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飛び降り

作者: 鉄 竜太

今日俺は自殺する。あの十五階建てのビルの上から飛び降りて自殺する。なぜあのビルなのかと言うと、彼女と出会ったのがあのビルだからだ。その彼女ももういない。俺に愛想つかして音信不通になった。人生なにもかもうまくいかない。仕事も続かない。金もない。楽しくないから自殺する。

俺は階段を一歩一歩登って十五階を目指す。エレベーターもあるが、俺は今運動したい気分だ。だから一歩一歩、一歩一歩。

俺は階段を踏み外して、脛を段の角にぶつけ、受け身も取れず顔を踊り場に叩きつけた。静かなビルにパチンという乾いた音が木霊する。

めちゃくちゃ痛い。脛から血が出ているようだ。足も変な捻りかたをしたので上手に立てない。もしかして十五階から飛び降りたりなんかしたらこれより痛いんじゃないか。冗談じゃない。

俺は足を引きずりながら階段を一歩一歩降りて、タクシーを呼んで駅に向かい、電車に乗って家に帰った。また退屈な日々が始まる。


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