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護衛が決まったんだよ

 とりあえずご近所様の誤解を解いてまわったら、じいから来客だと告げられた。応接室に行ったら、サズドマとヘルマータが室内で睨みあっていた。


「要らねえから帰ればぁ?」


「不要なのは貴様だ!」


「…人の家で何してんの?ケンカするなら外でしなさい」


「申し訳ありません」

「ごめぇん」


 すぐさま私に謝罪する2人。素直になったよね。


「よろしい」


 頷く私に、何故か他の騎士や近衛騎士達がひきつっていた。誰だ!?今猛獣使いとか言ったやつ!使ってないから!普通に仲裁しただけだから!


 室内には何故か騎士5人・近衛騎士5人の計10人が居た。


「…騎士の皆さんは私の護衛で顔合わせかなと思いますが、近衛騎士さん達のご用件は?」


「我々も姐さんの護衛にしていただきたく、馳せ参じました!」


 胸を張って返答するヘルマータ。


「え?」


「近衛のせいでヒメサマが危ない目にあったんだからぁ、信用できねぇなぁ」


 騎士達は頷く。この場にいる近衛騎士はかつて騎士団で奉仕労働をしていたメンツだから、信用できる人材だと思う。それでも『近衛騎士』の私への仕打ちにとても怒ってくれているらしい。

 普段ならサズドマを諌めるシャザル君すら頷いていて、むしろもっとやれと言わんばかりである。すごく珍しい。


「ぐっ…た、確かに姫様を危険にさらしたのは我々の失態だ…だからこそ、そのままにはしておけない!」


 まぁ、そりゃそうだ。このままだと近衛騎士の存在意義が怪しくなりかねないだろう。

 ヘルマータは私に手紙を渡してきた。手紙は近衛騎士団長様からで、きちんと選出した人材だから使ってほしいという内容だった。


「…どうしよっか?」


 この場の最高責任者であろう婚約者(ケビン)に確認した。


「セツがしたいようにしていいぞ。断りたければ俺から近衛の方に話を通す」


「そんな!?騎士団長様!?」


 近衛騎士達はケビンに私を守らせてほしいと土下座してまで頼みこんだ。


「お願いします!どうか挽回の機会を…!」


「そもそも俺は騎士にセツを守らせることも不満だ。彼女は俺が守りたいのだから。さて…どうする?セツ」


 まだ納得してなかったんかい!そして、あくまでも決定権は私にあるらしい。


「いい機会だから、混合チームを提案します」





『は?』





 まさかの発想だったらしく、皆ポカンとしてしまった。だってどっちも納得しないなら、そうするしかないじゃなーい?。そんなに変な提案だった?私は首を傾げてケビンを見つめた。


「混合、というのは…」


「騎士と近衛でペアを組んでもらって護衛してもらうの。例えば片方に何かあったら片方が増援を呼ぶとか、片方は側で護衛して片方は隠れて護衛するとか…おかしいかな?」


「いや、かなり合理的だな」


 ケビンが頷いた。護衛は基本1対1だ。しかし手練れ揃いとはいえ、対応しきれない事態もあるだろう。近衛は基本3人1組であるそうで、とりあえず試しにやってみることになった。


「そういえば、シャザル君も護衛なんだ?」


 彼はあまり強くなかったはずだが…私との関係がいいからってこと?


「シャザルは姫様との関係が良好なこともありますが、最近テコー?シュコー?を使うようになってからかなり実力をつけまして、騎士団内の模擬戦でたまにサズドマに勝つほどなんですよ」


「マジで!?」


「スゴいでしょ?うちの愚弟」


 カダルさんがドヤ顔をしている。愚弟って言われてるけど、多分この兄的には誉め言葉なんだろうね。シャザル君は嬉しそうだ。


「たっっまにマグレで勝つだけだしぃ」


 サズドマはケビンに次ぐ実力者だ。マグレでは無理だろう。しかし認めたくないらしく、サズドマは拗ねている。


「サズドマは強いからマグレ勝ちなんて不可能でしょ」


「ぐっ…」





 そんなこんなで私の護衛が決定した。まぁ、ケビンと休みがかぶるようにしているから、決まったものの出番はないだろうと思っていた。しかし、私は…ケビンもか。私達はオバハンを甘くみていたのだ。

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