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就活
勢いで会社を飛び出したはいいが、行く当てもなく町をさまよっていると、不意に背後から声を掛けられた。
「お兄さん、ちょっといい?」
金髪で肌の白い、ザ美人外国人といえる女性が、肌寒くなってきた10月にしては異常に露出度の高い服装で僕を見つめていた。
明らかに、夜のお店の客引きと思ったがこの時の僕は会社をやめた勢いそのままにこの美女の話を聞くことにした。
「あなたに良い話があるんだけど、ここじゃあれだからついてきて!」
怪しすぎる。
夜の店の中でもかなり危険な部類の店かもしれない。
ただ、そんな危険なこともヤケクソになっているので気にならない。純粋にこの美女ともっと話していたいと思いついていった。
美女に案内されたのは古い雑居ビルの3階の部屋で、ほとんど物がなくテーブルとイスが二脚あるだけだった。
イスに座るように言われ、少し待つと美女が洒落たティーカップに入った温かい紅茶を僕の前に出し、彼女もイスに腰掛けた。
「あなた仕事探してるでしょ?
いい仕事があるんだけどやってみない?」