序章 放課後の事故。
キーンコーンカーンコーン、と学校の終わりを終えてくれるチャイムの音で目覚める。
いかんいかん、帰りのホームルームの途中でどうやら寝てしまっていたらしい。
気をつけー礼。と先生がいい、お疲れ様でしたー。とクラスメイトが言い、みんな自由なことをやりだした。
さて、俺は家に帰ろうかな…。メールを起動して妹にいまから帰ると送信っと。
すると送ってすぐに返信が届く。内容は了解!というものだった。
返ってきた返信を確認した俺は、そそくさと教室から退散…
「ねぇ、有栖くん。今日クラスのみんなでカラオケに行くんだけど、有栖君もどうかな?」
…しようとしたら声がかかってしまった。
俺に声を掛けてきたのは北島レイク。このクラスの男女学級委員を務めている爽やかリア充系の外人と日本のハーフのイケメンだ。
生まれつきなのか、目は淡い青色で髪の色は金髪で、とんでもなく顔立ちが整っている。実にイケメンなやつだ。
しかし、困ったな。カラオケに誘われたがすでに妹に帰ると言ってしまっているし……普通に断るか。
「えっと、ごめん北島くん。俺、家に帰って料理つくらなきゃいけないから。ごめん」
それを聞いたレイクは残念そうに。
「そっかぁ、残念……。じゃあまた今度誘うけどその時はぜひ!」
「あぁ、わかったよ。誘ってくれてありがとう」
実に良い奴だ、北島レイク……無理強いはしないし、俺のような陰キャも誘ってくれる……人としての鏡のようなやつだ。
そう思いながら俺は家に帰るべく教室の外に出ると。
「な、なん───っ!?」
急に目の前がフラッシュアウトし。
何故か、そこで意識が途切れた。
次回から異世界に転生します。