ち、愛しき仲間たちと世界を救う~  作者: ざつ


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第十五話:試練の真実、和解、そして神の力の覚醒 -3

過去と向き合い、風神と雷神と和解した太郎。


彼は、二柱の神から授けられた新たな力によって、完全に神としての能力を覚醒させた。彼の全身から、神々しいオーラが放たれ、広間全体が、まばゆい光に包まれる。その光は、彼の内なる力が、真に目覚めたことを示していた。


「これが……俺の、真の力……! この温かさ……」


太郎は、掌を見つめ、その中に満ちる清らかな光を感じ取った。その光は、彼の体内で脈打ち、全身を駆け巡る。彼の心は、かつてないほどの平穏と、確かな喜びに満たされていた。


「若様……! なんて神々しい……! まぶしい……! 若様は、本当に……!」


黒鉄は、感極まった表情で、太郎の神々しい姿を見上げた。彼女の琥珀色の瞳からは、止めどなく涙が溢れ落ちる。その涙は、喜びと、若様への深い愛情の証だった。


「……神々しい。これほどの力を、彼は……。まさに、この世界の希望……」


天音は、静かに呟いた。彼女の白い羽が、感動に微かに震える。その瞳は、太郎の放つ光に釘付けになっていた。


「すっげー! ピカピカだ~! 太郎兄ちゃん、本当に神様になっちゃったんだね! これで、どんな鬼でも、一撃だね!」


琥珀は、目を輝かせ、興奮した声を上げた。その小さな体が、喜びでぴょんぴょんと跳ねる。


「お兄ちゃん、すごい! 穂積、お兄ちゃんのこと、もっと大好きになったよ! お兄ちゃん、世界一かっこいい!」


穂積は、太郎の袴の裾をぎゅっと掴み、純粋な笑顔で励ます。彼女の瞳は、太郎への純粋な憧れで輝いていた。


「へっ、さすが俺が認めた若造だぜ! これで、どんな鬼でもぶっ飛ばせるな! 雷神と風神も、あんな顔してたんだから、間違いねぇ!」


八重は、豪快な笑みを浮かべ、斧を握りしめた。その顔には、太郎の成長への喜びと、闘志が宿っている。


『太郎殿の神力が、完全に覚醒しました。これは、破壊の力ではなく、清め、育む力……。まさに、この世界が求めていた光……。彼の存在そのものが、この世界の希望となるでしょう』


葛の思考が、太郎の心に静かに響いた。彼女は、穏やかな眼差しで太郎を見守っていた。その表情には、深い感動と、確かな予感が浮かんでいた。


太郎が自分の槍を天に向けた瞬間、槍は黄金の光を放ち、周囲に桃の紋様が神々しく浮かび上がった。

その光は洞窟全体を照らし出す。光の粒子が舞い散り、広間は幻想的な美しさに包まれる。

その光は、広間の壁に刻まれた古の紋様を照らし出し、それらが微かに輝き始める。


「【天神浄化】……!」


太郎の声が、広間に響き渡る。その声には、確かな力と、覚醒した神としての使命感が込められていた。


(槍から光が放たれる音)


「わー!槍が光ってる~! すごい! まるで、太陽みたい! 洞窟の中が、昼間みたいになったよ!」


琥珀は、歓声を上げた。彼女の瞳は、輝く槍に釘付けになっている。


「お兄ちゃん、すごい! これなら、どんな闇も消せるね! 洞窟の中が、こんなに明るくなるなんて!」


穂積は、目を輝かせた。


太郎は「天神浄化」の魔法を完全に制御できるようになる。そのチート級の浄化魔法が、洞窟内に充満していた邪気を一掃する。

洞窟の壁にこびりついていた黒い瘴気が、光によって侵食され、音もなく消滅していく。広間の空気は、清らかで澄み渡ったものへと変わっていった。

その浄化の力は、広間だけでなく、洞窟全体へと広がり、これまで感じられた重苦しい霊気を完全に払拭した。


「この力で……全ての邪気を……! この世界から、闇を消し去る……! それが、俺の使命だ!」


太郎は、浄化されていく洞窟を見渡し、静かに呟いた。その瞳には、未来への希望が宿っている。


『洞窟の瘴気が……消えていく……! これほどの浄化の力……まさに、神の御業……! 太郎殿の力は、この世界の穢れを全て清めることができる……!』


葛の思考が、太郎の心に響いた。彼女の表情には、驚きと、深い感動が浮かんでいた。


「へっ、すっきりしたぜ! これで、心置きなく奥へ進めるな! 雷神の試練も、これで終わりってわけだ!」


八重は、豪快な笑みを浮かべた。洞窟の空気が清められたことに、満足げな表情を見せる。


神々しい姿の太郎を見て、黒鉄たちの彼への想いはさらに強くなる。黒鉄は崇拝の眼差しを向け、琥珀は興奮し、天音は感動する。それぞれの心の中で、太郎への深い愛情が溢れている。


(若様……どこまでも、お供いたします。この命、若様のために……。若様こそが、私の全て……)


黒鉄の心の声が、彼女の心臓に熱く響いた。彼女の瞳は、太郎の神々しい姿に釘付けになっている。


「太郎兄ちゃん、超かっこいい~! こんなにすごい力、初めて見たよ! 琥珀、感動しちゃった!」


琥珀は、興奮した声を上げた。その小さな体が、喜びでぴょんぴょんと跳ねる。


「(静かに涙を流す)……これが、彼の真の姿。太郎殿は、真の神として、この世界に光をもたらすでしょう。私たちの希望……」


天音は、静かに呟いた。彼女の白い羽が、感動に微かに震える。その瞳からは、一筋の涙がこぼれ落ちていた。その涙は、太郎への深い信頼と、未来への希望の証だった。


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