登場人物紹介①
かつて天界で「破壊神」として恐れられ、その制御不能な力ゆえに地上へと追放された若き神・太郎。己の力の暴走に苦悩し、孤独を抱えていた彼を救ったのは、現世の母が持たせてくれた、たった一つの「きびだんご」だった。
きびだんごを分け与えることで、太郎は運命の出会いを果たす。
忠義の剣として彼を支える幼馴染の黒鉄、変幻自在の幻術を操る忍の琥珀、冷静沈着な弓使いの天音、無邪気な妖精の穂積、豪快な怪力自慢の八重、そして癒やしの治癒師・葛。
個性豊かな仲間たちとの絆を深めるごとに、太郎は自身の力が破壊のためだけでなく、生命を育み、穢れを清める「浄化の力」であることを悟っていく。
父の仇である鬼の首領を討つため、そして世界にはびこる鬼の脅威を払うため、太郎たちは数々の試練に挑む。かぐや姫の館での試練、風神と雷神との和解、そして海の底に潜む海坊主との激闘――。
仲間との絆が試される中で、太郎の神力は覚醒し、彼は真の「武神」として目覚める。
だが、鬼ヶ島で彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する最強の敵、ヤマタノオロチだった。絶望的な状況の中、太郎は仲間たちへの深い愛を再認識し、その絆こそが己の真の力だと確信する。
これは、追放された元神が、きびだんごが紡いだ「絆」の力で鬼を討ち、世界に平和をもたらし、そして最愛の幼馴染に永遠の愛を誓う、壮大な救世の物語である。
◆太郎
本作の主人公。
かつて天界で「破壊神」として恐れられた若き神だが、その制御不能な力ゆえに地上へと追放された。己の力に苦悩し、孤独を抱えていたが、母から託された「きびだんご」をきっかけに個性豊かな仲間たちと出会う。
彼らとの絆を深める中で、自身の力が破壊のためだけでなく、穢れを清め、生命を育む「浄化の力」であることを悟っていく。仲間を何よりも大切にし、彼らとの絆こそが己の真の力だと信じ、世界の混沌を鎮める旅に出る。
◆黒鉄(鈴蘭)
太郎の幼馴染であり、彼に絶対的な忠誠を誓う武士。
二刀流の剣術と人並み外れた身体能力を持つ、太郎の「剣」。幼い頃から太郎の隣に立ち、彼の成長を誰よりも近くで見守ってきた。口数は少ないが、太郎への深い愛情と揺るぎない忠誠心は誰にも負けない。
彼の力の暴走を止め、心の支えとなる存在であり、太郎が真の自分を見つける上で不可欠な「帰る場所」。
◆琥珀
茶色のショートカットが特徴の、小柄で身軽な少女。
忍の一族の出身で、幻術と素早い動きを得意とする。常に明るく陽気で、好奇心旺盛なムードメーカー。太郎を「太郎兄ちゃん」と呼び慕い、彼の旅に楽しんで同行する。警戒心が薄いように見えて、実は鋭い洞察力と機転を持ち合わせており、時に太郎たちを窮地から救う。
◆天音
白い髪と羽を持つ鳥の一族の少女。
弓術に長け、風の魔力を操る。常に冷静沈着で、状況を的確に分析する知的な存在。当初は太郎たちを警戒していたが、彼の優しさと力に触れ、仲間となる。上空からの情報収集や、遠距離からの精密な援護射撃で仲間を支える。太郎の持つ神力の真の性質を理解し、その可能性を深く見守っている。
◆穂積
森に住む小さな妖精のような少女。
ライトブロンドのおかっぱ頭が可愛らしい。自身の身長の半分ほどもある「打ち出の小槌」を持ち、触れたものを巨大化させる能力を持つ。無邪気で純粋な心を持ち、太郎を「お兄ちゃん」と呼び、懐っこく甘える。その純粋な力と存在は、太郎たちの旅に温かさと驚きをもたらす。
◆八重
燃えるような赤髪と豪快な怪力を持つ少女。
巨大な斧を軽々と操り、迷宮の壁をも破壊するほどのパワーを誇る。男勝りで曲がったことが大嫌いな性格で、強者には敬意を払う武人気質。当初は太郎をライバル視していたが、彼の力と仲間との絆を認め、旅に加わる。前線で敵の攻撃を受け止め、道を切り開く頼れる存在。
◆葛
和風の着物を着こなす上品な治癒師の少女。
冷静で知的な雰囲気を纏い、優れた回復魔法と薬草の知識を持つ。普段は感情を表に出さないクールな印象だが、仲間への深い思いやりを秘めている。太郎の神力を理解し、その精神的な揺らぎを察知して支える、縁の下の力持ち。