表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/74

25


 フェリシアン様の言葉に思わず耳を疑って、私は聞き返した。


「え? 今なんて……?」


「一ヶ月後にあるお祭りに行かないかと誘ったんだ」


「お祭り……」


 今日はフェリシアン様が我が家に来てくださっている。

 いつものようにお茶の席で会話を楽しんでいたら、フェリシアン様からお誘いの言葉を頂いたのだ。


「……騒がしいところは嫌いだろうか」


 呆けたまま喋らない私を、フェリシアン様が心配気に見てくる。


「い、いいえ! 全然っ」


 私は慌てて首を振った。


「ぜひ、行きたいです」


 嬉しい。お祭りに誘ってくださった。

 去年は誘われなかったから、今年も行かないだろうと思っていたのに。

 お祭りは年に何度かあるものの、一ヶ月後に開催されるお祭りは私にとっては、特別なもの。なぜならフェリシアン様と初めて会ったのが、そのお祭りだからだ。


 あの日からずっとあなたを想っていた――。 


 そのお祭りをまさか当のフェリシアン様と行けるだなんて。 

 嬉しさで鼓動が弾んでいく。

 

「良かった。では当日迎えにいく」


「はい。お待ちしております」


 そうして、私はその日がずっと待ち遠しく、一日一日を指折り数えながら過ごした。








 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ