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異世界トリップしたので可愛い獣人を全力で愛でることにしました。  作者: 明。
お城暮らしは大変なのです

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色々想定外だよ

 カダルさん達は情報収集に行こうとしたけど、マーロさんが私とケビンがイチャイチャしている気配を感じとり、見学していたんだそうな。無駄なシックスセンスを発揮しないでいただきたい。


 元から自分の持ち物は少なかったので荷作りはすぐ終わり、ケビンの家…いや、今日から自宅になるんね。


「ぼっちゃま、若奥様、お帰りなさいませ。お荷物をお預かりいたします」


 早速じいが荷物を持とうとしてくれたけど、重くないしさっさと部屋にしまいたいから丁重にお断りした。


「ところで、そちらの犯罪者はいかがいたしますか?」


「えっと…とりあえず奉仕労働をさせます。何か仕事はありませんか?」


「ふむ…何ができますか?」


「…ごめんなさい、私は魔法関係以外は役立たずです。私が触ると穢れるから、野菜の皮むきとかもしたことない…そうじ、はなんとか床拭きぐらいなら…でも、私みたいな穢れた生き物がそうじしても綺麗にならない…」


 んん?何ソレ??


「スノウ、賢者様ってあんたをそんな風に扱ってるの?」


「お師匠様は、しない。でも、お師匠様はカワリモノだから優しいだけ…です」


「んん?なんで穢れてるわけ?」


「この老人のような色素が無い髪と、赤い禍々しい瞳。私は悪魔の子なのです」


「…ただのアルビノじゃない」


「は?」


「そこは気にしないでいいよ」


「あるびのってなんですか?」


「ん?色素が無い…一種の遺伝異常だね。別に悪魔の子でもなんでもないよ」


「…本当に?」


「は?」


「私は、悪魔の子ではないの?」


「うん」


 スノウが泣き出した。何故泣く。


「それに私はケビンの赤い瞳も好きだし綺麗だと思っているから気にならない。むしろあんたの色も珍しくて綺麗だと思うよ」


「…でも、みんな気持ち悪いって…」


「そりゃ、心が狭いのよ」


 私はキッパリと断言した。ケビンが私をナデナデする。何故だ。


「そうなの?」


 スノウは唖然としている。


「そうなの。本人がどうにもできないことで他人を貶める奴は最低です。まぁ、他人を貶める事で自分の評価も下げてる残念な人間なんですよ。スノウは魔力が高いけど、目からビームもでないし、口が裂けたりしない。むしろどの辺が悪魔なわけ?どっからどう見ても人間じゃない」


「……わたしは、にんげんなんですか?」


「うん。人間ですよ」


 しばらく泣きじゃくるスノウから話を聞いた。これは多分皆に聞かせるべきだなと屋敷の皆にも集まってもらった。


 スノウは親と異なる色で産まれてしまい、母からも父達からも疎まれた。魔力が生来高すぎたために、結界に幽閉された。

 奴隷並み…それ以下の扱いを受けたが、皮肉にも疎まれる原因の魔力のおかげで生き延びた。

 過酷な生活に体は順応し、傷は魔力によりすぐ治る。食物も魔法でこっそり調達した。


 そして、その状況を把握した賢者様に引き取られたのだという。賢者様は遠縁なんだそうな。


「……なんか、悪かったな。でも、これ以上セツ姉に迷惑かけんなよ!」


 迫害対象である獣人の皆には感じるところがあったようだ。シロウ君は子供達の代表としてスノウを受け入れてくれたらしい。背景が予想以上に重たくて、私も叱る気が失せてしまったよ。


「はい」


「仕事は教えてやる。じいさん、俺達預かりでいいよな?」


「ええ、助かります」


 じいが頷き、スノウは素直にシロウ君の後をついていった。







「セツ姉、あいつマジで体力無いんだけど…」


 数時間後、疲労で動けなくなったスノウをシロウ君が運んできた。


「あ、あはははは…」


 そもそも引きこもりがちな研究オタクが獣人の体力についていけるはずがない。白いしもやしっ子だし。


「仕方ないねぇ」


 以前貰った魔石付きペンダントを貸し出すことにした。受けとるのが礼儀だからと貰ったはいいが、常にケビンがくれたやつを使っているからタンスの肥やしになってたやつだ。もはや誰がくれたかも覚えてない。後に返却しようとしたが、断られたやつである。

 常時体力回復を付与。魔法は封じられているが、魔石の魔法は有効だ。魔封じはあくまでも魔力の体外排出を封じているので魔石の魔法は使える。


「がんばります」


 根性はあるらしく、フラフラしながらもスノウはまだ働くつもりらしい。


「あ、筋肉痛なんかは防げないからあまりにオーバーワークだったら止めて」


「わかった」



 そう言いつつ、これってフラグかなぁとちょっと思った。その後改めてこちらに住むと皆に話したら、とても喜ばれてすっかり忘れてしまった。



 翌日、思った通りゾンビみたいにフラフラ歩くスノウを見つけた。


「だから言ったのに…」


「ううう…」


 メソメソするスノウ。泣くんじゃない。男の子でしょ!


「しかも、なんか臭い」


「…シロウが筋肉痛に効くって湿布を貼りまくったから…自分でもすごく臭いです。シロウ酷いんですよ!自分で貼りたくっといて、臭いから寄るなとか言うんです」


「スノウ、次馬小屋やるぞ!」


「はい!すぐ行きます!あ、あの!私、痛いけど働くの楽しいです!本当にごめんなさい!」


 スノウは私に頭を下げるとシロウ君達の方によたつきながらも駆け出した。


「……なんか、すっかり浄化されてる」


 多分子供達にはマイナスイオンが備わっているに違いない。ついでに一般常識も学んでくれるといいなと思った。

 珍しく今回はあまり働いてない雪花さんでした。子供達は皆よい子です。


 スノウの境遇に共感し、彼を仲間だと認識したようです。雪花は知りませんが、大体ケビン宅の子供達も似たような目にあわされています。

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