表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/74

35


 そして家に帰ってきた私。

 部屋に入るなり、灯りもつけず寝台の上に泣き崩れた。

 パトリス様の言葉が頭から離れない。  


――『私たちは思い合っていた仲なの』


 そんな二人の間に私は入ってしまった。

 フェリシアン様に想う方がいたこと以上に、フェリシアン様に辛い思いをさせてしまったことに心が痛んだ。

 あの微笑みの下で、どれほどの哀しみを抱えていたのだろう。

 そんな素振りを露とも見せず、ずっと優しく接してくれたフェリシアン様。

 パトリス様もまた優しい方だった。

 物腰柔らかで、二人の仲を引き裂いた私にも嫌な態度ひとつ取らなかった。 


 まさにお似合いの二人。

 そんな二人のあいだに立つ私。


――私は一体どうすれば良いの?


 悲しみが渦を巻いて、呑み込まれしまいそうだった。

 泣いても泣いても、涙は枯れることなく溢れてくるようだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ