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予想してたより酷いんだよ

雪花視点になります。

 さて、こちらはお城の一室。側妃…いや、元側妃かな?がいる牢の様子を眺めていた。


「醜い争いだな。捕らえられた者は全て何らかの罪を犯しているから捕縛されたというのに…」


 国王陛下…お義父様も頭が痛いようだ。


「あの、手際がよすぎません?」


 確かに私が公爵様達に働きかけたが、まるであらかじめ用意していたかのようだ。


「ああ、どうせ息子に王位を譲るときにまとめて始末する予定であったからな」


「そうそう。泳がせといて証拠を地道に集めてたんだよね」


 お義父様とお義兄様はニヤリと笑った。うわあ、悪い笑顔だな!


「そうだったんですか」


 ケビンがおずおずと声を出した。ん?なんか拗ねてないかい??


「あの、何故我々にその話が来なかったのですか?」


「お前達はちと潔癖な所があるからな。あれらを一網打尽にすればかなりの影響が出る。ゆえに捕らえるには時期を見る必要があったが、犯罪があるとわかればお前達は見て見ぬふりなどできぬだろう?」


「う…」


「それに、お前は腹芸ができないからなぁ…いや、兄としてはそんなケビンが可愛いよ?図体でかいし見た目オッサンだけど、お前は素直でいい子だもん。ただ腹の探りあいには向かないし、それで気取られて警戒されたら面倒だったから…ごめんね?」


 お義兄様、軽い。だが、わからなくはない。ケビンも耳と尻尾をしんなりさせつつ頷いた。

 とりあえず膝に乗っかりよしよししてやると、尻尾がパタパタ元気になったのでよし!そのチョロさも可愛くてよし!


「そういや、カイン君はどうなるんですか?彼も王子様なんですよね??」


「いや、カインは私の子ではないから王子ではない。王家の遠縁に一人夫がいて、恐らくはそやつとの子だろう。私はあれと子作りはしていないからな」


「え」

「は」

「そうなのか?」

「マジですか!?」


「うむ。まじだ。愛してもいない女には反応しなかった」


「………え?あんなに元気なのに「ケイ様、下ネタは二人きりでやってください!」


「む、すまん。しかし、あんなに毎晩毎晩たっぷり「母上!そんな赤裸々な話はしないでください!!」


 ケビンが泣いた。確かに実の両親のそーゆー話は勘弁だ。


「あはははははは!兄弟何人増えるかなぁ?」


 お義兄様は爆笑していた。


「あと5人は欲しいな」


 何故だろう。ケイ様ならばヤり遂げる気がする。うちのベイビーズより小さな叔父叔母が増える予感がする。


「マジですか!お義母様はいいなぁ…私は私の妻(王太子妃)以外娶りたくないのに子供ができなくて他の女を娶る話があるんですよね…」


「えっと…奥様と話してもよろしいですか?」


「かまわないよ。まさか子作りにアドバイスが!?」


 いや、そんな期待に満ちた瞳をされても困る。


「…確率を上げることは、多分できると思います」


 生理周期を計算すれば、排卵日を予測できるはず。後は…なんかあるかなぁ?


 すぐにお義兄様はお義姉様をつれてきた。本気で嫁を愛してるのがわかった。プレッシャーかけるのやめて欲しい。

 お義姉様ことチェルシー様は超可愛かった。お人形…いや、妖精さんみたいだ。蜂蜜色の柔らかい髪とエメラルドの瞳が美しい。しかし、あの元側妃に負けないぐらい気が強いらしいよ!仲良くなれそうな気がする。


 結論から言おう。





 なんとかなってしまった。







 魔力の乱れが原因だったらしく、調べたらベッドから謎の札(多分呪いのアイテム)が出るわ出るわ…騒ぎになりましたよ。侍女が何人か捕まりましたよ。幸い命を狙うものではなく、妊娠を阻害する呪符だったらしい。


 全部除去したら、後日妊娠が発覚したよ。良かったね!でもそれは、まだ先の話。


「あの……わたくしとも仲良くしてくださる?」


 しかも、お友だちになってと言われたよ。当然オッケーしたね!




 話がそれたけど、そうそう…元側妃だったね。夫と父からめっちゃ罵られてるわぁ。


「さて、そろそろ頃合いか」

「ですね」


 お義父様がケイ様を抱き寄せた。


「ようやく終わらせることができそうだな」


「…残念だな。やり方さえ間違わなければ、あれは陛下の力になっただろうに」


 ケイ様は本気で惜しんでいるようだ。


「ケイ様は元側妃が嫌いじゃないんですか?」


「ん?嫌ってないぞ。あれは私と違ってお姫様だ。私のような粗野な女を嫌うのは当たり前だろう」


 だから嫌いで許せなかったんだろうなぁ。自分の狭量を突きつけられる。ケイ様は素直で自由。しなやかで美しい。

 温室で育ててラッピングされた花と、どんなところでも咲く強い花。温室の花は、外で生きてはいけないだろうね。


「…ケイ様は私が見ても魅力的ですよ。ね、お義父様」


「ああ!ケイティは美しいぞ!いくら本人でも、私の愛するケイティを貶めるのは許さん!誰がなんと言おうと、私の妃はお前だけでいい。もう、二度と放さぬ!」


「陛下………」


 お義父様は強くケイ様を抱きしめた。


「はいはい、いちゃつくのは後でね。セッカ達は念のため待機で。とどめを刺しに行きますよ、父上」


「ああ、決着をつけよう!」


 自分の手で刺したかった気もするけど、きっとこの方が元側妃にはこたえるだろうね。


 いってらっしゃい!!

父上も雪花も楽しそうだな

(・ェ・`U)

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