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虐げられた魔描召喚士(マジカルートサモナー)、王兄の心を癒やす。  作者: いとう縁凛


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#26 勘違い②


「あ、そうだ。リアム様、研究所にはリアム様以外にも鑑定ができる方はいらっしゃるでしょうか」

「うん? おれほどではないにしろ、何人かいるね」

「でしたら、その方にあの侍女のスキルを見てもらうのはどうでしょうか。あの侍女は幼い頃からジュリーに仕えていたので、自分のスキルは知らないはずです」

「なるほどね。仮にあの侍女のスキルが英級もしくは備級の訓練有りの内容であれば、スータレイン嬢の侍女として傍に置かなくても良くなるね」


 わたしの提案に、リアム様は乗り気なようです。

 わたしがジュリーを案じたように、リアム様も陛下のことを考えたのかもしれません。

 陛下はリアム様の弟君。お顔立ちも似ていることでしょう。立場にしても容姿にしても、危うい存在は近づけたくないのかもしれません。


「それなら、手っ取り早くおれが鑑定しちゃおうか」

「それはダメです!!」


 突然大声を出したわたしに、リアム様が驚いているようです。


「失礼いたしました。えぇと、リアム様は訓練生の教育課程を考えているのですよね? 訓練生が何人いるかわかりませんが、それはとても大変なことだと思います。リアム様がわざわざ出向かなくても、問題ないでしょう。それに、カリカはリアム様に会おうとしていたのです。わざわざ喜ばせる必要もありません」

「ふっ。何度も『わざわざ』指摘してくれるくらい、おれのことを考えてくれているんだね」

「あっ、いえっ、そういうことではなくっ」

「そういうことじゃないんだ? 残念」


 そこで微笑まないでください、リアム様。わたしがチェイミベル様に睨まれるではないですか!

 そんな指摘をできるわけもなく、右隣からの視線に顔をそらします。


「あの侍女のことは、鑑定してもらってから決めようか。スータレイン嬢が暮らす家についても。とりあえず今日は、煉瓦造りの一角に戻ってもらえるかな」

「わかりました」

「おれはこのまま、五号棟でちょっと仕事をしていくよ。チェイミベル、マジェン。スータレイン嬢と一緒に戻って」


 リアム様の指示を聞き、レディリカとチェイミベル様は頷きます。

 リアム様が部屋を出ていくのを見送った後、わたしも部屋を出ようとしました。


「ちょっと待つ」

「はい?」


 チェイミベル様に声をかけられ、足を止めます。

 振り返ると、少々睨まれているような気がしました。


「ケレイブ様は婚約者を取らない。ケレイブ様に懸想するなら諦めて」

「チェイミベル補佐官。突然何を」

「赤毛は黙ってて。それで、あなたの考えは」


 チェイミベル様に、キッと睨まれます。

 そりゃ、心配にもなりますよね。片思いをしている相手が、あんな微笑みを見せたら。


「チェイミベル様。何も問題はありません。わたしは三角関係に加わって多角関係に発展させませんから」

「三角……?」

「リアム様のスキル上仕方ないかもしれませんが、わたしは応援しますよ」

「応援……まさか、パピの気持ちばれてる?」

「あぁ、やっぱり。そうだったんですね」


 十歳の頃から奉公していたので、その手のことには疎かったので心配していました。どうやら、わたしの見る目は正しかったようです。

 わたしが笑顔で対応してると、チェイミベル様はその白い肌が真っ赤に染まるほど頬を赤くしていました。


「なっ!? えっ……!? パピの気持ち、リアム様にもばれてる!?」

「どうでしょう。レディリカはどう思いますか」

「私はそもそも、チェイミベル補佐官の気持ちを昔から知っているので。判断はできませんね」

「レディリカ。随分と冷静ね? 長年の気持ちは、悟りを開いているのかしら」

「? 私の気持ちですか?」

「え?」


 赤面したままのチェイミベル様。そんなチェイミベル様と同じ気持ちを抱えているはずのレディリカは、至って冷静。

 照れ隠しとも思えず、逆に聞き返されてしまってわたしが困惑しました。


「……レディリカも、リアム様を慕っているのよね?」

「いいえ。なぜ、そう思われたのでしょう?」

「あら、あっさりね。ごめんなさい。わたしの勘違いだったみたいだわ」

「そうでしたか」


 結婚をしないのかという問いに、間髪を入れず否定しました。リアム様とチェイミベル様との関係性から邪推していましたが、どうやらわたしの思い過ごしだったようです。

 チェイミベル様の気持ちはわかりましたが、まだまだ見る目を養わなければいけませんね。

 それにしても、リアム様のスキルを知った上で慕い続ける。チェイミベル様は、もしかしたらスキルが判明するまでの婚約者だったのかもしれません。


 わたしは一つの予測を立てつつ、三人で五号棟を出ました。






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