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同じ日本の空の下で  作者: 武蔵
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時代背景的な

一国の総理がポンコツ過ぎるとろくな事がない。

ペーパーテストでしか評価しないと、ろくな人間が集まらない。

知識はあっても、知恵がなければ使えない。


勉強はできなくても、知恵と狡さがあれば生き残れると思いませんか?

周防 礼二【スオウ レイジ】

海上自衛隊第1護衛隊群司令部幕僚

三流大卒 就活で内定切りを受け海上自衛隊に2等海士として入隊

大卒は幹部になれとの教育隊司令からの指示により幹部候補生試験を受験し合格

仕事より酒と女が大事と公言し、学業や仕事は手を抜いていたが、元来の実用主義的な思考が上司に気に入られ第1選抜で佐官に昇進。しかし本人は仕事と責任が増えたとかなりの不満


天津人【アマツビト】

天使のテンプレみたいな見た目をした天使

ただし口は悪く、上司の指示を自分の都合のいいように拡大解釈したり屁理屈で相手をおちょくるのが大好きなへそ曲がり


【日本国】

現実の日本と同じ。政治家が無責任、国民は政治に無関心、他人には無寛容というところも


【中華人民共和国】

現実の中国に国内の政情不安がプラスされた程度 領土への野心は現実より露骨


【アメリカ合衆国】

現実の米国にモンロー主義がプラスされた程度 世界の警察官を捨てた。自国第一主義者が大統領


【大韓民国】

現実の韓国より反日・親中 北の将軍様の縁戚が大統領という救いようのない国


【プロローグ】

東シナ海

「艦橋より報告!『いかづち』『ありあけ』から黒煙!」

「空自AWACSより入電!国籍不明の艦船6隻レーダー探知、魚釣島の350度80マイルを25ktで東進中!!」

「EF司令部との交信、取れません!」


ディスプレイの明かりのみを光源とする薄暗い部屋…護衛艦『いずも』CIC内に悲痛な声が響く。


「僚艦との交信は?」

「ジャミングが酷く、ほとんど会話になりません…」

「至急信の電報で送れ」

「すでに送信しましたが、僚艦からの応答ありません!」


通信員の悲痛な声が泣きそうな声に変わる。隣に座る同僚が見たら、声だけではなく顔色も変わっていた。


令和X年8月15日、戦没者追悼式が武道館で行われているその裏で、東シナ海に展開中の海上自衛隊第1護衛隊群は混乱の最中にあった。

一週間前、尖閣諸島大正島の上空で中華航空のチャーター便が消息を絶ったという知らせにより海上保安庁が現場海域に進出したものの、すでに中国海警が大正島近海に展開。捜索活動を妨害され、さらに中国重武装海警から攻撃を受けたとの交信を最後に音信不通となった。


「!、空自AWACSより入電、5空所属P-1からの通信データを中継送信する」

「さすが空自だな。我が社と違ってジャミング対策がしっかりしてる。…いい知らせじゃなさそうだがな」


両肩に3本の金線…太線2本の間に細線1本…をつけた、鋭い目にエラの張った顎と周囲の人間より一回りでかい肩幅をした長身の男がつぶやく。


「空自AWACSからの通信、左スクリーンに出します」

『我、レーダー照射を受けつつあり。国籍不明艦船の画像識別完了、レンハイ級巡洋艦2、ジャンカイⅡ級フリゲート2及びルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦2、針路080速力…!ミサイルロック警報!シーカー波から、レンハイ級巡洋艦の……』

スクリーンの表示はそこで止まった。これが意味するものは、すなわち…


「空自AWACSより…5空P-1レーダーロスト」



『ここに我々は、過ちを二度と繰り返さないとの決意を新たに、世界平和と国際社会との協同を実現すべく…』


日本武道館…覇気のない目と抑揚のない声で原稿に書いてある言葉を紡ぎ出す初老の男、菅野内閣総理大臣の姿がそこにあった。


『人類全体が幸福な暮らしを送ることが戦没者の方々にとっての…』

「緊急事態なんだ、総理に早く伝えないと!」

「慰霊の言葉が終わってません。終了まで待ってください」


やや声量を落とした、しかし焦りを隠そうともしない男の言葉が舞台横より発せられる。

だが、押し留める男は有無を言わせない毅然とした態度だ。


「待てるわけないだろ!日本が…我が国が攻撃を受けているんだぞ!!」

「…しかし、慰霊の言葉が…」

「もういい、どけっ!!」


焦り男が狼狽え男を押しのけ、原稿から一ミリも目を離さない初老の男に向かう。

焦り男が近づいても、初老の男は一瞥もせずひたすら抑揚のない声を出すことに集中している。


「総理、防衛省より報告がありました。尖閣諸島有事です。直ちに官邸対策室への移動をお願いします」

『戦争のない、平和な世界を築くために我々は』

「総理!!」

「…君は今何をしているのか分かっているのかね?」


総理と呼ばれた初老の男が焦り男を睨みつける。

鋭さのない濁った目を向けられた焦り男は、その死んだ魚のような目の不気味さに思わず後ずさる。


「有事だろうが地震だろうが、今ここで慰霊の言葉を述べるのが私の最優先事項であり、それを一官僚たる君が中断させるなど許されるとでも思っているのか?」

「…は?」

「下がりたまえ。報告は式典が終わってから聞く。いや…」

菅野は焦り男を見下すような顔で、歪んだ笑顔を浮かべる

「君の後任者から聞くことにしよう。」


「空自AWACSより入電!国籍不明機接近中、退避する!」

「EF司令部との連絡はまだ取れないのか?」

「チャットによる交信取れました。読みます。『状況を再度確認し、臨機応変に対応せよ。ただし、発砲は指示あるまで禁ずる』…はあ!?あっ、い、以上です」


読み上げた電測員が思わず狼狽える。


「通信幕僚、EFに対し確認を…」

「統幕にいる同期に衛星電話で確認しました。未だ総理に了解を得られていないそうです。アンダーの話としては、総理は報告より戦没者追悼式典を優先して報告を聞かないとか」

「あんのボンクラ売国奴が!!」

「予想以上のバカだったか、ちくしょう!!」

CICのどこからか、自分達の最高指揮官を罵る声が上がる。本来あってはならないことだが、群司令以下誰も注意しない。皆心の中では同じことを思っているのだ。

自衛隊は軍隊ではない。ただの行政機関であり、災害や弾道ミサイルに対する命令前の対処以外は、何をするにも許可がいる。それが今、裏目どころか最悪の目が出つつあった。

「!! ソーナー探知、本艦の70°、80!」

「クソッもう限界だ!対潜戦闘用意!!」

「艦長!?」


肩に金色の太い線を4本付けた、中年男性が声を上げる。


「これは俺の独断だ。上級司令部との通信は不明瞭かつ、命令を待ついとまがないこの状況。中級課程で習ったのを覚えていないか?」

「はい…加えて、P-1の被撃墜は状況からして確実。十分に、いえ、十分すぎる程に『武力攻撃事態』の要件を満たしております。」

「つまり現在の状況は、十分満たしているだろう?」

「艦長、待て」


低いがよく通る、そして威厳を感じられる声がCICに響く。その声を発した男の肩には、金色一色に二つの桜が描かれた海将補の階級章…


「単艦による対潜戦は戦果に直結しにくい。複数艦による継続探知と波状攻撃がセオリーだ。」

「しかし、それは…」


その言葉を遮り、海将補は自ら通信機のマイクを握る。通信系は短距離用で出力の高い、そしてジャミング対策のため定期的に周波数の変わる秘匿特化の艦隊指揮通信…


『全艦、こちら第1護衛隊群司令 いずもを中心とした対潜輪形陣を形成せよ。陣形はA「むらさめ」B「あけぼの」C「まや」D「こんごう」、「あきづき」は「いかづち」「ありあけ」の防護にあたれ。なお、各艦は敵潜水艦を探知したならば、指示を待つことなく攻撃、これを撃沈せよ』

「ぐ、群司令…」

「貴様は昔から何でも自分で背負い込もうとしてたが、あいかわらずだな。」

「……」

「少しは上の人間を使え。責任を取らせろ。これは俺の…」


海将補は笑みを浮かべ、泣きそうな艦長に言葉をかける。


「俺の『独断専行』だ。」



「ぐ、群司令それは…」

「不満か?なら意見具申を許可する。」

艦長はその言葉にハッとする。

潜水艦対水上艦の戦いは、最初から潜水艦が有利なのである。沿岸やSosasが設置された海域なら五分の勝負、タイマンでは9割方水上艦が負ける。

古代ローマの決闘のように、一発逆転を期待して挑むのはヒロイズムに酔った馬鹿のすることだ。憶測や期待で物事を判断してはならない。


「…承知しました。」

艦長は群司令を向き、答える。

『いずも』は図体こそでかいが、単独での対潜戦闘能力は通常の護衛艦に劣る。それは罪務省…もとい、財務省による予算削減という名のデチューン化を阻止し、海上自衛隊としての要求が通った数少ない艦艇に与えられた能力があるからだ。

「それでは、本艦はこれより艦載機による対潜戦闘を開始いたします。」「航空機、準備でき次第発艦せよ」

それは、海上自衛隊として初の純粋な航空機運用能力に特化し、1個護衛隊群の航空機を全て運用可能とされる…航空母艦としての能力である。


『いずも』から南東20㎞…尖閣諸島大正島沖海面下50m

黒い鯨が泳いでいた。人間同士の放った、気が狂いそうな程の音と衝撃に怯えなから、ゆっくりとその音源から離れるように。

これまで、大きな音はよく聞こえていた。海上を進む鉄の塊から意味の分からない音が聞こえたり、ごく稀に水中の何かから水をかき回すような騒がしい音が。最初の頃は聞こえるたびに逃げていたが、自分を捕食するような行動をしないことから、警戒心が薄れてきた。

しかし、今回は今までと全然違うことに気付く。

初めて聞いた爆発音、そして何かが軋む耐えがたい音と共に、ほのかに香る血のにおい。生き物が血を流しているということは危険の証であると本能的に察し、その危険から遠くへ逃げようとヒレを動かす。

瞬間、鯨は前から来る何かに気づく。なぜ危険に向かって進むのか?己には理解のおよばない何かが起きているのに、何故?

そして数秒の後、鯨の横を鉄の塊が通り過ぎる。後ろから激しく水をかき回しながら、ゆっくりと。その姿を横目に見ながら、鯨は大急ぎで遠ざかるのであった。

初めまして。

こんな短い文章にすら1週間かけた社畜です。

社畜と言っても、国営企業の社畜ですがね(T_T)

更新はいつできるか未定ですので、ふーん(´_ゝ`)って感じでいて貰えれば幸いです。

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