自爆魔法使いの損害処理係!
主人公の立場が弱い!!
再度言おう!この小説は「ギャグ」異世界小説である!
「頭をあげて下さい、騎士の息子が、そう簡単に頭を下げるものではありません。」
「自分の非の重さを重々受け止めているからこその謝罪です、ご理解下さい」
「ルーカンに似て、とんだ頑固者だこと」
え?今がどういう状況かって?
少しずつ説明していくよ、まず、ここはノーフォード子爵邸、つまり僕の家だ。机に頭から突っ込んでるのが、僕、体がだるくて動きたくない。
隣で座りながら、呑気な顔をしてるのが婚約者のエヴァ。おい、お前の婚約者机に埋まってるんだが。
そして、その隣で頭を下げてるのが俺の親友のイーサン。
え?ツッコミが多すぎるって?質問は一遍に頼むよ。
「貴方方に非はありません、強いて言うならば護衛をつけさせなかった私たち親側に責任があると言えます。」
ドゴォッ
そして再度、俺の頭に拳骨が落ちた。痛いけど、なんか痛くない。体が怠いせいだな
「旦那様ともよく相談して事態の収拾に当たります。今回のことは誰にも見られてませんか?」
「はい、馬でこの屋敷に戻るときに、礼服に着替えたので誰にも見られてないと思います。」
まぁ、流石に全裸で王都を走るわけにもいかず、貴族の普段着に着替えて家に帰ってきたわけなのだが。
「わかりました、イーサン。貴方が息子を誰よりも大事に思ってくれているのは知ってます。でもね、貴方は貴方のやり方があるの、上に立つものほど時には非情な判断を迫られる時もある。」
ドゴォッ
あのー母さん?何回可愛い息子の頭に拳骨を落とす気なんですかね?
「何より、そうやって残って2人を逃がす決断をしたのは紛れもなくこのバカ息子なのですから。気にする必要はありませんよ」
「・・・・はい」
そうは言ってもイーサンの顔は納得いってなさそうだ、え?なんでイーサンの頭を下げている顔が見えるのかって?机を頭が貫通したから、見えるだけですけど?
「そして、エヴァちゃん」
「はい!義母様」
「ありがとう、貴方のお陰で息子は助かったわ」
「義母様!」
あーうん、そんな抱き合って。照れるなぁ、俺の頭は机に貫通したままだから、2人の足の動きで勝手に判断してるだけだけど。
「既に、貴方の件でライト王、以下王国中枢の方々にはこのことを知らせています。これがどのような結果になるかは不明ですが、貴方方に害が及ばないよう、親2人が協力してことにあたるようです。」
だから大人しく謹慎してなさいと、そういうことですね。
「貴方にはまだお話がありますよ、ノア。」
あ、はいそうですよね。
そうですよねーー!
◇◇◇◇
王都の王の執務室、ケイアポリス王となったライト王の執務室には、今日も騒がしい男が訪れる。
「てぇへんだ王様!人間の底辺だ!」
「そのどっかで聞いたことのありそうな発言をやめろウルフィアス!指を指すな!不敬罪で死刑にするぞ!」
「国民の奴隷なんだから事実じゃないの?」
「うるさいわ!そもそも私は王位なんか、もういい。何の用だ」
「ギレム平野で大規模な爆発事故が起きました、直接の被害はありませんが、ギレム平野はダンジョンとしては壊滅。代わりにあそこで採取可能だった薬草の値段が急騰すると思われます。」
「原因は?」
「既に察しがついているのでは?ライト王。俺達が開発した魔導ゴーレムの電池を担った男だ」
「自爆魔法か、子爵家の長男が事故死とは。魔物が自爆する性質を持つとかしてケリをつけよう。」
「いえ、ノア・サムセットは生きております」
「は?」
そんな馬鹿な、自爆魔法は文字通り、体を犠牲にすることで強力な魔力を周辺に放つ技。発動すれば最後、生きられる筈もない。
「彼の婚約者が魔法を慧眼しました、蘇生魔法。文献にしか残ってない、この世界で恐らくただ1人の超レア魔法です」
「それは是非研究、いや王国としても調べなくてはならないな。呼べるか?」
「もちろん可能です、ノア本人も極秘裏に呼んでしまいましょう。後、ノーフォード子爵と王国騎士団長殿が王に面会を求めてますが、如何しますか」
連れてこい!あのバカ親2人め、仕事をしろ仕事を」
全くとんだ疫病神だ、ノア・サムセット!
ウルフィアスとライト、めっちゃ仲良さそう
ウルフィアス=ウ
ライト=ラ
ウ「あく世継ぎ産ませろや側室選ぶぞ」
ラ「あ?もう妊娠してるわ」
ウ「マジ?」
ラ「産まれたわ、男だわ」
ウ「あ、産まれたの?あめ」
ラ「お前本当研究以外関心ないな」
ウ「魔導局の仕事もやってるぞいい加減にしろ」
ラ「キリキリ働け」