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番外3-1

注意*お話の中で未成年者の飲酒が出てきます。

お酒は二十歳になってからどうぞ。

初めて陸と話したのは『カノン』でアルバイトを始めて2年が経った頃だった。

それ以前から店に1人でやって来ては飲んでいる事は知っていた。未成年であるにも関わらず平気な顔をしてやって来るのは、この店の経営者の弟であったからだ。店のマスターとも親しいらしくカウンターで話している所を何度も見かけたが1人の時は冷めた目をして無言で飲んでいる少年だった。


陸が店の手伝いをするようになった頃、カズが入ってきた。性格は対照的であったが2人とも短気で一発触発と言う事は多々あった。しかし、お互い根には持たない性格なので何とかやってこれたように思う。悪気はないのだがカズがちょっかいをかけ鬱っとおしく思った陸がキツイ言葉で返し喧嘩になるパターンが多く仲裁役のナオからすればどっちもどっちであった。仕事を始めてからも陸は必要以上に話す事はなかったが器用で覚えも早かった。カクテル作りにも興味があったらしくマスターに教えてもらい作るとセンスも良く楽しそうに見えた。しかし、客にも自分達仲間にも話すと言う事が少なくクールな少年だった。


そんな陸が少しずつ変わってきて気分にもムラが随分と無くなりカズとの衝突も少なくなってきた頃、カウンターに入り客とも話すようになった。陸目当てにカウンターに座る女性客もいたが不思議と誰にもなびかなかった。偶然に聞いたのだが、どうやら好きな女性がいるらしかった。ナオとしては何か意外だった。店に飲みに来ていた頃は女遊びもしていたらしくマスターと話している所を何度か見たこともあった。そんな陸が店に入ってからは女性の誘いにのるということは一度もなく、それ以前に女性客を見たり自分から話しかけるという事はほとんどなかった。店にいる時は酒を作り料理を作り洗い物をしているだけで話しかけられれば一言二言返すぐらいで男にも女にも関係なく人にはあまり興味がないように見えた。



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