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暗き廃城に光を

『……ありえん、ありえんっ! この映像も、貴様の言い分も全てハッタリだ! ……そうか、さてはあの小娘が何か細工をしているのだろう! は、はは、はははははは、そうだ、そうに違いない!』


『残念ながらルルカさんはそんなことしていません。ほら、今だって次の対策現場に移られていますよ。仕事熱心ですね』


『あんたが勝手に私を飛ばしたんじゃないっ! って今度はどこなのここっ!? なんか地上の景色変わってるんですけど!』


『そこは【ファスター】上空です。それを反射したらまた次の場所へ向かって反射作業です。頑張って!』


『いやぁああああああああああああああああああ!!!』


俺は、部屋中に響き渡るあいつらのやりとりを呆然と眺めていた。先ほどまでのシリアスさなど、もうとっくに吹っ飛んでしまっている。これも全て、あのシリアスブレイカーの悪魔のせいである。


『ぬぅ……っ! 我輩を、こんなふざけた茶番で侮辱しおって! 許さん、貴様ら愚者には何度でも絶望を与えてやるっ!』


ヴァンがそう言った直後、城内が何回か、赤く光った。もはや悠長にやってられなくなったらしい。


『ふははははははっ! もうお遊びは終わりだ! 全魔力を駆使してあらゆる場所に落としてやった! 世界の終焉だ!!』


『おや、なんだかたくさん降ってきましたね。ルルカさんが過労死しちゃう。ま、でもルルカさんは浮いてるだけでいいわけですから、問題ないですよね!』


『大・問・題・よっ! うわああああああまたこっち来たぁ! コータ! ノア! 誰でもいいから助けてああああああああああ!!!!』


そして、あの反射音。続いてスクリーンの切り替わり。ルルカの絶叫。ゼノンの笑い声。再び、あの反射音。スクリーン切り替わり。


――――――ああああ待って待って!―――――いやいやそれはさすがに無理っ! 無理だからっ!――――――うわあ来ないで、これさっきのより何倍もでかいって!―――――――もうなんがい反射じだらいいのぉ……!!――――――もういやあああああっ!!―――――――――



うわぁ……。


これトラウマになるだろうなぁ……。無傷のままなんだけど、なんか……かわいそう。


『なんだ……なんなのだこれは……何が起きて……なんだ……』


こっちもこっちで壊れちゃってるし……。


『なぜだ……絶対に絶望を与える術を身に付けたはずなのに……もう少しで世界を地獄に陥れられたのに……』


『どうしても絶望を与えたいようですね。でもそれは不可能と言っていいでしょう。この私がいる限り、この世はどうあがいても希望です。このゲームでは、一応ハッピーエンドを目指していますので』


『ひぃ……ぐすっ、もうおうち帰りたいよぉ……!』


なんか一人だけ絶望の淵に立たされてる人の声聞こえるんですけど……。


そんな、他人事のように、隕石を反射し続けるルルカに同情していた矢先。


『あ、ちなみに反射した隕石はそちらにお返ししますね』


あのバカは、とんでもないことを口にした。


「は?」『なに?』


またしても、俺とヴァンの声が重なった。


……いやいやいや、今反射したやつ全部? こっちに飛んでくるの? え、マジ? それ普通に死ぬやつなんだけど?


あれ? なんか城揺れてね? あと真上からすげぇ音すんだけど。あ、ヤバいヤバいヤバい、地鳴りが大きくなってきたよ? 【どうあがいても希望】じゃなかったの? ねえ!?


『あ……本当に……こちらに飛んで来ておる……。我輩は夢でも見ているのか……? 上空に……いっぱい……隕石が……隕石が…………』


「おい魔術師の始祖っ! お前の力でなんとかできねえのか!? ちょっとうちの悪魔頭トんじゃってるから俺の事忘れちゃってるみたいなんだけど!」


『あーコータ君もそちらでしたね。失敬失敬。まぁエクスカリバーとか加護とかあるしなんとかなるでしょ』


「ならんわっ! 隕石を剣で(さば)けってのか? いくらなんでも無理ゲー過ぎるだろっ!」


『おぉ……もう直撃する……なんなのだこれは……』


「しっかりしろや魔術師の始祖っ! いい加減現実見ろ! ってわあああああ地鳴りがヤバい音もヤバいもう全部ヤバいヤバいぃぃい! だ、誰か助け、」


そして、辺りは強烈な光に包まれ―――――――――――――――――――――――――――――――――





ズドォォオオオオオオオオオオンッッ!!!!!!!





「ああああああああああああ!!!」『ぬぅわぁああああああああああああああっ!!!!!』


城に隕石が直撃し、大爆発した。

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