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ギレム平野爆破事件イーサンside

こちらは不定期更新になります


許してね

「よし、じゃあ向かうか!森に」


「はぁ...はいはい、わかりましたよ」


俺・・イーサン・バトラーは今日も、親友のノア、エヴァと一緒にギレム平野に行く予定になっていた。


俺とノアは、家族ぐるみでの付き合いで、文字通り生まれた時からの腐れ縁だ。ノアの親父さんは貴族という文官の仕事があるにも関わらず騎士としての技量も確かで、親父・・騎士団長と互角に撃ち合えるのはノアの親父さんぐらいのもんらしい。


「ノアーーーーーーッ!私も行くよ!」


そう言って駆けて来たのは、ノアの婚約者のエヴァだ、もっぱら俺たちのパーティーでは後方支援担当、ノアと俺が前衛でエヴァが後衛で弓をかけると言うのが基本になっている。


下手くそな弓使いだと、後ろから弓が飛んできて前衛に当たるとかいう事故があるのだがエヴァの場合それが全くない。弓の腕はピカ1だ。もしもの時の応急処置なども上手いため一緒に行っている。


本来なら婚約者をパーティーで連れていく冒険者なんてありえないんだが...俺たちは貴族だし問題ないだろう。エヴァの実家も騎士団所属で男勝りが過ぎるからな。


このパーティーならいつかはドラゴンでも倒して、俺は家は継げなくても騎士として自力で身を立てられるようになるんだ!


そう思っていたし、できると俺は確信していた。


「よしノア、上官命令だ、エヴァも連れて行くぞ。エヴァの作る弁当は美味い。」


「今までで12番目くらいに殺意の湧く命令ありがとうございます」


「ノア、今まで12回もイーサンに理不尽な命令されてるんだね」


わはは!恨むならお前の家を恨め!


親父の息子である俺と

親友のノアと、その婚約者


それが、俺たちのパーティーだった。


◇◇◇


「当たった!イーサン、留めを!」


「おう!これで、終わりだ!」


俺の大剣が轟音と共に魔物を一刀両断にする。


既にエヴァの弓が命中し怯んでいたモンスターは、俺の剣を避けられずに絶命した。


「なぁ、取り敢えず休憩にしないか?」


「おお、まぁそうだな」


そろそろ休憩にしようか、俺はまだまだいけるが、腹は減ってはなんとやらってグリーン様も言ってたしな。


こうやってノアやエヴァに自慢げに話しをしているが、俺がグリーン様と出会ったのは父のおかげと偶然の賜物だ。


人魔大戦が起こる前、小姓の仕事が休みで父と共に訓練場で修練をしていた時に、グリーン様が現れ、少しだけ付き合って頂いた。


苛烈な印象、兵士たちの特訓でもスパルタだったが、それでも優しいところは優しいというタイプであった。


ノアのお母さんに似ているな。


「ノアに賛成!お弁当だすよ〜」


エヴァはそう言うと、お弁当を勝手に広げ始めた。


あ、絶対に腹減ってた奴だなこれ


「しょうがねぇな、俺も手伝おう」


普通の日常だった、俺は周囲の警戒をしながらもエヴァに近づいていく。


そんな時だった


「イーサン、エヴァ、逃げろ!」


それは本当に到達だった、魔物を狩りに来て、エヴァの作った弁当を食べる。そんな何気ない日常を、1匹の魔物が壊した。


それは丸太のような太さの巨大ヘビだった、名前は知らない、こういうのはノアの仕事だしな。だが本能が先に言っていた、こいつはヤバイ、少なくともAランクはあるだろう。


Aランクなんて、父の仕事で騎士団総出で退治に出かけた以来だ。あれは結局父上が仕留めたんだっけか?騎士団にも被害が多数出た。


そんなレベルの魔物と同じか、同等以上の雰囲気を、この蛇の化け物は放っていた。


気づいた時、俺はもうエヴァを担いでトップスピードで、オロチとは反対の自分たちの馬がある場所まで逃げていた。


親友を見捨てて


「ノア!逃げるぞ!あれはAランクのモンスターだ!俺たちじゃあ太刀打ちできない!」


「良いから行け!」


「でも・・」


力なくエヴァが婚約者にそう呟く、俺が担いでいるが、もがいて抵抗しようともしない。自分がこの状況においてどれだけ無力か理解しているからだ。


「この中で1番足が速いのは俺だ、早く行け!」


ノアは、後ろを振り返らずにそう言った。


俺は、迷わずエヴァと共に馬のある場所まで走り出した。ここにいても邪魔なだけだろう。


ハァ、ハァ、ハァ、ハァ


一体どのくらいの時が過ぎただろうか。俺は相変わらず全力疾走を続けている。1時間か、30分か、10分か、いやそれよりも短い間だっただろうか。


エヴァは泣いていた。すすり泣く声が聞こえてくるが、今は泣いている場合じゃない。一刻も早く援軍を読んで、ノアを助けねぇと!大丈夫だ、アイツがそう簡単に死ぬ筈がねぇ、俺たちが逃げ切ったのを確認したらどこかで隠れている筈だ。


ーー 次の瞬間、その希望は打ち砕かれることになった。


背後が急に輝きだし、燃え出し次の瞬間には凄まじい熱風と衝撃が俺を襲い、俺とエヴァの体は宙に投げ出された。


風に攫われる最中、俺はこう思うしかなかった。



一体...何が起きたっていうんだ?




◇◇◇



焼け焦げた炭のような匂いで俺は目を覚ました。


エヴァは、うん無事だな。衝撃に晒される前にエヴァを抱いて丸くなるようにして守ったから、傷一つないのは当たり前で、むしろ俺の背中が痛い。木でも刺さってる気がする。人の婚約者になんてことを?これは守るためだ。大切な部下の婚約者を守ったんだ、非難されるいわれはない。


「うん・・・ってイーサン大丈夫!?木がぶっ刺さってるけど」


「あぁ、全然大丈夫」


そう言いながら俺は刺さってる木を背中から抜く。うん、全然大丈夫だな


そんなことより、なんだ、この状況はよ


森が燃えていた、あの爆風で、俺たちは結構遠くまで飛ばされちまったみたいだ。俺たちの周りは山火事のような状況になっており、遠くの爆心地は、見事に更地になっているのが見えた。


「ッノア!」


「おいエヴァ、危ねぇぞ!」


俺の制止を振り切り、エヴァは道を引き返し始める。そりゃそうだ、だった爆発して更地になってるところは


ノアと化け物が戦っていた場所じゃねぇか










そこは本当に、何もない更地になっていた。土や岩が辺り一面に広がり、ここからちょっとした範囲が更地になり、周辺にあった木々も炭と化している。


そこで1人、エヴァは泣いていた。ノアが両親に貰って、大切に腕につけていた、最早焦げて装飾も見えなくなったブレスレッドを握り締めながらーー


「はは...嘘だろ、あのノアだぞ...エヴァ」


「・・・・・・」


「ッッ...!!俺のせいだ」


そう、これは俺のせいだ。あの化け物の特性も何もわからず、ノアを1人で置いてきぼりにしちまった。あそこで一緒に戦っていれば、突破口が見つかるかも知れなかったのに。


俺はーーーー


膝がもう耐えられないと言った風に崩れ落ち、俺は座り込んでしまった。ダンジョンでは必須の周囲の警戒なども忘れて、俺とエヴァはただ涙した。


太陽に反射して、ノアのブレスレッドが紅く光ったような気がした。


俺の人生において最高の幸運は2つあった。


1つは俺の妻が政略結婚にも関わらず美人で仲も良かったこと。そしてまあ1つがまさにこの瞬間だった。



エヴァの体が輝き始めた。美しい緑色の光がエヴァの体を包む


「エヴァ、そりゃなんだ?魔法か」


「わかんない、私、魔力はあるけど魔法は使えないっていうタイプだから。」


だが・・・それは明らかに魔法だった、それが何故?


その光は地面全体へと繋がり、地面から土が隆起し、ノアのブレスレッドを呑み込んだ


俺もエヴァも、ただそれを見守ることしかできない。


エヴァの体から全ての光がなくなったその瞬間、立っていたエヴァはゆっくりとその場にへたり込んだ。


「大丈夫か?」


「大丈夫、魔力が切れたのかな。でも、これって」


隆起した地面がまるでかさぶたのように剥がれ落ちていく。その中から出てきたのは紛れもなく


俺の親友のノア・サムセットだった、全身裸だけど。


エヴァの膝にちょうど頭がかかる、俺は自分の上着を脱いでノアに被せた。


「なぁ、これってどういうことなんだろうな」


「なんでもいい・・・なんでもいいよ・・ノア」


何故こうなったのか、エヴァの魔法か?しかし人を復活させる魔法なんて見たこともない。まさか、ブレスレッドにノアを復活させる何かでもあったと言うのか。


まぁ、だが今は先に


「良かった、ノア!」


どうやらノアが目を覚ましたようだ、あー近い近い。エヴァとノア近いぞ。このバカップル。この様子だと魔物が姿を変えてるとかはない。寝起きの目覚めの悪さ、間違いなく俺の知ってるノアと相違なかった。


「イーサン、これは一体?なんだ、泣いてるのか」


当たり前だろ、生きててくれて、有難う


「ちげーよ!目にゴミがな。ってそんなことより2人とも、取り敢えず、逃げるぞ!」


こんな爆発だ、すぐに人が来る、逃げなきゃヤベェ!






























あれ?ギャグは?

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