初陣
「初めての任務ってスライムが定番ですよね?
いきなり最強レベルのドラゴンって何かの手違いですかねっ!!?」
後ろで見守っているであろう彼女に叫んだ。
しかし、返答はない。
入り口は閉ざされていた。
扉に駆け寄り、なんとか開けようとするもびくともしない。
「命知らずの人間が、こんなに早く来るとは。
あまり上手そうではないが、軽めの朝食とさせてもらおうか。」
ドラゴンはそう言うと、大きく口を開け周囲の空気を吸い込んだ。
これ、、確実に火を吹く展開だ、、、
予想通り、ドラゴンの喉元が赤く色づき始める。
同時に室温が急激に上昇する。
おわった。初仕事で黒こげになるのは全く予想してなかったなー。
半年前、彼女の誘いを受けなければ。
そもそも会社やめてなければ。
過去の記憶と後悔がとめどなく溢れてくる。
この場で人生が終わると覚悟した瞬間。
不思議と何とか足掻いてみようという気力が湧いた。
もしかしたら、研修で習ったことで生かせることがあるはず。
研修で学んだ、この絶望的な状況を打破することができることはなんだ、、、
・基礎体力アップのマラソン
・暴漢に教われた場合の護身術 初級
・剣道 初級 竹刀と防具の使い方
・魔法学 日常で役立つ10の魔法
他
おわった。