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僕の章 第三節
気分が悪い。
ひどく悪い。
ここにくると思い出す。
あの地獄を思い出す。
気分が悪い。
ひどく悪い。
そこでふと気付く。
これは気分が悪いのではなく、心が痛いのだということに。
心が痛い。
ひどく痛い。
僕は剣だ。
肉体的な痛みは感じない。
しかし、心があった。
故に精神的な痛みは感じる。
心が痛い。
ひどく痛い。
ソウ君と会話を交わせないほどに痛い。
何故、僕に心なんてものがあるんだ?
こんなものがなければ、こんな地獄のような痛みを味わわずに済んだのに。
何故、僕がこんな苦しみを味わわなければならないんだ?
僕は何一つ悪いことなんてしていないのに。
何一つ僕が望んでしたことはなかったのに!